J2の序盤戦考察、後半です。前回は雑感をまとめましたが、いくつかのチームについて掘り下げていくことにします。

 

 

 

前回と同じく順位表を貼っておきます。主に上と下を中心に見ていくことになります。前半は昨季の成績を踏まえたチームを、後半は現状上と下にいるチームについてやっていきます。

降格してきたのが横浜FCだけなので、さらっと。勝ち点11で3位ですけど、よくもないけど、悪くもないかなといった印象です。それでもこの順位なので、きちんと仕上げたらトップ2を食えるだけの力があるということになります。私の評価は基本的に横浜FCは高くないので。ですから私の予想より上で終わるんじゃないでしょうか。

昨季のPO敗退チームについて。清水だけがここまで好調なスタートとなりました。清水については戦力レベルで圧倒しているので、普通にやれば昇格する、その普通にやることの難しさはあるわけですが、余計なことをいかに排除できるかだと思います。それと同時にやることとしては勝負強さを身につけることですね。試合を決めるようなところで踏ん張る、逆に勝ち越すといったところ。昇格しているチームもそうやって勝ち点を増やしてきているんです。普通にやる、勝負どころで力を発揮する。この2点が今季のポイントなわけですが、普通にやるという点ではできているんじゃないでしょうか。もちろん、そうなると個人レベルでもきちんと勝負できるチームにはやや弱いかもしれませんけど、そんなチームは多くないので気にする必要はないです。

逆に同じ勝ち点でスタートダッシュに失敗したのが、千葉と山形。戦力的に面白いチームですけど、PO敗退を繰り返している(山形は一回突破しましたが)のは理由があるんです。自動昇格まで勝ち点でたどり着いてないわけですから。14試合で3分の1を消化します。ここまでに目覚めてないとさすがに自動昇格を語るのは難しいんじゃないでしょうか。

続いては昇格チームです。こちらも同じ勝ち点となっています。勝ち点や得失点水準から考えるとJ3が異様な大混戦となった影響もあって、苦戦必至と考えていましたが、壁にぶち当たっているかなという感じはします。サッカーの質が低いわけではないんですけど、J2の個人の前に苦しんでいるのではないでしょうか。個別に判断するというより、お互いが同じような課題をもっていると考えていいと思います。圧倒的降格するほどかというとそうではないと思います。しかし、鹿児島のように警告の多いチームだとシーズン終盤に出場停止選手が増え、思うようにメンバーが組めないことで勝ち点をあげられない可能性もあります。警告が多くなる理由としてはチームカラーがあります。強度をもつがゆえにファール数が多くなること、逆もあって、強度が低いと遅れて危険なファールが増えてしまうこともあります。あとは、J2のプレー速度に慣れてないこともあるでしょう。現時点で見えている課題に対し、きちんと向き合えるかが問われているのではないでしょうか。

 

この他の上位、下位について考察していきます。

清水より上なのが岡山です。伝統的に岡山はスタートダッシュがうまいチームです。それは前回も書きましたが。それを継続できるかなんですよね。戦力で殴ることはできているんですけど、それだけではないチームとしての成長性が見えるかです。シーズンの終わりにこれだけ身についたのかと思えることがたくさんあれば、最終的にいい順位で終えられるのではないでしょうか。

甲府、長崎、仙台がPO圏につけています。資金力、J1経験などを考えると個人のレベルは高いチームです。ただし、昨季の成績を勘案するとどうにも上位には押しきれない部分がありましたが、普通に力を発揮できている状況ではないでしょうか。戦力的にはいいものをもっているので、上位戦線に残っていくには個人の力だけではない何かをもたらしていく必要があると思います。

この下は混戦となっているなか、序盤は昨季残留争いをしていたいわき、栃木、山口の3チームが上位に入っています。これは予想外。いわきは戦力の流出、後の2チームは監督交代がありましたが、結果的に入れ替えが奏功している序盤戦ではないでしょうか。このあと、上位戦線に絡み続けられるかは分かりませんけど、下位チーム候補にとって掴みが大切なので、それには成功しているわけです。こうなると残留だけではない、それ以上の成果が期待できそうです。

下に目をやると1勝組が残留争いと考えていいかもしれません。未勝利も混ざってますが。ここに群馬が加わっているわけです。昨季の躍進から下位からの卒業かと思いましたが、序盤は大きなつまづきとなりました。昨季後半から勝ててないというのはありますけど、それでもリセットされたらできることもあるなかで、ここまで勝てないのはちょっと精神的にきついですね。いろいろ騒がれる状況で集中できないのもあるかもしれませんが。水戸と徳島、あと熊本が下位となっています。水戸と徳島は明確で監督の実績、昨季の出来からして、続投の決断だと厳しい予想をせざるを得ない状況でした。熊本は流出のわりに補強が少ないので、厳しいシーズンを予想される方も多かったです。新戦力は面白そうなんですが、怪我人が出ています。

 

 

J2も連戦になるので、ここで監督交代を行うのはちょっと難しいですね。3連戦の終わりで監督交代を検討するにはちょうどいいタイミングかもしれません。

J2についての序盤戦考察はこれで終わりです。今後も3分の1、前半戦終了、3分の2あたりでレビューを、10試合を切った段階でプレビューをやる予定でいます。