3月になりましたね。3月は去るといわれますけど、この発表そのもの(執筆もですが)2月にあったものです。

元日本代表の松井大輔、そして、岡崎慎司が相次いで引退を発表しました。両者の活躍を振り返ることとします。

 

 

松井は2000年にサンガに加入。チームは初年で降格しますが、翌年のJ1昇格に貢献すると、2002年には攻撃陣をけん引し、年間5位、天皇杯優勝を成し遂げます。2003年にチームが降格、翌年はJ2にいながらオリンピック代表を射止めました。チームはGLで敗退したものの、海外移籍に成功。主にフランスでプレーしてきました。フル代表としては2010年の南アフリカW杯のGL突破に貢献。しばらくすると代表から遠ざかることになりましたが、長きにわたりピッチに立ってきました。途中日本に帰国し、磐田やYS横浜でプレー。昨季限りで退団し、無所属が続いていましたが、この度現役引退を発表することとなりました。

指導者のライセンスも取得していて、ある程度現役ではない形を模索していたんでしょうけど、いざ決まってみると寂しさはありますね。京都に戻ってほしいと思う反面、サンガではいい思い出がたくさんあるので、それを壊さずに終わるのもまた幸せなんじゃないかと思うわけです。先日のチョウキジェカップにも参加していて、京都という地における友好関係を今後とも大事にしていってほしいなと思います。

プレーヤーとしてはうまいというか、魅せる選手でした。チームの勝利より自分がインパクトを残すプレーをしたいと考えるようなタイプの選手でした。実際、そんな発言をしたのを見たような気がします。だからといって王様ではないんです。特に南アフリカ大会では右サイドでチームの勝利のために上下動し続けました。代表にいけば全員うまいんですから、いかにチームで生き抜くか。それはどの選手にも共通する課題ですけど、うまさに加えて、献身性を見せて、決して数字としては派手ではありませんでしたが、代表の活躍に名を刻む選手になったと思います。

早くから海外に興味を持っていて、中学時代にフランスにサッカー留学をしていたようです。那須チャンネルだったと思うんですけど、鹿実にきたときのエピソードがあるので、ご覧あれ。面倒なのでリンクも貼りませんけど。そのなかでも語学が堪能な選手でもありました。フランスに照準を合わせていたのかは分かりませんけど、フランス語以外にもさまざまな言語でコミュニケーションをとっていたようです。外国人選手がいると通訳的な役割もできるような感じでしょうか。ただし、海外移籍においてもうまくいったりいかなかったりを繰り返し、最後はどちらかというと疲弊して帰ってきた印象ですね。

その後は日本でプレー。ちょっとだけ東南アジアにもいましたけど、すぐに戻ってきました。これも契約トラブルのようです。最後YSCCではフットサル、そしてコーチ兼任という形になっていました。

 

 

松井だけでだいぶ長くなってしまいましたね。

続いては岡崎。岡崎も代表としては2010年のW杯の印象が強い選手です。実のところプロに入れたのもギリギリという選手です。ただ、プロに入った清水では怪我人が出たこともあり、ポジションを掴むと活躍を見せたことで定着。オリンピック代表まで駆け上りました。その後、海外移籍を果たし、W杯でもプレー。代表では50ゴールをあげました。彼にとって最高の名誉となるのがミラクルレスターの一員になれたことでしょう。レギュラーとしてプレミアリーグ制覇に貢献。ゴール数こそ限られていたものの、抜群の献身性でイングランドのビッグクラブ以外のなかでは稀有になっている優勝を掴み取りました。当時、そこまでプレミアで活躍する日本人がいなかったこともあり、ハードルの高いリーグでチームの優勝に貢献できたのは本当に素晴らしいことです。欧州でも長年にわたってプレーし、そろそろ日本復帰もあり得たなかで最後まで欧州を貫くこととなりました。近年はコンディションの関係で試合出場が減っていて、本人曰く「身体がボロボロ」とのこと。身体を張り続けた勲章ですね。

うまさとかエリート性のないなかでここまで上り詰めた事例でしょうね。まあ、ミラクルレスターのときにはこれ以上のたたき上げとなるような選手がいて、本当にすごいことを成し遂げたんですけど。プロとしてもなかなか厳しい立ち位置にありながら、抜群の嗅覚、泥臭さ、そして愛される力というかどこでも活躍できる能力は素晴らしかったです。基本的に語学がさっぱりのようですけど、言葉ではない形のコミュニケーション能力はかなり高い選手だったことがうかがえます。攻撃的なポジションの選手というのもあるんでしょうけど。

得点数、実績といったところで確実に名を残し、実も残している選手ですね。お疲れ様でした。

 

 

別れの季節になりましたけど、不完全燃焼というより、選手としてやりきったといえる2人ではないでしょうか。今後の活躍にも期待しています。

お疲れ様でした。