サンガ関連の考察は今回で最後となります。今回は前回までを踏まえ、今後の展望をまとめていくこととします。

 

 

残留可能性について

大きな目標としてはいろいろ掲げることができるんですけど、J1に上がって経験の浅いチームがいちばんやるべきことって残留なんですよね。そのなかで力がつくというのも早計なんですけど、J1にいなければできないこともたくさんあります。ですから、まずJ1残留可能性について検討していくこととします。

結論としてはきちんとやれば残留はできると考えています。昨季の前半戦の終わりみたいにどうにもならない連敗地獄に入ってしまい、取り返しがつかないことにならない限り、残留できる力はあると考えています。おそらくは相性の力学で通用しないチームがあるものの、上位だから確実に屈するという試合が昨季後半から減っていて、力負けの可能性が下がっているからです。だからこそ、きちんとやるべきことをやらないと結果が出ないことにもつながります。J1生活を重ねていくなかで、相手にもこうすれば勝てるという術を与えているわけです。そこを乗り越えない限りは結果がついてきません。我々だけで試合に勝てるわけではなくて、相手があるわけです。ただし、だからといって自分たちにもフォーカスしていかないといけません。言い訳なんて探せばいくらでも出てきます。相手を見る、ただし、自分たちもよく理解しておくことがJ1で戦っていくうえで重要になってきます。

 

 

史上最強は可能か

今季の大きな目標ですけど、この達成についてですが難しいです。タイトルをとるとか、最高順位を目指すとかいろいろ条件がありますが、二兎を追って両方得るという難題を突き付けているわけです。どれだけ力があるチームでもやりようによっては失敗する可能性があります。サンガであろうがなかろうが難しいというのが答えです。

基本的にリーグ戦で結果を出すことが最優先でしょう。ここで結果が出ないときついですからね。今季はリーグカップ、天皇杯とも一発勝負になりますから、リスクを冒さずに結果を出せるかですね。リスクとはメンバーを浪費して結果を求めるというやつです。ルヴァンで試合数があることはアピール機会が増えて、選手にとってプラスになっていたので、それがなくなるのはきついですね。TMでよくても番長止まりという選手は見てきたので。

当たり前なんですけど、きちんとした競争環境の構築ができるかが重要になってきます。これは目標以前にチームとして1年間戦い抜くために必要なことです。

 

 

夏の補強を考える

恒例の補強考察をして、最後の締めとします。

枠としてはシーズン前に確認しましたが、今季の上限(オリンピック特例による27人)からは余裕のある状況です。昨季みたいに削りながら加入させるという作業をしなくてもいい状況にあるのは楽ですね。もちろん、資金との相談にはなってきますし、怪我人が出たら補充をしないときつい部分もあります。ただし、昨季を忘れてはいけないんですよ。苦しい陣容でしたが、力をつけた選手もいます。ただ、成長した選手は抜けるというリスクもあります。ですから、枚数が明らかに足りてなければ補充もしっかりせねばならないということは忘れてはなりません。

後ろから検討すると基本的に昨季の課題であった枚数を揃えることに従事してきたので、怪我人が戻れば問題ないと考えています。ただし、守備については専門性のある仕事だと思っています。コンバートとか若手の抜擢が簡単ではないポジションです。一方で新加入選手のフィットも容易ではありません。ですから、緊急性のある補強はしたくないですね。夏の補強で投資的な補強がうまくいってるケースもあるんですよ。半年間慣れさせて、次のシーズンスタートから全快で使うみたいな形。後ろは現時点でとにかく戦力になる選手を揃えていくことが大切です。

前についてはいくつかの余地があるかなと考えています。3人の前線のタスクについては今後変容するというか、違うタイプの選手をミックスさせていくんじゃないかと見ています。今季から安齋、来季から中野(彼は前めのサイドで必ずしも考えられているわけではなさそうですが)が加入した(している)わけですが、両者ともドリブルに特徴のある選手です。J2で戦ってきた10年ほどの間、攻撃が崩壊していた数シーズンを除くとサンガというチームはドリブルの多いチームで、トップクラスの数字をたたき出していました。ただし、昇格したシーズンだけは違ったんですよ。いかにも前にいくように見えて、守備やリスクマネジメントに重きを置いたサッカーでした。それを昨季まで踏襲してきたんですけど、攻撃面の幅、それはピッチの幅の使い方も含めてなんですけど、課題になるなかでドリブルの仕掛けというのも重要な要素となりつつあります。アタッキングという点では先述の2人に加えて、平賀が右利きの左サイド担当を担うことができるんですが、逆サイドの選手がいません。なんか、先日ぴったりな選手がサンガスタジアムでプレーしていたような気もするんですが。時と場合によっては特に左利きドリブラーについてはカットインを消されたり、中の渋滞を招かないために縦にいくことも求められるんですけど、右足を磨くのか、左サイドの光景に慣れるかが必要なオプションかなと考えています。左利きの右アタッカーの重要性は上がってくるんじゃないでしょうか。

単純に攻撃ではオプションが求められるので、パワー系FWはいてくれるとありがたいです。ただし、デカいからといってヘディングがうまい・強いわけではないということを我々はよく知っているはずです。パトリックみたいにあれだけ強い選手はなかなかいないんですけど、ある程度ロングボールに頼るのであればああいう選手はいてほしいわけです。もちろん、あの勝負強さとかも魅力なんですけどね。オプションとしてCFは抱えたいかなと考えています。

中盤はもう少し稼働させてみないと分からない部分があります。公開TMでも3人不在で、その3人のうち、松田天馬以外行方不明ですから。

 

 

序盤戦考察としては今回で以上となります。もしかすると補充がてら何かやるかもしれませんけど。

まだまだ様子見の部分が多いです。GWあたりまでにヤバいというのであればまた別のことを考えないといけませんね。ここらへんまでが見極めのタイミングです。失敗してるシーズンはヤバさが見えつつあって、夏以降に爆発する感じがします。まずは今季も戦えるという自信をしっかり掴んでほしいですね。