毎年恒例となっている各部門のトップに問うという形でシーズン前における課題や突っ込みポイントなどを明らかにすることを目的としています。

まずは監督編です。京都新聞では先週から今週にかけて私のブログ同様、開幕前特集として、強化部長代理・社長のインタビューが掲載されていて、今日・明日の記事で昨季の課題をいかに越えていくかということがまとめられています。宣伝になりますが、紙面の購入もしくは有料会員となり、ご一読いただければ、参考になるかと思われます。

長くなりましたが、本題に入っていきます。主に現場として何をやるべきかということをまとめていきます。

 

 

スローガン「Rev up」について

今季で3年めとなりました。監督交代を繰り返してきたチームにとって完走できれば歴代最長を更新することとなります。およそチームの成長曲線としては総仕上げのシーズンに入っていると考えてもいいかもしれません。個人的にはホップ・ステップ・ジャンプのステップの段階にも入ってないと思っているんですけど。

まず、今季のスローガンを日本語訳するとエンジンの回転数を上げるという意味です。そこから活性化させるといった意味も含まれています。ある程度骨格が定まったなかでよりチームにエネルギーをもたらしていくという考えが見て取れます。

 

 

得点力アップに向けて

昨季の課題は得点力だったというのは間違いないでしょう。ただし、この考え方へのアプローチを間違えると大変なことになります。というのも得点力不足=決定力不足で片づけることが多いからです。決定力とは、チャンスはあるけど、それを外してしまい、得点機会を逃すことだと思っています。本当にそうなんでしょうか。昨季のサンガは得点数のみならず、攻撃におけるデータが基本的には下位でした。かろうじてデータ面で最下位を免れるができていたものはガンバか福岡が最下位だったというのが多かったです。Jリーグがスタッツレポートを公開してくれました。おそらくは素人以外には出していたのを分析系一般人が増えたこともあって、広く提供しようと考えているのかと思われます。

 

 

このページにあるPDFも参考にしていただければ幸いです。

昨季の課題は得点力といってもそもそもチャンスがあまりつくれなかったといえるんじゃないでしょうか。ボールを動かすとかつなぐといったところにも課題があって、さらにチャンスメイクできる選手も限られていました。要するにFWに到達する前の課題があったということです。とはいえ、サンドバッグ状態になることは特に後半戦、そんなになかったので、徐々に成長してきていて、逆にゴール前の質が問われるところで上げきれなかったという考え方もできます。それがウタカの満了やFWの新加入を多くした理由と考えていいんじゃないでしょうか。これは強化部におけるテーマなので、これ以上掘り下げませんが。

選手においてはチャンスメーカー、キッカー、ストライカー候補と揃えることができました。現場としていかに処理していくかだと思います。

それだけでない問題としては、長短のカウンター以外からの得点パターンを増やしていくことだと思います。特に後半戦の得点パターンの多くが奪ったポイントがよかったんですよね。いい奪い方をすれば、いい形で攻められることを体現してはいるんですが、もはや、理想のボールの奪い方ができる回数は限られているというのがJ1です。後方からのビルドアップ、もう少し蹴る以外の工夫もしていかないといけません。ここも補強はしてきていますし、組織的な落とし込みをしていいんじゃないかと考えています。ある程度、個人の判断を重視しているところはありますが、ビルドアップや守備についてはパターンの落とし込みをしておかないと判断速度で上回られて厳しくなりますから、一定のオートメーション化は必要だと思います。攻撃の最後のところはひらめきとか判断が活きるんですけど。

 

 

最悪を免れる

今オフの評価としてはかなり低めですね。従来、サンガはかなり過大評価されるチームでしたし、私もそうしていました。今季はかなり低めの評価を受けている印象です。原因は明確で前半戦、前線の核となっていたウタカ、シーズン通して最後方で砦となっていた上福元がいなくなったことに尽きますね。最後のところを個人でどうにかしていたのに、頼る人間がいなくなったと判断されれば、評価は下がるはずです。ですが、J1定着を考えていくとこうした個人でどうにかするところから組織として一定レベルのノウハウを構築して、結果を出していくことが重要になってきます。1年で跳ね返されたシーズンもありますけど、08-10年のときはなりふり構わない姿勢からの転換を見誤ったこと(その原因をつくった方が昨季までサンガにいたのは恐ろしいわけですが)もあるので、この転換だと考えています。

そのなかで昨季同様、苦しい戦いが待ち受けていると思います。J1はそんなに簡単なものではありません。サンガとしては残留争いをして、最終節まで残留か降格の可能性があったシーズンはほとんど経験がありません。それくらい断トツの降格を経験してきました。今季のチームもその危険性をはらんでいると思います。そうならないため、最悪の事態があっても乗り越えられるだけの力をつけていくことが重要です。幸いなことに今季は最下位を避けてしまえば、残留というラッキーなシーズンです。サンガくらいの資金力でJ1定着しているチームは苦しい状況をうまく乗り越えてるので、右に倣えではないですけど、最低限の成績だけは離さないことは忘れないでほしいです

 

 

最後に

最後に最初に戻ることとなりますけど、3シーズンめを迎えます。昨季は幸いなことにJ1に残ることができました。とはいえ、16位で残ったチームは最下位という過去のデータもあり、決してこれがよかったとは思っていません。ただ、昨季のJ1残留ラインが思ったより高かったなか、健闘したとも考えています。

ここからがサンガとしては勝負となります。経営面のところでも述べることとなりますが、資金力も上がってきています。資金力がなければJ1で戦い続けるのは難しいですし、あっても結果が出せるほど甘くはないリーグです。こうやって、少しずつ結果を出していくことでチームそのものが成長していくと信じています。今は課題だらけですが。

最低限の結果を出していくことをノルマとしながら、欲張れるなら欲張ってもいいと思います。それが戴冠という目標でしょうね。かなり高いものだと思いますし、ルヴァン、天皇杯を追っかけたことが自らの首を絞めることにもなりました。そうならないのであれば手を出していくことを否定しません。まずはノルマの達成。これが重要ですね。

 

 

次回以降、強化部・社長についてもまとめていくんですけど、内容は重複する部分があると思います。どこかだけが強くなればいいというわけではないということで、部分化しても全体を見据えなければならないということですね。

目標とともにノルマを達成すること。これができればまた来季以降に光が見えてくることになるでしょう。楽しみにしています。