週も明けたので、分析を再開する。J2の2回め、トータルでは6回めとなる。

 

 

栃木SC

今季から田中誠新監督が就任する。Jでの監督経験は初となる。経験豊富な柳下コーチとともにチームをより良い方向に導いていけるかが問われる。J2に戻って以降、得点力不足を堅守でカバーするというチームになっているが、その流れを変えるのか、それとも良さを活かして上積みしていくのか、新指揮官の選択が注目される。戦力を見ていくと近年は若手の有力レンタル先となっていたが、福森(大分から完全移籍)、石田(名古屋からレンタル延長)を除いては引き留められなかった。ベテラン選手の契約満了もあり、かなりスリムになった印象。さらに西谷の金沢移籍はかなりの痛手になりそうである。移籍選手を見ると3人がレンタルでの加入となり、他チームからの修業の流れは継続。特にJ3で高卒ルーキーながら二桁ゴールをたたき出した南野(G大阪からレンタル)は楽しみな存在。彼に加え、完全移籍で加入となったイスマイラ(昨夏からサンガ→栃木にレンタル)とともに前線の核として期待がかかる。南野を含め、昨季J3でプレーしていた選手もいるので、彼らがJ2でどれだけ通用するかが鍵となる。いかにチームを成長させるか。経験の浅いチームを叩き上げてきた柳下コーチがやってきたことをこのチームでもやっていくことになる。

 

 

ザスパ群馬

昨季は終盤戦失速したが、昇格プレーオフ争いに加わり、これまでにない充実したシーズンとなった。クラブの名称が変わり、環境も整うなか、チームとしても更なる成績を収めることで進化していきたいところである。好成績を収めるとオフの引き抜きが怖いのだが、岡本(→山形)くらい。インパクトのある活躍をしていた畑尾(→金沢)も契約満了となった。課題となる前線の火力不足対策として3選手が加入。特にルーキーイヤーで当時J3だったこのチームで大活躍した高澤(前町田)の獲得は大きいのではないか。J3からも4選手、あと川崎から永長(昨季は水戸にレンタル)も期待できる選手。昨夏の長倉(→新潟)のように夏にも選手が抜かれる可能性はあるので、それを見据えての強化も求められる。大幅なマイナスがなかったので、今季は昨季以上の成績がノルマとなってくる。

 

 

ジェフユナイテッド千葉

昨季は後半に巻き返し、自動昇格こそかなわなかったが、堂々たるPO進出。しかしピークの持っていき方に失敗し、POでは初戦敗退となり、昇格はならず。ただ、久しぶりに上位に進出し、今季はJ1への機運が高まるシーズンとなる。引き続き、小林監督が指揮を執る。見木(→東京V)の引き留めに失敗したが、主力の引き留めはほぼできたのではないか。田中(サンガからレンタル)も完全移籍に成功。見木の穴は藤枝から横山の獲得でカバーする。J2で結果を残している林(前金沢)や岡庭(昨季は大宮でプレー、FC東京からレンタル)が加わった。あとは個人残留となったエドゥアルド(前磐田、昨季の登録名はドゥドゥ)も加わる。GKも入れ替えとなったが、栃木のレギュラーだった藤田(新潟からレンタル)が加入したことで問題なさそう。ややセンターバックの層が課題か。これまでも前年よくても翌年になると駄目になるケースが散見された。とにかく繰り返さないこと。いい流れをつくりつつ、勝てるチームを1年継続すればJ1の道は遠くないはずである。

 

 

横浜FC

3度めのJ1も自力で残留することはできなかった。1枠というシステムを効果的に使い、チームスタイルの深化を目指したが、J1経験の浅いチームにとっては難題だったと思われる。幸いにも四方田監督が続投することが決まり、昨季を継続させた状態でスタートできる。とはいえ、戦力の移動は今オフも多かった。J1に個人残留する選手は5人。逆にJ1から3人を引き抜いてきた。外国籍選手も移籍があったものの、残せる選手をかなり残せた。しかしながら要所で選手が抜けているので、どうカバーできるかが問われる。特に攻撃面ではFW登録の選手が4人加わった。実績を考慮すると素材型といえる選手がほとんどだが、昨夏に海外移籍した小川のように開花する選手が出てくるようだと面白い。ルーキーながら多くの出場機会を得た室井(前大宮)や徳島で結果を残した森(昨季は柏→徳島にレンタル)に注目が集まるが、他の選手も面白そう。あと、サイドプレーヤーをかなり整理したので、ここがどう影響するか。再度J1定着に挑むには昇格が義務となってくる。

 

 

ヴァンフォーレ甲府

昨季はJ2のチームとしては初のACL参戦となった。過密日程となった終盤戦にむしろ躍進し、最終節でPOを逃したものの、一昨季から大きく立て直した。ACLの戦いは続くが、後半戦はリーグがメインとなるなかで、今季こそリーグでの悲願達成を目指す。ただし、2年連続で引き留めとはいかず、長谷川(→新潟)、井上詩音(→名古屋)、三浦(→川崎)が個人昇格。完全移籍となった神谷(昨季は川崎からのレンタル)を除いてレンタル組もチームを去ることとなった。チームは大きく入れ替わることとなるが、外国籍選手の補強のネームバリューがすごい。アダイウトン(前FC東京)やファビアンゴンザレス(前磐田)の獲得に成功。クリスティアーノ(長崎からレンタル)は契約満了となったが、それを問題としない補強になったのではないか。他の補強も主にセンターラインを担う選手の加入が中心。再構築せねばならない部分もあるが、ACLを経て得た自信をもとに上位を目指す。

 

 

J2も関東を過ぎたので、静岡、そして西日本のチームが残った。原稿もほぼ仕上がってきたので、順調にまとめられそうである。