2回めは東京と神奈川の5チームをやっていく。

 

 

東京ヴェルディ

2008年以来のJ1を戦う。長年のJ2生活もあり、経験、資金力が乏しく、さらにJ1参戦が決まったのが最後だったことで、編成的なハンディはかなり大きなものとされる。主力レベルでいうと中原(C大阪からのレンタル終了→鳥栖に移籍)の引き留めに失敗するなどサイドアタッカーは再編となりそう。いわきから左サイドタッグ(河村・永井)をはじめ、サイドプレーヤーの補強は入念に行った。山見(G大阪からレンタル)、木村(サンガからレンタル)の加入で2年めの山田剛綺と関西学院大トリオが攻撃陣では揃う。課題だった攻撃陣はこれまでにプレーした経験のある選手同士を揃え、連係面におけるプラスがありそうだ。守備陣はほぼ流出なし。左サイドをマルチにこなす加藤(→横浜FM)の移籍はあったが、林(鹿島からレンタル中)やオファー報道のあった宮原の確保には成功。幸いにもサイドプレーヤーは守備陣においても袴田(前大宮)、翁長(前町田)も加入した。この他、新卒選手は昇格を含めると6人加入するなど、今季も新卒選手を鍛える方針はブレない。J1ナイズできたとは言えないが、課題に向き合えた補強となった。チームとしてJ1ナイズできるかが問われる。

 

 

FC町田ゼルビア

J2を圧倒的な力で制し、初のJ1に挑む。J1初めてのチームが出てくるのは2018年(長崎)以来となる。昨年から藤田晋社長直接統治となったので、今オフも大物獲得の噂もあったが、思ったよりも堅実路線になったのではないだろうか。引き抜きといえるのがポープ(→横浜FM)くらいでこのポジションには谷(G大阪からレンタル)、山口(前水戸)の獲得でレベルアップを図る。その他、レンタル組のうち松井(川崎に復帰)、藤原(浦和→大分に再レンタル)は帰ったが、藤尾(C大阪)、荒木(鳥栖)の完全移籍化に成功。特に目立つのがJ1からの補強。J2からの獲得がオセフン(前清水)と先述の山口、そして藤本(前大分)だけで、J1からも選手を獲得してきた。チームとして残留争いを飛び越え、上を目指すということなので、不足しているJ1経験を注入したいという思惑が見える。懸念材料としては選手が多すぎることか。A契約枠(27人)を上回る選手数がいるのでモチベーティングもポイントとなってくる。もともと高体連を率いていた指揮官なので、大きな問題にはならなさそうだが。上を目指すとともに踏み外さないチームづくりができるか。

 

 

川崎フロンターレ

近年優勝争いを主導してきたが、昨季は優勝争いに絡めず。かろうじて、トップハーフを維持したものの、大きく後退した。鬼木体制も長期化するなかで、チームをブラッシュアップさせながら再起を誓うシーズンとなる。監督は続投となったが、コーチングスタッフは大きく入れ替わる。チームを支えてきた山村(→横浜FM)、山根に加え、登里(→C大阪)がチームを去り、ダミアンやシミッチも契約満了となった。若手のレンタルなど近年出入りの少なかったチームであったが、今季は大きく入れ替わる。最終ラインは左利きの丸山(前名古屋)、三浦(前甲府)、中盤に山本(前G大阪)、アタッカーには外国籍選手を加えた。流出のわりに入りが少ないのではないかとトータルでは考えられる。若手のレンタルを見ても松井(町田から復帰)、宮城(山形から復帰)のインに対し、名願(仙台へレンタル)、松長根・大関(ともに福島へレンタル)がアウト。他の選手も戻らないことになっている。チームが入れ替わるなかで、もう一度強さを取り戻すことができるか。新たなトライのチャンスにもなってくる。

 

 

横浜F・マリノス

マスカット監督が昨季限りで退任し、キューウェル新監督が就任する。前監督もだが、監督実績に乏しい指揮官が鍵を握るといっても過言ではない。まず、キーパーは大きく入れ替わる。一森(G大阪に復帰)の確保に失敗し、オビ(→神戸)も移籍。町田からポープを獲得したが、どれだけフィットできるかがポイントとなる。他のポジションは昨季をほぼ維持できた。怪我人が相次いでいる最終ラインは複数ポジションをこなせる加藤(前東京V)、渡邉(前新潟)、山村(前横浜FM)が加入。彼らとともに怪我人の復帰が鍵を握る。攻撃的な選手はほぼ入れ替えなしとなり、天野が復帰したくらいか。外国籍選手も新加入はなし。戦力的な部分はほぼキープといった感じで、後ろの選手の復帰と新監督の采配が問われる。

 

 

湘南ベルマーレ

どちらかというと近年は補強でベースアップできたと評価しているのだが、成績が振るわない。終盤まで残留争いをする苦しいシーズンとなった。降格枠が3つとなったなか、危機感をもったチームづくりが求められる。山口監督は続投となったが、戦力的にみると主力だと大橋(→広島)が抜けたのは痛手。序列を下げていたとはいえ、石原(→浦和)もチームを去った。移籍加入はルキアン(前福岡)と鈴木(前磐田)くらいで出入りの少ないシーズンとなった。新卒の2人も即戦力ではあるが、昨季より明確に戦力アップできたとは言い難い。逆にいうと戦力は充実していると考えることもできるが。あとは懸案だったレンタル中の選手を確保できたのもプラス査定か。課題となる得点力をいかに上げていくか。動かないからこそ積み上げられることもあるはずである。

 

 

思ったよりも分量が少なかったので急遽、加筆している次第である。次回以降もこんな感じになりそうである。まだ執筆してないチームに関しては、もう少し掘り下げるようにしとかないと。

次回から関西に入っていく。J1の分析も後半戦。全然J2の分ができてないので焦っているが。