元なでしこジャパンの鮫島彩選手が24-25シーズンをもって引退することが発表されました。

WEリーグの発足、そして新チーム発足をもって大宮アルディージャVENTUSに移籍し、3シーズン。ついに現役を終えることとなりました。

 

 

 

まず、彼女のキャリアスタートは東電でした。快速アタッカーとして名をはせ、代表に上り詰めました。代表では長年、代表チームの課題となっていたサイドバックで定着し、2011年W杯での優勝、翌年のオリンピック銀メダルに貢献。とはいえ、このシーズンあたりから怪我に悩まされ、まともにプレーできない状況が続いていました。特に所属チームにおいては2011年3月の東日本大震災を機に、チームが解散という形になり、アメリカやフランスでのプレー機会を得ましたが、コンディショニングに苦労したのではないでしょうか。2011年の活動時は無所属という形で代表に招集されることもありました(数年後の男子代表にもそんな選手がいたんですけど)。結局のところ、マリーゼを引き継ぐ形となった仙台でプレーするものの、コンディショニングを考えてか、神戸に移籍。ここでパフォーマンスを取り戻すこととなりました。2015年のW杯でもレギュラーとしてプレー。翌年、オリンピック行きを逃したことでベテラン選手に大ナタが振るわれるなか、実力で代表に戻ってきました。このときには右サイドバックやセンターバックでもプレーするなど不遇ともいえる扱いでしたが、結果的に実力で左サイドバックのレギュラーの座を奪回。ただし、2019年はチームも振るわず、オリンピック代表の座も逃すこととなりました。その後は大宮でのプレーが中心となり、ほぼ新規といえるチームにおいて大きな役割を果たしました。

 

 

印象的なのが走り方ですね。

 

(2020年サンガスタジアム南側の道路から線路に向かって撮影)

 

このお買い物~♪というのがまさに彼女の象徴です。彼女のファンがこんなところに一時期住んでいた(?)のも面白いですね。

ちなみにこの走り方が変だと気づいたのはラジオでのトークによるとマリーゼに入ってからだそうです。なんとも可愛いエピソード。

ただ、スピードはかなりのもので、代表チームでもトップクラスでした(意外や意外、高瀬や菅澤がトップのスピードらしいです)。そのスピードを活かした縦への仕掛けというのが特徴でしたが、何より代表チームにとって助かったのは後方のスプリントじゃないでしょうか。あの時分、なぜ勝てたのかといろいろ考えるんですけど、歴代チームのなかでも守備面で勝ってたからだと考えています。サイドバックがきちんと食い止めることでセンターバックの負担を減らすこともできたんじゃないかと思います。

あと、単純な速さだけではなくて、経験を積むとともに読みの部分もよくなっているのも大きかったですね。本人曰く読書家とのことで、勉強熱心なところも自分の武器をより活用できたんじゃないでしょうか。

プレー以外でも頭の良さというか、勉強熱心というか、真面目というか、本当に素晴らしい方です。プロ化した大宮においても地域活動に積極的に顔を出していたようです。ファンサも熱心ですし。

 

 

個人的に好きな選手なので残念であります。プレースタイルもさることながら、中身を知れば知るほど本当にいい方で、惹きつけられましたね。毎年、大宮のアウェイゲームを見ていたんですけど、今季は参戦できずというのが後悔しかないです。

おそらくですが、引退後もまた活躍してくれる。そう信じて、引き続き応援しようと思います(マリーゼの先輩はいろんな意味で活躍してますが(もはやタレント扱いw))。