チーム低迷の打開策として新GM就任の発表がありました。

 

 

え~と思わず突っ込みたくなる人事ではありますけど。

 

 

まず、GMの必要性についてですが、これはかねてより切望していたわけです。J2にいたときから。基本的にサンガの場合、オーナー型クラブということで社長職は親会社からの派遣で来ます。基本的にサッカー素人です。サッカークラブの成功というのは経営成績が良いだけではなく、チーム成績も残せているということにあります(他にも地域に根差した活動とかもありますけど)。この両輪を素人社長で管理することは不可能だと考えています。実際のところ、強化(特に監督人事)に社長が入って、チームはめちゃくちゃなことになりました。しかも複数。サッカーに関してはそれなりの知識を有する方に統括してもらうべきということを考えていました。もちろん、知識を持っていればいいというわけではありません。というのも責任重大なポジションでもありますからね。チームの状況を考えた強化ができる方を求めているなかで、監督以上に人材難のポジションだといえます。

なぜGM職が監督以上に枯渇するかというと監督志向の強い人間が多いからです。分かりやすい例は柱谷幸一氏です。かつてサンガの監督兼GMを務めていました。GMとしてはかなり有能な人間だと思ってます。というのもサンガを含め、彼が携わったクラブの多くでアカデミーチームの充実という実績があるからです。ただし、彼も監督志向が強く、浦和(資金力があるため)以外では専任の強化部には就いたことがありません。監督が特権化してしまうのはライセンスもありますし、編成の部分でも監督が使わないとなれば獲れませんし、権限は大きくなりがちです。妥協点なのかは分かりませんけど、GM兼監督という手法もありますが、基本的にこれも難しくなっています。というのも選手の交渉は移籍市場が閉じれば次の市場の交渉が始まります。監督が席につけるのはオフシーズンだけになります。特にコロナでシーズン終了が遅れた2020シーズンは顕著で、この年躍進した北九州が選手の慰留、獲得で大幅な遅れをとって降格した経緯があります。実際のところサンガにおいても05-06オフで思うように補強が進まず(柱谷曰く最小限にとどめたのは強がりだと思われます)、チームの低迷を招きました。

 

 

この人材難の時代において、サンガとしてはJ2時代において初期に祖母井が就任して以降、カトQが短期的に復帰したのを除いて、ずっとGM職が不在でした(落ちひんのときには京セラからの派遣で野見山SDが就任した時期もありましたが)。これもまたチームの低迷を招いた理由かと思われます(そもそも祖母井期においてTDに高間、強化部長に細川など、強化をやりそうな人間の管理職がやたらと多かったようです)。素人社長とGM不在というアンバランスがなんともチームを苦しめた要因にもなりましたね。

GM職としては加藤久が2020シーズン途中から強化育成本部長(強化アカデミー本部長)という形で復活する時期もありました。彼自身も2007年からサンガでGM職、途中から監督職を兼任する形で務めていました。なんなら社長職の期待もあったようです。しかし、第1期は喧嘩別れという形になりました。いちばん大きな要因としては成績不振です。08・09年と監督をしているなかで、明確なレベルアップができず、09年の後半戦は出し尽くした感があるなかで、監督自分を強行させてしまったという責任が大いにあると思われます。本人がGM専任になる努力はしたようですが、できなかった以上は責任を取らされるのはやむを得ないかなと考えています。それ以上に問題となったのが資金を湯水のように使い、チームの財政を大きく傾かせてしまったこと。ちょうどこの時期から移籍金ルールが大きく変わる時代でもありました。現在の制度になる前までの移籍制度は移籍係数によって決められるものでした。実質的にフリー移籍というのは満了となった選手を除くとほぼ不可能という状態から、契約期間が切れていればフリーでの移籍が可能という、スタンダード的なやり方になったわけです。当時脂ののっていた選手たちを獲ることで大きくチームの財政をゆがめてしまいました。結果的に彼が去った2010年のオフは高年俸(正確には中レベルといってもいい選手を含めて)選手を放出せざるを得ないことになりました。以降、財政健全化にかじを切らざるを得ず、大木体制の3年間は監督が即戦力の補強を好まないこともあり、目立った補強といえるのが山瀬と外国籍選手くらいだったんじゃないでしょうか。

 

 

長くなりましたので、次回以降に今のチームにやるべきこと、あと、私の大熊私見をまとめることにします。