J2の総括もあっという間に終了です。

ラストは下位7チームです。降格したチーム、最終節まで残留を争ったチームもあるので、当然ではありますが、辛辣な内容も含まれていると思います。

 

 

16位 大宮アルディージャ

最終節まで残留争いに巻き込まれました。岩瀬健監督でスタートした今季ですが、昨季の負の遺産(怪我人)を引きずった影響で下位に低迷。中盤戦に入って監督交代を余儀なくされます。昨季まで山口を指揮していた霜田監督に残留を託しました。終盤戦に入り、ギアが上がり、残留確定的かなと思われたところでの失速。昇格チームとの連戦はいずれもAT被弾による負けがありました。メンタル的にも厳しいなか、最後の最後で残留を決めました。資金力があっても戦い方を間違えれば厳しいことになります。そのなかで夏場に核となる選手の補強で骨格を定め直したのは奏功しました。この状態ですからドラスティックにチームを変えていかないと前進するのは難しそうです。

 

 

17位 ツエーゲン金沢

なんとか生き残りました。終盤に入り、2度ほど降格圏に落ち、いよいよ危ないと思いましたが、そこから蘇るかのように勝利をし、すぐに脱出。そのまま降格していったチームとは異なり、降格圏に浸らなかったことが大きかったですね。決してメンバーを見る限り悪くないと思います。どのポジションにもクオリティの出せる選手がいました。ただ、特に中盤以降は,自信が喪失したのかと思わせるような敗戦、さらにその負けから自信喪失という悪循環に陥ってました。最悪の状況を免れることができましたが、来季以降のチームづくりもまた不安になってきます。2年連続で下位に沈んでますからね。何をどうしていけばいいのかというのが難しいんです。これ以上のあたり監督を引き抜くのも難しいでしょうし。

 

 

18位 ザスパクサツ群馬

最後の残留枠となりました。最終節まで引き分けが多いながら勝ち点をコツコツ積み上げていたので、ここまで追い込まれるのは予想外だったかもしれません。今季はシーズン途中で奥野監督を解任し、久藤監督を登板させました。目立った成果が出たわけではありませんが、終盤にかけて追い込みが成功しました。ただ、相手が悪く引き分けが精いっぱいでしたね。課題は明確で攻撃のところで目立った成果がなかったことです。得点数は残留したチームのなかでワーストでした。ポストプレーヤーもチャンスメーカーもいるのに点が入らなかったのはきつかったですね。前線にこうした選手を入れたことがマイナスだったのかもしれません。守備のためにこうした布陣になった可能性もありますけど。来季も相当覚悟を決めないとJ2で戦い続けるのは難しいかもしれません。

 

 

19位 SC相模原

1年でJ3に戻ることとなりました。正直なところ前半戦はいろいろJ2で戦うには厳しいなと感じていました。戦力も監督も。こうした状況を踏まえ、DeNAマネーを活かし、シーズン途中でJ2を知り尽くした高木琢也新監督を招聘。さらに各チームで燻っていた若手を乱獲し、最下位独走気味だったチームを立て直しました。ただ、最終的に残念だったのは10月以降の戦いでした。9月に入り、いよいよ残留圏が見えてきたところから足踏みが続き、何試合か降格圏から脱出したものの、1試合で逆戻りを繰り返しました。そうした不安定な戦いから残留のチャンスを逃したといえます。幸い高木監督が続投。チームとしても安定した戦いを身につけながらJ2に再チャレンジしたいところ。

 

 

20位 愛媛FC

ついにJ2から陥落となりました。近年、下位低迷が続き、生え抜きだった川井健太元監督が退任。おそらく招聘すべきはJ2残留のためのタスクが遂行できる経験があるリアリストだったと思います。ところが、招聘してきたのがチーム内人事というありさま。この体制が早々に崩壊。後任となった實好監督は選手任せの要素が強く、選手の技量に限界のある愛媛では結果が出ませんでした。俯瞰で見ていれば防げる穴を塞げませんでしたからね。残留のためのタスク遂行型の指揮官であれば戦力的に揃ってなかったわけではありません。チームが残留するための策を尽くしきれなかったのがすべてではないでしょうか。実際のところ戦力的な厳しさよりも最終的には監督の頭で負けてしまった部分はありそうですね。戦力的に厳しいという予想は上回れたわけですけど。来季は資金的にも厳しくなるなか、J3での厳しい戦いをどう乗り越えるんでしょうか。

 

 

21位 ギラヴァンツ北九州

2度目のJ2降格となりました。大幅に戦力を抜かれたのがすべてでしたね。小林監督は経験豊富ですが、修正できないときはとことん駄目になることもあるタイプなので予想できたことではありますが。若い選手中心であっても序盤でうまく自信をつけられれば、チームはうまくいくんですけど、できませんでしたね。勝者のメンタリティの養成ができていればもう少し自信をもってプレーできたでしょうし、勝つための方策を身につけていればゲーム運びもよくなっていたと思います。序盤、終盤ともに細かいエラーが積み重なりました。ただ、就任前、最悪だったこのチームを立て直した小林監督を別の形でとどめたのは確実に大きいでしょう。戦力を含めた立て直しと監督の手腕に来季は掛かってくると思います。

 

 

22位 松本山雅

数年前のサンガの落ちひん、今季の大宮以上のサプライズでしょう。資金力上位にいましたが、降格となりました。終盤になってもまとまれないチームを見れば当然かもしれません。ただ、性質が悪いのは相模原、北九州から勝ち点を奪ったことで道連れにしたことかもしれません。逆に下位チームは松本相手に勝ち点を獲得することが終盤必須だったかもしれません。直接対決もありましたが、終盤のカード的に一番きついチームでしたから、それまでにけりをつけないとこうした結果は予想できていました。チームとしてまとまれなかったこと、攻守ともにバランスが悪かったのがすべてでしょう。監督としても名波監督ではなく、リアリストを招聘すべきでしたね。守備の修正がまったくできてませんでした。何よりきついのがこの雰囲気を漂わせて、資金力が圧倒するであろうJ3で勝てるか不安でしかないことでしょう。不安を跳ね返せるかですね。

 

 

J1、J2全チームのまとめを終えることができました。今季は例年より2チーム多い42チームでした。基本的に総括は事前に原稿を書いて、アップする際に手直しするという形をとっているんですが、チーム数の多さから最初は全然はかどりませんでした。ただ、勢いが出れば書けるんですよね。

今はサンガ総括に手を初めています。これが終われば、来季の開幕の早さから少し早めのシーズン分析も始めないといけません。毎年ルーティンにしてる更新を続けるとスケジュールは埋まってくるんですよ。

これで2021年分のJリーグ関連の更新は終了です。残すはサンガ中心の更新となります。