徳島はベニャートラバイン監督、アイトールフィジカルコーチとの契約解除、そして新監督に吉田達磨氏が就任することを発表しました。

徳島は前節ようやく勝利したものの、それまで11試合未勝利もあって、一時期降格圏に入るなど成績は低迷。今季激しすぎる残留争いに向けてこの体制を断念することとなりました。

 

 

まず、今季から新監督が就任したわけですが、その前にポヤトス前監督がガンバに引き抜かれる形になったのが事の発端となりました。チームとしては連続してスペイン監督が就任することとなりました。さらにアトレティコマドリーとの連携などピッチ外での存在が目立ちました。ただ、こうしたうえを見すぎた国際路線をとるチームが今季うまくいってないという状況にあります。千里の道も一歩からなんでしょうかね。

今季、開幕は最悪のスタートでした。守備の脆さが課題で11戦未勝利からスタート。監督自身、初めての指揮だったこと、Jリーグの強度への理解不足も大きな原因だったかもしれません。その後、3バックの布陣変更もあって立て直しに成功。他の下位チームが低迷するなかで残留争いから抜け出すことに成功したかと思いきや、6月11日を最後に再度の未勝利地獄。今度もまた11戦未勝利、前節ようやく勝利したものの、チームは残留争いをすることとなりました。

しかも今季の残留争いが勝ち点レベルでもかなりハイレベルとなっています。ですので、このペースで戦うとJ3の可能性があるということでチームとしてもやむを得ない措置になったと考えられます。

スペイン路線についてギブアップしたわけではないと思いますが、3代連続からとりあえずストップすることとなりました。まず、同じスペイン人監督であっても継続できる部分もありますが、ほとんどが再構築になるということです。あと、日本人がいかに守備原則が仕込まれてないかということ。ここらへんが仕込まれていたら、もう少し楽にチーム構築ができた可能性はありそうですが。あと、サッカーの結果を決めるうえで戦術的な優位性以上に問われるのが、本質の部分。走るとか球際の部分ですね。それを強調しているチームがJ2で結果を出し、逆に戦術的な魅力とかを押し出そうとするだけのチームが厳しい結果になっている傾向があります。

シーズン最後までやってほしかったという意見もあると思います。個人的にそれだと降格の可能性を下げられないですし、夏の戦いトータルで終盤戦に勝ち点量産の可能性はそこまで高くないという判断になったと思われます。昨季のガンバに近いですかね。このときも1シーズン我慢しようと粘りましたが、改善の兆しが見えず、結果的にギブアップしてしまいました。そのガンバに現監督が引き抜かれているわけですが。

 

 

もっと驚いたのが後任人事です。昨季まで甲府の監督だった吉田達磨氏が就任することとなりました。天皇杯優勝監督ではありますが、リーグ戦で振るわず、これまでの実績からしても成果をあげられていません。昨季の天皇杯優勝があるじゃないかと突っ込まれそうですが、少なくともリーグというトータルで見たときは昨季最悪レベルでしたからね。しかも、甲府としてはボールをもってサッカーをやりたがっているところで、対J1も多くあって、そのときは守りを重視したことでボールをもたないことが好結果に結びついたと捉えることができるんですよね。要するにボールをもたせた吉田達磨は何もできないということをさらに印象づける結果だったと私は考えています。

おそらく徳島はボールをもつことをこれまで通り重視することになるでしょう。こうなると監督交代の意味がなさないことになります。中途半端なチームがボールをもとうとする行為がいちばん危険なんですよね。特に今季序盤は非保持のチームが比較的結果がよかったこともありますから。どうもボールをもつことで強度が軽く見られてしまう傾向があるのかもしれません。

 

 

監督交代は仕方ないにせよ、その選択でいいのかというのを感じています。J2は残り11~12試合となりました。勝ち点ペースを上げないとJ2残留は厳しいので、いきなりですが結果を出せるかに注目です。