今日はルヴァンだ、あれーということで半ば負け惜しみで今大会について思ったことを2点書いておきます。

 

 

今季からルヴァンカップはJ1~J3の全60チームによるトーナメント方式となりました。実のところ2001年までリーグカップというのはJ1とJ2で行われるものでした。しかし、W杯による過密日程となった2002年以降、慢性的にJリーグは試合数の増加などでリーグカップの参加をJ1のみに指定してきました。J2以下のカテゴリのチームからするとJ1との対戦機会が減ることによるマイナスもありましたが、J2そのものが過密日程(ほぼ毎年40試合以上をこなすことが常態化)でしたから、別にいいやといった感じでしょうか。各カテゴリチーム数均一化により、J2は試合が減り、J1は増えることとなります。しかし、これまでGLをやっていたことを考えるとJ1は試合数の負担がほぼ横ばい(勝ち残らなければ34+6試合(+天皇杯)→38+1試合(+天皇杯))となっています。

J2の負担軽減に成功したことでもう一度、全チーム参加のカップ戦にしようということになりました。

 

 

下部カテゴリにとってはプラスの作用も大きいです。というのも基本的にGLは一発勝負、しかもJ1クラブがアウェイで来てくれるんですから。特に琉球は2・3回戦で古巣となる選手がいて、その選手からお手紙という形で宣伝を行うなど、積極的な営業を行うチームもあります。

これでいいじゃないかと思うところもあるんですけど、これは来季以降、もっと考えないといけないことだなと思い、執筆することとしました。

 

 

まずはミッドウィーク開催という問題です。今回アップされている最中に開催されているわけですが、J1クラブのアウェイ来客効果を最大限に活かすのであれば平日より週末にやった方が効果がよりあると考えられます。地域ごとの区分けであればミッドウィークのアウェイゲームであっても現地を選択する人が増えるかもしれませんが、アウェイの客効果を考えると限定的になってしまうのかなと考えています。

昨季までのルヴァンは平日開催もありましたが、数試合はAマッチデーの土日に試合が行われることもありました。その間、J1かつ代表活動のない選手にとって公式戦を消化する機会はなくなりますから、実戦感覚という点でも遠ざかるという課題が出てきます。

 

 

もうひとつが育てるという課題。育成は下部カテゴリがやればいいというのは誤った発想だと考えています。カテゴリを下げても実戦機会を得た方がいいパターンもありますけど、ハイレベルに近い形で実戦機会を得ることも大切です。毎年のようにオフに戻り、春にはレンタルという選手もちらほらいますが。リーグを空洞化させないためにも特に資金力のある上にいるチームの育成が問われるなか、その育成において大きな役割を果たしてきたのが、昨季までのルヴァンカップでした。特に昨季はU-21選手のスタメン義務というルールが復活したことで若手を実戦で育てる機会を各チームに徹底させてきました。一発勝負になってしまうとこの6つの機会がなくなってしまうわけです。

正直なところリーグ戦で若い選手を育てるのは難しいと感じています。長年J2で戦ってきたチームを応援していると分かるのが、J1にきた方が若い選手を公式戦で使う機会が増えるということです。カップ戦、しかもスタメン義務という形で無理にでも若い選手を出して育てるというやり方ではありますが、若い選手を育てる機会を確保してきました。しかし、一発勝負により、こうした機会が失われたことは課題としてあげられるかなと感じました。

 

 

公式戦における若手を出す機会の減少、あとはJ1との対戦効果の最大化という点はどうなんだろうと思った次第です。下部カテゴリがどっちを選ぶかなんですよね。天皇杯は基本的に各都道府県協会の収入になるので、クラブ的には賞金くらいしか潤う要素もないんでしょう(間接的には十分効果は得られていると思うので失礼な指摘だと分かっています)けど、リーグ戦、カップとなると直にクラブの収入になってくるので、リーグ戦なのか、カップ戦の興行による効果、どちらが大きく、優先したいのは、意向を確認していいんじゃないでしょうか。

育成という観点からすると一発勝負ではない形で試合数を増やすことになります。J2やJ3のクラブにとってかなり厳しい課題を突きつけることとなります。

 

 

どんなシステムを構築しようとも必ずといって課題が出てきます。それに対してどう向き合うのか。Jリーグという機構はこれまで比較的きちんと向き合ってきました。いくつかの批判に対し、結果という形で答えを出してきたわけです。ですから、すぐに否定する必要はありません。しかし、うまくいってないのであれば、それ相応の策をきちんととれるかが問われます。ルヴァンにしても秋春にしても攻めは強いんですけど、守りの弱さがないか心配になっています。