アジア競技大会も終わりに近づくなか、地上波で男女のサッカー決勝戦が行われました。

今回は女子チームの結果についてまとめていきます。

結果としては優勝となりました。連覇となります。

 

 

W杯があり、このあとはオリンピック予選があるということでアジア競技大会は主力を使えない大会でもありました。Aマッチデーもありましたし。そんななかで今回、限られたメンバーで結果を出せたのは大きいです。

そういや、高倉体制以降、チャレンジ合宿という形でA代表ではない選手が集まる機会はあったんですけど、公式戦を戦う機会はなかったと思うんですよ。ですので、A代表以外での活動が行えるというのはかなりいい機会だったと思います。国内で無双していても代表にいくとさっぱりという選手はいるんですよ。そうしたふるい分けを分かりやすくする機会でもあります。今回結果を出しきれなかった選手は危機感をもってほしいですし、結果の出た選手は来年のオリンピックやその予選といったA代表の活動に参戦してくることになると思います。

実際のところ、佐々木ジャパンのときはW杯前年(2014年)にアジアカップ(W杯予選兼)、アジア競技大会といった大会ではほぼ国内組での参戦、前年にはA代表メンバーを2分割して、B代表クラスの選手と交えての国際試合といった様々な形で新選手の発掘をしていました。しかしながら、そこで成果を出しきることができなかったのがその後の苦戦の要因にもなりました。機会があればいいというわけではないということは断っておきます。

 

 

さて、決勝について振り返りますけど、スコアとしては4-1となりました。圧倒したように見えますけど、そういう試合ではありませんでした。前半、先制してから苦しい時間が長かったです。同点にもされました。悪い流れだったこともあり、HTに2枚替え。男子の代表につながる部分ですけど、この決断力がよかったと思います。もともと、塩越は45分が限界だったようですが。それなら10番背負わせるべきだったのか論争も出そうです。2015年のW杯直後のE-1のときの高瀬(このときも怪我からコンディションが上がりきらず、45分限定の出場しかできないのに10番背負わせたました)がよぎりましたよ。

途中で投入された大澤のゴールを皮切りに3点奪いました。キーパーの怪しいプレーに助けられたんですけどね。懲罰的な交代、メンタルの立て直しよりも点をとるための策を採るべきなんですけどね。ここらへん、国際大会から離れてたこともあるんでしょうかね。

日本の収穫となったのはJFAアカデミー組の即戦力化でしょうね。両選手とも質が違いましたね。A代表にいっても問題ないレベルの選手だと思います。昨年、高校年代の日本一を決めるためにクラブ選手権の上位と高体連(インターハイ)の上位を集めた大会を観にいったときも、JFAアカデミーの選手と高体連では大人と子どもくらい明確な違いがあったんですよ。高3メンバーもよかったですし、高2の選手たちもよかったです。官製の選手の成長曲線がすごいというのはそれはそれで問題なんです(ハイレベルな環境となる選択肢が少なくなるなど)けど、レベルが違ったことだけは確かです。キーパーについてですが、日本も大概だったかなと思ってます。浅野もよさがあって、だいぶ昔と比べるとよくなってきてはいるんですけど、強いボールが返ってきたときに強いボールが蹴れないなという印象があり、それがピンチになってました。キーパーのクリアボールで2~3本以内にチャンスになるという相手FWに嗅覚があればこのスコアは逆になってたかもしれません。キックの水準という観点から考えると山下(INAC)以外は到達してないようにも思うんですよね。私がくまなく選手を見ているわけではないので、偏見かもしれませんけど。基本レベルで難しいなら外国籍キーパーで質を上げてしまうのもリーグレベルの水準アップには不可欠だと思います。クリアの距離を出すとかはキーパーだけでなく、他の選手も一緒です。中途半端なボールを蹴って再度攻撃を食らうのが後ろの選手もメンタル的にきつくなりますからね。

 

 

優勝というのは出来すぎかもしれません。ただ、それだけのチームを日本全体でつくっているんですよね。ここ数年、正直なところアジアの女子サッカーのレベルは停滞しています。だから、ここでつまづいていては世界に到達することはできません。ここがゴールではなく、もっと上があるということ、その上に到達できるだけのポテンシャルがあるということを自覚し、更なる高みに挑戦してもらいたいです。