分水嶺とは山に振った雨水がそれぞれの方向に流れていく境界のことを言います。それに転じて物事が決定する分かれ目という比喩的な意味で使うのが一般的となっています。

Jリーグの開幕戦はたかが38分の1ですが、今季を占う、さらに今季のトレンドを決めるという意味では大きな意味を持つ1試合です。ですから、毎年のように開幕戦のレビューを書いているわけです。今季のチームはいける、駄目だ、まだ保留という各チーム様々な感情が出たと思います。

 

 

まず、J1の開幕戦ですが、おおよそ波乱はありませんでした。しかし、東京Vが横浜FMを最後まで苦しめる展開となりました。先手をとってゲーム終盤までいけたので、もしかするとというところまできたんですけど、そこから逆転までもっていくのがマリノスの強さです。できるという手ごたえ、そしてヴェルディにはJ1とはこういうものだというのを突きつける試合になりましたね。理不尽を受けても勝ちきれる力が重要になっています。シーズン前の予想でヴェルディを降格予想にしたのが、2022年のサンガと被る部分があるからです。圧倒的に降格する可能性だけはなさそうかなという試合にはなりましたが。

広島のオープニングゲームは快勝となりました。PSMで負けて、リーグ開幕は勝利。どこかの紫色の客席スタジアムでも見た光景のような。その後同じ道にならぬことを祈ります。浦和は強度や運動量をどれだけ求めるかですが、それが満たせないと、このカテゴリでは難しいかなと思います。鹿島の圧勝もあり、開幕は首位となりました。

ヴェルディ以外の昇格チームは町田がドロー発進。この手のチームとやりやすかったと思うんですが、退場者を出し、半ば自滅と考えていいでしょう。こういう戦いをすると上にはいけませんね。磐田は神戸に敗れました。神戸に敗れたのは気にしすぎない方がいいです。神戸の強度はJ1でもトップレベルですからね。

全体的にJ1はまだまだ強度が優位性をもつ開幕戦の結果になったといえるんじゃないでしょうか。

 

 

J2は岡山が栃木に圧勝したかと思いきや、甲府がもっと徳島を殴っての首位発進となりました。ここらへんは想定済みなわけです。上位争いの呼び声高い清水と山形はいずれも逆転勝利のスタートとなりました。特に山形は近年開幕の低迷がPO止まりの結果を生み出しているので、不利な状況とはいえ、スタートダッシュをしなくともエラーを最小限にとどめられるかが問われますね。いきなり初戦で山形にあてられた千葉は黒星発進となりました。ちばぎんカップでも守備の脆さを指摘される部分があり、この試合も3失点食らいました。昨季から継続できる部分の多さをメリットとしてあげられる方も多かったんですが、このスタートだとそうも言ってられない状況になりそうです。

開幕ダッシュも重要ですが、結果が出なくとも手ごたえを掴めるかが重要です。勝てるようにアジャストする。2021年、サンガが昇格しましたが、昇格街道を驀進したのが4月に入ってからです。3月は開幕戦こそ勝ちましたが、勝ちきれなかった試合もありましたし、連敗も喫しました。この経験から勝つためにうまくアジャストさせて3ヶ月負けなしで一気に浮上しましたから。J2の勝ち方を知っているチームであれば本質に沿った戦いができるんですが、誰が体現していくかです。

個人的に昇格に絡むであろうチームが思ったより開幕よくなかったです。まさに2~3月はできること、できないことなどをはっきりさせる時期なんじゃないかと考えているかもしれません。

J3については個別に触れませんけど、J2と一緒で昇格するチームはそれに沿った戦いができるかだと思うんです。開幕よりも、そこからいかにチームづくりをしていけるかだと思います。

 

 

しかし、今週は寒いですね。もう3月に入るというのに。暖かくなると花粉、寒いのに結構きてるんですけどね。各カテゴリ、38試合になって各チーム38分の1が同じような価値をもちます。そのなかで何を示したのか。まだ確定ではないんですけど、かなり意味合いの強い1試合になったところも多いんじゃないでしょうか。それでも食らいついていかねばなりません。

J1とJ2については随時総括をやっていきますので、今後もお楽しみに。