2005年にブログの執筆を始めて20年くらいになります。もちろん、その間中抜けもありますが。記録することにより、我々がどんな経験をしてきたか、どちらかというと負の歴史の方が大きいような気がしますが、そうしたものを積み上げることで知見を積み上げることにつながっているんじゃないかと思っているわけです。

ですから、現在の残留争いに対して、ネガティブになりすぎる必要もないかなと考えているわけです。人間なので理性的に振る舞うことができる一方で感情的になることもあるので、結果に一喜一憂することもあるでしょう。危機感のなさから最悪の結果を招く可能性もありますし楽観視しすぎるのも違いますが。

何を書くかというと我々が何を積み上げてきたのか、どちらかというとこうしたことから脱却しないと元の木阿弥になるという警告をしておきます。

 

 

基本的にサンガというチームは一時期を除いて勝負弱いです。ここで凌いだら勝てるという試合を落としてきました。大木監督時代が分かりやすいですよね。2012年の最終節、勝てばOKというところで勝てず、10年以上のJ2生活を味わうこととなりました。このときからというわけではなくて、このチームの伝統として勝ちきれない経験はたくさんしてきました。2007年のときは結果的に勝とうがあまり意味がない最終節だったと思いますが、勝ってプレッシャーをかけたい試合で引き分けたこともあります。

その原因となり得るのが逆転されやすいということにあります。その一因がガス欠によるものとかセットプレーの与え方の悪さとか。今季について書いているようでサンガの伝統芸ともいえる状況にあります。

それを変えるべく様々な指揮官が立ち上がりましたが、残念ながら継続できませんでした。おそらくは2021年から現体制がスタートしましたが、いちばん継続して、伝統を隠すことができたんじゃないかと思います。特に2021年はすごかったですよね。逆転された試合はありませんでしたし。点で見ればこういうシーズンはいくつかあって、好成績に結びついています。

ということで現場でサッカーはやっているんですけど、どうもそこだけでは解決できないというわけで、フロント、特に強化部もいろいろ動いてきましたね。これも動くわりに最適解を見つけられずに多くの人材を使い果たしてしまった印象です。そもそも、日本のサッカーの特殊事情ではあるんですが、クラブより代理人・エージェントの意向が強いというのがあります。サンガより資金力のある関西のチームがなぜか変な人事をやって泥沼にはまるというのを見てきたと思います。強化部の強化というサンガだけで見れば単純だけどやるべきことに対して、環境がそうさせてくれないということもあります。関西内でスタッフが順繰りしているみたいで、今オフもそんな動きありましたよね。いい人材は少ないわけです。

強化をやりたい人間が少ないという事実が難しくさせているということを忘れてはなりません。監督の方が特権的な扱いですし、年俸もいいでしょう。日本でGM(ダイレクター)で渡っている人はそう多くはありません。チーフスカウトくらいならいますけど(そうした方が役職上げて転任というのもありますが)。これは何を隠そうサンガの元GM兼監督だった柱谷幸一がそうなんです。彼は監督オファーなら受けるけど、フロント専任なら受けないというスタンスでした。例外が浦和のときで、このときは浦和の資金力が大きいので裁量が大きいからだそうです。強化部事情を難しくさせているのがライセンス制度です。AFCからのお達しでJリーグライセンスにおいて、ダイレクターやGMにもAジェネ以上のライセンスを求めるようになりました。Aジェネ取得のハードルを下げないと強化部専任だった方は結構きついんじゃないでしょうか。

ただし、うまくいく策というのもあって、強化部に良くも悪くも関西かぶれしすぎてない方は好印象です。失敗もしてますけど。関西で強いエージェントの影響力はありますからね。それだけではない路線での強化ができるというのはいいんじゃないかと今のところは見えているわけです。

 

 

強化部の強化というのを長い間説いてきましたが、思うように進まぬままきている状況にもっと冷静になって考えてきました。監督同様、切ったら悪化の可能性もあるわけですよ。

長期的に見て、サンガが今までやってきたことを否定するというのではなく(否定だけで歴史を変えられるのならそんな簡単なものはない)悪しきを替える。そうした心意気をもってほしいですね。

まずは現場レベルで30年の歴史から繰り返してきた悪しき習慣を変えていきましょう。90分走りきりましょう。守るべきところで守りきる。サッカーをやるにあたってプロじゃなくても当たり前を追求する。そんなチームを期待しています。