前回で長くなったので、今回は今後のチームづくりについてまとめることにします。

 

 

 

まず、前回の冒頭でえ~と突っ込みたくなったと書きましたけど、それについて触れておきます。

監督としてではなく、強化担当として大熊氏はFC東京、C大阪、そして清水。今回で4チームめとなります。いずれのチームもかなり派手に動いてきました。成果もあるけど、清水では失敗した印象がぬぐえません。そもそも清水で失敗した理由としては新たなサッカーづくりという小林伸二体制でJ1に戻れたのはいいけど、それだけではJ1で戦っていけないということもあり、新たな基軸を求められての就任となりました。残念ながら成果はありませんでした。そもそも監督として頭を使うというより、走るとか心とかそうした部分を重視されてきたので、どうすれば積み上がるのかというノウハウがないのもあるでしょうし、清水のチーム事情もあるでしょう。大熊任期中にとにかく監督が替わりました。実際のところ、清水以外でも監督人事をひっきりなしに動かしてきて、特にFC東京(JFAスタッフ復帰後)とセレッソでは自らが陣頭指揮に出るという形をとっています。いずれもサンガとやっていて勝てなかった印象も強いんですけど、2010年はサンガとともに降格し、2015年はPOでサンガを置き去り(とはいえ昇格はできず)と因縁めいた関係もあります。もうひとつが特に清水時代に目立った積極補強ですね。チームスカッド見ているのかといわんばかりに補強してきます。清水は最近出た決算においてもJ2では異例ともいえる規模をもっているのが大きいんでしょうけど。補強術はうまいんですけど、スカッドやチーム状況を無視してしまうというところがポイントですかね。

こうしたなかでの懸念材料としては2点で、陣頭指揮を執りたがり、湯水のように資金を使うということ。これってカトQと一緒やないかというわけですね。サッカーとしても構築できるわけではありませんし。こうした方々がJFAのスタッフとして入っているのも日本サッカーの象徴なのかもしれません。

 

 

いくつかの懸念材料があるわけですが、まず、大熊氏自身が支持を得られるかが問われるんじゃないでしょうか。チームバランスを崩壊させず、結果を出すことでしょう。チョウキジェ、過去には柱谷監督は地元出身であるがため、地元の支持はめちゃくちゃ大きいです。強化部や社長のコメントを見る限り、我々に監督の任免権はないということの確認だったと思います。実際のところ、社長が監督決定に大きく関与したことはありますが、強化部という範囲で監督を決めた実績というのはサンガの歴史でもほとんどありません。GMを敷く以上、監督の任免権はそこに集中します。監督の人事、そして、チームとして積み上げてきたものをうまく取り入れながらチームづくりができるかです。チームをただ残留させればいいというわけではありません。限られた資金(幸いにもスタジアム開業後は黒字決算が続いています)で最大の成果を出せるかということですね。カトQがあれだけやって支持されきらない理由がこの部分です。補強の成果を最大限に出せる新監督の招聘に動くのも策でしょう。特に地元財界はチームの低迷を断ち切ったチョウ監督の支持層はそれなりにいると思うので、納得できる人事をして、結果を出せばいいわけです。

今季は残留というのが至上命題になってきますが、そのあとのチームづくりもしっかり考えねばなりません。結果的に大熊GMとしてこれまで評価されてこなかったのがこの部分でしょうし。

 

 

苦しいなかでここに手を出しちまったというのが正直な感想です。しかし、人材がいないのです。そもそも選手レベルを間違ってないかというのが問われる部分です。かりに新監督がきたところで、あまりにもできないことが多すぎてお手上げみたいなことになることを懸念している状況です。それを改善すべく大型補強に挑むための新GMというのはそれなりに効果のあることだと思います。ただし、GMとして就任した以上、選手のみならず、監督人事、あとはクラブとステークホルダーとの関係性なんていうのも考えて動かねばなりません。

とりあえず、どう動くのかを見て、結果を出れば認めましょう。少なくとも今期は結果が出れば文句も言われないはずです。