今回で4回めとなる。ちょうど前半戦、すなわちJ1も今回で終了。

 

 

セレッソ大阪

昨季の終盤は失速。安定して上位には入れる力は身につきつつあるので、不足している部分をいかにカバーできるか。攻撃陣についてはほぼ入れ替えなし。新外国人のヴィトールブエノとルーカスフェルナンデス(前札幌)をいかにして組み込むかがポイントとなってきそうだ。夏に加藤睦次樹が抜けた穴を明確に埋める補強はなかったので、仙台から復帰の山田にも期待がかかる。最終ラインは序列を落としていたとはいえ山中(→名古屋)が抜け、ヨニッチが契約満了となった。登里(前川崎)の加入は大きいが引き続き、センターバックの層の薄さが気になるところ。中盤では平野(前浦和)や競合となっていた田中駿汰(前札幌)の獲得に成功したのは大きい。田中はボランチ起用の見込みが獲得に至ったポイントのようだが、この選手層だと最終ラインを任される可能性もありそうだ。あと、若手を思ったより戻せず、逆に出すということになったのでインアウトでいうとかなり放出が多くなっている(期限付き移籍中の選手の処理を進めたのもあるが)。ポジションごとのバランスという点では不安が残るものの、近年身につけた安定感でワンランク上のチームをつくっていきたいところ。

 

 

ヴィッセル神戸

昨季の優勝を引っ提げ、挑むシーズンとなる。昨季中盤以降はカップ戦の敗退もあって、リーグに集中できたが、今季はACLもある。他のカップ戦などの試合を並行して戦うことを考えると各ポジションの選手層の底上げがポイントとなる。最終ラインは岩波(前浦和)と広瀬(前鹿島)、中盤には井手口(昨季はセルティック→福岡)と鍬先(前長崎)が加入。前線にも宮代(前川崎)が加入した。外国籍選手の新加入は現時点ではないが、日本人だけで戦力は充実したと考えていいのではないか。選手を揃えることができたので、いかに過密日程のなかで互換性を高めていけるかが問われる。特に前線は替えが利かない状況だったことを考えると選手を入れるだけでは心許ない。昨季がたまたまといわせないには今季の戦いが重要になってくる。

 

 

サンフレッチェ広島

新スタジアム元年のシーズン。近年はどちらかというと補強を抑えめにしてきた。流出がないことこそがこのチームにおいて必要な強化という考えだろうか。今オフもそれを踏襲。主力レベルではベンカリファ(→福岡)が契約更新後即移籍となったくらいか。あと、ベテラン2人(林、柴崎)の引退もあった。住吉(→清水にレンタル)とアウトは少なめ。小原(昨季は水戸へレンタル)とイヨハ(昨季はサンガへレンタル)の復帰。そして競合になっていた大橋(前湘南)の獲得に成功。数少ない課題でもあった前線のパワーアップに期待できる補強である。新卒とキーパーの補充とインをすべて書き出してもこれくらい。昨季とほぼ同じメンバーで底上げをしながら勝つというのが明確な布陣。もしかすると外国籍選手の補強はあるかもしれないが。安定性を武器にJ1制覇に挑む。

 

 

アビスパ福岡

ルヴァンカップ制覇、トップハーフ入りを達成し、J1定着はおろか、ステップアップのモデルになろうとしているチームとなった。今季も地盤を固めつつ、更なる躍進を目指す。これだけ活躍すると草刈り場になるのも事実としてあって、ルキアン(→湘南)に加え、山岸、三國がいずれも名古屋に移籍。井手口(セルティックからのレンタル終了→神戸に完全移籍)の引き留めに失敗した。特に前線の確保には苦労した印象で、契約更新を発表していたベンカリファ(前広島)を急遽獲得。ボランチは中村(→磐田)も抜けたが、ここは新卒選手と松岡(前清水)の獲得でカバー。岩崎(前鳥栖)の獲得も得点力アップに寄与できるかというと微妙なので、攻撃面での再構築が課題となるだろう。土台は崩れてないので、旧失速は考えにくい。

 

 

サガン鳥栖

毎年引き抜きに遭いながら安定した成績を残している。ひと癖ある選手をうまく活用し、最大限の力を引き出すチームなので、潜在能力のある選手をどれだけ集められるかが問われる。今オフの引き抜きでいうと岩崎(→福岡)と小野裕二(→新潟)くらいで主力の引き留めはかなり成功したと考えていいのではないか。選手層の薄かったセンターバックには木村(FC東京からレンタル)と上夷(前大分)、キムテヒョン(昨季は仙台でプレー)が加わり、左サイドバックと兼任の丸橋(前C大阪)も加入。最前線はJリーグでのプレー経験はあるが、素材型の選手で、未知数の外国籍選手を獲得にとどまるが、このチームの方針はブレない。昇格を含め、新卒選手も5名加わっており、実績に欠ける選手をいかにJ1仕様に仕上げていけるか。

 

 

これでJ1すべてのチームの分析が終わった。これをもとに順位予想を今季も行っていくわけだが、大枠を決められそうなチームと不確定要素の多いチーム、いろいろあって今年も難しい。

次回からJ2といきたいところだが、原稿の作成が追いついていないので、ちょっと休みつつの更新とする予定。