今回で最後となります。残すところ降格圏にいるチームの総括と後半戦の展望をまとめて、前半戦の総括を終了します。

 

 

 

降格圏(16~18位)

16位以下はちょうど1試合平均の勝ち点が1以下となっていて、例年であっても降格圏に入っています。降格枠がひとつとなりましたが、例年通りに16位以下は推移するかもしれません。もちろん、特定の弱いチームが形成される可能性もありますが。この3チーム、そして、前回最後に振り返った降格圏手前チームのなかには5試合の星取表に勝ち星がないチームがほとんどです。あるチームも最近までは泥沼を経験してきました。いかに浮き沈みをなくし、しぶとく勝ち点を積み上げていくかが重要になってきます。

最下位の湘南はかなり状況が深刻になっています。うまくいきそうな時期があっただけに、この順位は厳しいものがありますが、昨季も湘南は降格圏からの折り返しで降格を免れているので、経験量からも最悪の事態を回避する可能性は高いんじゃないでしょうか。条件付きではありますが。まずは町野が抜けるであろうストライカーの確保、そしてそれを含めた夏場の効果的な補強です。

柏は現時点で監督交代の効果は出ていません。内容としては点が入れば失点し、守ろうとしたら点がとれないという悪循環。良くも悪くもネルシーニョが我慢しながらこの戦力を率いていたのかもしれません。井原監督も実績からするとチーム全体というよりかは個人を鍛えることが向いてるタイプなのも厳しいところです。うまく妥協点を見つけ、勝ち点を積み上げていきたいところ。

最後に横浜FC。降格圏グループのなかでは5試合で唯一勝利のあったチームです。序盤戦、ボール保持主体で戦いましたが、球際の弱さなどもあって、勝てない時期もあり、守備ベースの戦いへ。力不足を露呈する試合もありますが、それでも勝ち点が積み上がってきました。確実に勝ち点が積み上がりそうな試合で積み上げられるかだと思います。J1や残留の経験量からしてもこのチームが残留できるかはかなり他力になってくるんじゃないでしょうか。

 

 

夏の補強

最後に今後の展望ということで2点まとめておきます。

まずは補強です。夏の市場で効果的な動きをしたチームが最後いい結果を得るのは間違いないでしょう。各チームどのポジションに穴があるのかをきちんと考えねばなりません。ただし、気をつけないといけないこともあって、それはフィットにかかる時間です。どれだけ優れた選手であってもチームの戦い方にフィットしない選手を獲得してきても、意味がないからです。チームとして戦えること、あとまわりとのコンビネーションも大切です。他の選手の機能性をより高められるようなプレーができる選手がくるといいですね。

上位チームについてはある程度戦い方が定まっているので、次なるオプションと主力が欠けたときにも戦えるような布陣づくりが重要になってくるかと思います。特にマリノスなんかがよくやるのが来季以降への投資ですね。選手を個人昇格させ、最初のシーズンはあまり稼働させず、次のシーズンから主力級の扱いにするというケースは見受けられますからね。これくらい余裕のあるチームづくりができるかもポイントになりそうです。

下位チームについては得失点に直結する部分の強化が重要になってくるんじゃないでしょうか。得点力不足のチームは前線やチャンスメーカー、失点の多いチームは後ろで仕事ができる選手といった感じです。あと、降格圏に足を突っ込んでるチームにおいては個人昇格も選択しにくいということを忘れてはいけません。また戻ってくる可能性があるからです。

 

 

成功体験

苦しい状況を乗り越えるための要素としてチームにおける成功体験をあげておきます。今回、降格圏にいるチームが残留争いをしていくにあたって、意外と重視されるのが成功体験だと書きました。これは昨季サンガというチームがJ1で残留争いをしたときに痛感したことです。他のチームが終盤要領よく勝ち点を積み上げたのに対し、サンガは勝ち点1の上積みが限界という試合が多かったです。結果として自爆したチームと出遅れと迷走があったチームによって自動降格を回避することができました。たとえ上位相手であっても終盤戦であれば意地で勝ち点を積み上げられる力があるんです。特に残留争いをしていくうえで終盤での強さというのは大切だなと感じました。

これは上位においても一緒かなと思います。終盤に入り、どうしても力が入る、緊張するなどもあって、本来の力が発揮できなくなります。追う立場より追われる立場の方がきついというやつです。それでも成功体験のあるチームはうまく戦えるもんです。それが年代ごとに強豪チームを産み出してきました。そうした経験がチームとして積み上がっているのであれば、強みになってきますね。

優勝争いにおいて、経験量で勝るのは間違いなく横浜FMですね。しかもここ最近の充実ぶりからしても死角がなくなってきました。降格圏に目をやると経験量で横浜FCがJ1、残留争いにおいて厳しい状況にあります。ですので、総括のところに他力と書いたわけです。その他力が積み上がると自力につながってくることもあるんです。J1に定着しているチームは必ずしも自分たちの力だけで強くなってるわけではないというのを忘れてはなりません。

 

 

後半戦において大切な積み上げや経験、あとは効果的な補強についてもまとめておきました。おそらくですが、J2の後半戦展望も同じようなことを書くことになると思います。

次回からはJ2の前半戦総括をやっていきます。