週末のゲームで5月は最後の試合となります。J1はAマッチデーのため、リーグ戦はお休み、ただしルヴァンと天皇杯が行われます。J2はミッドウィーク開催が今季は多く、さらには来週もミッドウィークに天皇杯をこなす厳しい日程。

そんななかで大宮がJ2監督交代第1号となりました。昨季は4月に愛媛の監督辞任に始まり、毎月のようにJ1・J2で監督交代が行われました。特に新監督受難のシーズンで、新監督を据えたチームがサンガ以外全滅という結果でした。

こうした各チームが厳しい戦いに晒され、監督交代が相次いだ昨季とは異なり、おとなしいシーズン序盤でした。ただ、下位チームについては例外で、監督交代の検討をした方がいいチームもあるんじゃないかと思ってました。その先陣を切る形で大宮が監督交代に踏み切りました。後任としては前鹿島監督の相馬直樹氏が就任することが併せて発表されています。

 

 

今季ここまで20位。仕方ないですね。もちろん、水曜日の試合で裏天王山となった琉球に勝利したことで降格圏との勝ち点差を3に広げ、ここからという状況にはなってきました。そこまで立て直してきたという見方もできますが、原SDが就任し、とりあえず新監督との契約締結まである程度修正した形でバトンタッチしたかったという思惑も見てとれます。

霜田監督としてはボールを動かしながらというサッカーを目指しているんですけど、現場対応力に欠けているのでうまくできないのと、チームの戦力とサッカーのスケールが合ってないので失敗している状況が続いています。山口でも大宮でも同じことになりましたね。

ただ、個人的に大宮は監督の人選、もともと堅守速攻型のチームにおいてボールを握って主導権を握りたいという指揮官を連れてきているという齟齬を克服できていませんし、ここ数シーズン、怪我人が合いついている状況を改善できていないのを見ていると監督だけの責任ではないというのが個人的な意見としてあります。フロントも、強化部の人事は変更なされているものの、改善の見込みを示せてませんし、どこから手をつければいいのか。血迷ってる感じが伺えますね。

現場に課題はあるけれど、もっと大きなところに課題があるんじゃないかということです。ですので、財政力と見合わない成績が続いているわけです。

 

 

後任としては相馬氏が引き継ぐこととなりました。結構難しいチームを引き継ぐこととなります。大宮の近年の事情を見てるとどんなサッカーをしたとしても難しさがあるんですよ。具体的なところでいうと前述もしているんですが、怪我人の多さ。すでにキーパーは今季絶望の怪我人を2人出しています。怪我人が出る理由はいくつか考えられます。ハードな練習を課しすぎていること、逆に練習中に強度を上げきることができず、試合で負傷しやすくなること。他にもあるんでしょうけど。ここ数シーズンの怪我人の増加でトレーニング中の強度は上げられてないでしょうからこれを変えられるかですね。特に相馬監督は町田時代に練習中から強度を上げて競争を促しながら勝つということをしてきました。うまくいくときはうまくいきますが、怪我人が出ると脆くなります。鹿島では鹿島らしさをもって戦いましたが、町田ではわりとハードワークが必要なサッカーをしていました。現状、大宮の選手がそれに耐えられる体になっているのか不安なんですよね。選手層の確保をしっかりしたうえで戦えるチームをつくるという難題を突きつけられていますが、うまくできるんでしょうか。

 

 

後、指摘するの忘れてましたが、今季、大宮は外国籍選手ゼロでスタートさせました。伝統的にこのチームは外国籍選手に頼るのがうまいチームでもありました。ブラジル系の選手が多かったんですが、その時々に応じて他の国からも外国籍選手を呼んでたんです。ただ、今季は在籍させないこと、それによって通訳もいなくなりました。安易な外国籍選手獲得も閉ざしてしまっているのが気になりますね。

このチームはどこをどうしていけばいいのか難しいです。もちろん、これまでのサンガと似通ってる部分はありますけどね。コストをかければいいチームができるわけでもないですし逆も然り。ただ、大宮の資金力をもてすればもっとスマートなチームづくりができるような気もするんですけどね。

 

(各チームの決算一覧)

https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/club-r3kaiji_1_20220526.pdf

 

 

大宮は3月決算の磐田を除いてトップなんですが、近年の低迷があるんですよ。同規模のサンガが昇格、新潟も上位争いとなっているなかでうまく資金を活かしていけるかですね。