次の中断期間には夏の市場も開いているので、状況次第ではありますが、もう具体的に動いている段階になっているかもしれません。次の段階で検討するのでは遅いので、今のうちに強化ポイントを改めて探っておきます。

 

 

まず、前提としては全ポジションで質が足りてませんね。J1のある程度のチームであればレギュラーを張れるというレベルに達している選手はそんなに多くはありません。実際のところ、J1からきた選手で絶対的な存在の選手はいたかというとほとんどそうではないです。もちろん、残留争いをしているレベルのチームでレギュラークラスという経験のある選手はいるでしょうけど。そのレベルにあるクラブということの自覚をし、いかに今いる選手を活かすのかを考えねばなりません。いい状態の選手を代表レベルともてはやすのは簡単です。しかし、いつもいい状態ではないわけで、それでもある程度のレベルにまとめて、試合で力を出せるか。これがプロというもんです。

 

 

強化ポイントについては前回示したと思うんですけど、さほど変わっていません。基本的な課題としては前と後ろでチームの質を上げられる選手です。

前線、特に得点能力と前線で時間をつくれる選手です。このポジションについてですが、基本的にJ経験者でないときついです。経験しているからいいわけではなく、ある程度実績を積んだことのある選手である必要があります。昨季のパトリックみたいに起用法を見定めれば武器になるという選手であればOKです。J1での実績を求める理由としてはJの強度にアジャストできるかも大きいからです。今季は新外国人としてマルコトゥーリオを迎えましたが、なかなかアジャストできていません。献身性を示すとか一定レベルで成果は示しているんですが、強度の部分で不安が残ること、得点力が足りていないこともチームとして大きなマイナス材料となっています。足振るべきシーンで振れてないというのが印象として残っています。

続いては後ろの選手ですね。特にセンターバックと守備のできるサイドバックは必須かなと思います。センターバックとしてはここにきて宮本が定着しましたけど、理由としては走力です。ハイラインをベースにする以上、後ろの選手には走力が求められます。今のところCBとして計算している選手は走力が不足している、もしくはカバーリングの意識が不足していて使えないということなんですよね。宮本もサイズがなくて、やられるシーンもあるんですが、それを補えるカバー能力もそれなりに持っているということで計算できるようになりました。ただ、この起用になると右サイドバックのバックアッパーがいないという問題があります。両サイドバックが今季守備においてウィークポイントになっている部分でもあります。ロングボールの標的になったり、サイドをぶち破られて失点の起点をつくったりと守備面で精彩を欠いていることがチームの不振にもつながっているわけです。量は揃っていても、チームとして求められていること(強度、エリアカバー)といった部分が今のところできていないことが、これだけの失点を重ねている要因でしょう。後ろの弱さは名古屋戦の失点シーンみたいにミドルレンジに人がいないということにもつながってきます。前に出られんだったら出たいんですけど、それをさせられない後ろの弱さは人で補っていくしかないです。

攻撃のオプションづくりという点も重要になってきますね。前回は左右のアタッカーの課題を示したとは思いますが。ここについては置きにいくというより、パターンを増やすことになるかなと思います。あと、先ほど後ろの課題を触れましたけど、根本的にディフェンスの考えを変える(≒監督交代を含めて)というのも策としては考えられるわけです。ハイラインをやめるということですね。これはめちゃくちゃ難しいです。というのもディフェンスラインを下げればまた後ろの強さが必要になってくるからです。ローラインで耐える選手を揃えるなら、前は起点をつくって運べる選手を揃えないと攻撃はどうにもなりません。基本的にサンガというチームはカウンターが下手なチームですし、カウンターで点がとれないと得点パターンは限られます。相手が揃う前にフィニッシュにいくという手段としてプレスを取り入れざるを得ない(大木時代からこんな感じがずっと続いています)という見方もできるわけです。ローライン、ロングカウンターで行くんだったら、根本的にアタッカーの質を変えないとどうにもならないという問題もありますし、そもそもドリブルアタックを増やしていくのなら、両サイドにアタッカーを入れるという策も検討せねばなりません。今のところサイドバックがアウトサイドレーンを担っていますが、守備重視にするのであれば、ウイングにアウトサイドアタックを担ってもらう必要があります。それができる人材をもう少し揃えることも必要かもしれません。根本的にアクセントにもなるわけですし。もう少し運ぶ部分の質を上げるためにアタッカーの質確保はすべきですね。

中盤については量はいるけど、期待通りに働けている選手が少ないという課題があります。平戸が徐々に序列を上げていますが、それに続ける選手が出てこないのなら、ここも強化ポイントになるんじゃないでしょうか。

 

 

どこもかしこも課題だらけということです。前と後ろの質を上げること、次にサイドの守備強化、中盤の質強化といった順序でしょうか。すべてできるわけではないと思いますが、最低限の補強はきちんとしておきたいところ。そこやないやろと思わせながら、結局のところうまくいった昨季みたいな例もありますけど。結果が出ればいいわけです。