いつもであればJ1の序盤戦考察は5試合経過時点でやることになっているんですが、ちょうどAマッチデーによるお休みのタイミングで更新することとします。序盤5試合に拘る理由としては特に昇格チームにおいて5試合で勝ち点5をとれば残留するというデータがあるからです。実際のところ、一昨季に磐田がこのデータを覆すまで全チームに当てはまっていたようです。逆のパターンによる残留はレアながらあるんですけど。それだけJ1の経験が浅いチームにとって掴みが大切だということが分かります。昨年を思い出すとこのデータに漏れた横浜FCが中盤以降盛り返しましたが、1つしかなかった降格枠に入ることとなりました。序盤5試合のデータがそれなりに有用だと改めて示すこととなりましたね。ですが、5試合を経過していないので、データ的に危ないということは言いきれないわけです。

ちなみに昇格チーム以外で昨季のトピックがアンチポゼッションがひとつのブームになっていました。結果的に神戸、そして福岡がタイトルを獲得したことで、勝つための早道としてボールをもたない策は有効だと示すこともできました。しかしながら、近年のJ1を引っ張ってきた保持型、攻撃力のある横浜FMも最終的には2位、川崎はリーグ戦こそ振るいませんでしたが、最終的には天皇杯優勝を掴み取ることができました。強いチームはボールをもとうがもつまいがそんなに変わらないのかもしれません。特にJ1昇格チームの鉄則を破り保持型、メンバー非固定でもトップハーフを掴んだ新潟というチームがあるわけですから。

すごい前置きの長さですね。今回のメインテーマとしては順位表を見ての雑感となります。

 

 

 

4節終了時点までの暫定順位です。暫定です。というのも横浜FMがACL勝ち上がりのため、3節(G大阪戦)をまだ消化していないからです。ですから、3試合くらいで何が語れるんだということなんですよね。それでも考えていきます。

今季のオープニングマッチはエディオンピースウイング広島での広島VS浦和でした。互いに決定機がありながら先にものにした広島が押しきって勝利という展開。このオープニングマッチは両チームの現時点での勢いを反映する結果となっているんじゃないでしょうか。広島はここまで無敗。やや勝ちきれない試合があるのが気になりますが、前評判通りのスタートではないでしょうか。浦和は強度面の不安が課題となっていて、昨季鉄壁を誇っていた最終ラインが崩され、しかも怪我人が出ています。当たり前ですけど、最近のサッカーにおけるスタンダードともいえる強度を出せてないチームについては総じて苦戦傾向といえるんじゃないでしょうか。

そんななかで首位に立ったのが昇格チームの町田です。まさに強度を前面に押し出し、当たり前にやるべきタスクを徹底するという戦いが奏功し、ここまで3勝をあげています。黒田監督の発言やら、要領よく汚いプレーができる部分においては批判も多いんですけど、そこで狼狽えないのが昨季見せた町田の良さで、それがJ1でも発揮されているんじゃないでしょうか。アジアカップで日本が痛感させられた部分である弱き所を徹底的に突く。いろんな意味で徹底されていて、当たり前のようにして強度が出せて、出しきれる。そんな強さを感じます。町田をどう止めるかも見ものじゃないでしょうか。

この他に前評判の良い広島とセレッソが無敗スタート。ガンバも1試合未消化ではありますが、無敗スタートとなりました。ガンバについては今季は4-2-3-1をやっていて、さらに選手のコンディションも上がっているのが大きいです。昨季終盤からポジティブ要素が見出せませんでしたが、今季は復活するんじゃないかという期待感にあふれています。同じく昨季下位だった柏も前節敗れたとはいえ、期待感のある4試合だったんじゃないでしょうか。不安要素はありますけどね。9位までが2勝をあげていて、手ごたえのある序盤戦を過ごせたのではないでしょうか。

下位に目をやると札幌の最下位が目につきますね。怪我人が出ているようで、陣容としては苦しいようです。長期政権になっているミシャの限界がどこでくるのかという不安もありながらの近年でしたが、ここまで滑り出しが悪いのも珍しいんじゃないでしょうか。未勝利が札幌とヴェルディ。ヴェルディは内容はいいんです。しかし、最後の落とし穴に毎回はまっていますね。連戦最後となるサンガ戦で勝って、なんとかラインに乗せていきたいところ。勝ち点3組はいずれも不安の残るスタートですね。名古屋は得点力不足、他は失点が多くなっているということで、中断期間中の立て直しが求められます。

 

 

今季も序盤戦で退場者が多いようですが、これも試合勘なんだと思います。単純に選手が公式戦をやり続けるなかで順応する部分があるんでしょうね。レフェリーとしても微妙なジャッジでミスが発生するのもまた試合勘の部分が大きいのかもしれません。退場者が出やすいのは序盤あるあるですので。

あとはこれもあるあるになっている怪我人の多さ。特にシーズンが始まったところなのに今季絶望の大怪我というニュースもちらほらあります。これも高強度も一因でしょうね。特に公式戦になるとなおさら。強度とか守備を一切考えずにキャンプを過ごしたことがあるチームを見てきたので。

 

 

次回はいくつかのチームを取り上げて現状チェックをしていきます。