今季限りで退団する選手を紹介する。
  秋田豊(現役引退→サンガコーチ就任)
 今季加入し2年は現役をやると思っていたが愛媛戦での途中交代が引き金で引退を決断したのではないだろうか。常にファーストチョイスではなかったものの出場した試合では安定感を見せてくれた。入れ替え戦なんかは彼の気持ちが伝わったのではないかと感じさせるようなプレーだった。今後はサンガで後身の指導に当たる。まだまだサンガに恩返しをしたいという気持ちをもってくれた嬉しい。サンガをJ1昇格に導いた1年目の指導者は残留へ導いてくれると期待している。

  チアゴ(退団)
 シーズン途中から無駄なカードが多く出場4試合連続でカードを受けることもあった。体が大きく積極的に仕掛ける選手でありチームの調子がいいときはそれなりに機能していたがプレーの特徴がアダとなることもあった。これではJ1では戦えないと感じていたのでこの判断は妥当だと思っている。

  美尾敦(甲府へ完全移籍)
 今季は開幕スタメン出場を果たし今季こそ復調かと思われたが目立った活躍ができず出場機会を得られなかった。毎年言っているが課題をクリアできない限りは出場が難しい。でも左利きの選手は重宝しているし三上が戦力外通告を受けたことだしさすがに切ることはないだろうと思っていたが退団が決まった。プレーの幅を広げればもっと活躍できたのだが残念だった。2004年シーズンの奮闘はまだ覚えている。ルーキーイヤー以来となる古巣復帰にもえているだろうし新天地でも頑張ってほしい。

  アンドレ(退団)
 攻撃的な選手として申し分ない活躍をしていたと思う。若干不満もあったが田原とはまた違うセンタータイプのフォワードであった。昨季から指摘しているとおり怪我が多すぎる。これでは戦力の計算ができない。通年のことを考えると厳しいものがあるということで退団が決まった。昨季はコンディション不良を言い訳にできたが今季はそうはいかない。せっかくいいものをもっていても怪我が多くては台無しだ。

  星大輔(戦力外通告→栃木SCに完全移籍)
 完全に怪我に翻弄された1年だった。半シーズンプレーできない状態にあり復帰した矢先で監督解任。今季数少ない出場機会を見てそれほど悪いプレーはしていなかった。むしろいいプレーをしていたが怪我の間に渡邉大剛が成長しポジションを完全に奪われた。戦力外通告をすべき選手とは言い難いが大剛の成長、人員整理のことを考えると仕方なかったと言わざるを得ない。またもや柱谷兄貴のところへ移籍するがサンガに在籍した3年間でけっこうプレーの幅が広がったのではないだろうか。JFLは残念だがもう一度Jの舞台に復帰できることを祈っている。

  三上卓哉(戦力外通告→愛媛FCに完全移籍)
 疲労がたまるとパフォーマンスが落ちる。開幕に出遅れ、終盤も怪我のため出場できなかった。私は左利きの選手をもっと重宝しろということを主張しているので彼の戦力外はもったいなすぎると思う。左SBの中谷は怪我が多く通年計算できないということをきちんと頭に入れていたのだろうか。年々守備に関しても不満なプレーが少なくなっておりカバーリングも良くなってきた。しかし彼の戦力外は不満が残る。ピッチ外の問題でもあったのだろうか。

  中払大介(戦力外通告→福岡へ完全移籍)
 今季は首脳陣ともめたらしく一時的にかなり干されていた。今まで精神的な支柱として頑張ってきたが実績充分の2人が入ったことによりその存在も薄くなっていた。首脳陣に苦言を呈しておくがこういう選手を巧く使いこなせないようでは到底一流の指導者になれない。毎年コンスタントに活躍していたパフォーマンスが落ちたのは否定できないが残念である。来季は古巣へ復帰する。またあのプレースタイルに回帰するのだろうか。サンガ移籍後改心したプレーで通すのかが注目である。

  米田兼一郎(シーズン途中栃木SCにレンタル移籍→レンタル終了後戦力外通告→徳島に完全移籍)
 安藤が入り勝負だと思っていたが思ったより早くに移籍してしまった。但しこういうタイプの選手は少ない。だからシーズン中石井が怪我、カードなどでということを考えていたら寿命が縮む思いがした。来季は徳島でプレーする。ここのところプレーをみていないが果たしてどれだけ力を付けてきたかが注目である。

  登尾顕徳(徳島にレンタル移籍)
 昨季は出場機会を得ていたが今季は全くなかった。若手はどんどん出場機会を得て経験を積むことが必要である。サンガでは到底出場機会は来ない。この移籍決断は正しいものであると私は確信している。徳島はそんなに選手層も厚くないしチャンスだと思う。どんどん経験を積んでサンガでレギュラーが取れるようになってほしい。

  橋田聡司(戦力外通告→カターレ富山に完全移籍)
 キーパーとしては4番手で完全に浮いていた。昨季新人獲得に失敗し挙げ句の果てに呼び戻した選手である。今季もレギュラー争いに加わることができず引退も考えられたが幸いにも移籍先が決定した。来季は新天地でプレーすることになるが明るいキャラクターなのでチームにとけ込めると思う。それと実力をアピールしたい。

  小原昇(シーズン途中栃木SCにレンタル移籍→レンタル終了後戦力外通告→サンガ普及部コーチに就任)
 サンガユースから昇格してきたFW第一号として君臨していたが隅田が加入し今季は結果を出さないといけなかった。しかし出場機会を得ることができず出場した試合でもアピールすることができずシーズン中に移籍が決定した。現役は厳しいとずっと思っていた。残念ながら引退が決まった。引退という発表がなかったのであえて行方のところには引退という文字を入れなかった。

  西村弘司(戦力外通告→名古屋へ完全移籍)
 ずっと2番手キーパーの位置を死守してきたがそれを守りきることはできなかった。遂に上野に抜かれた。ずっと出場機会を得ていたが今季リーグ戦出場は0。戦力外通告というのは驚きだがそれはキーパー改革をするという意識の強い現れだと思っている。いい加減にあのキーパー軍団をどうにかしないといけない。楢崎の下でみっちり経験を積んでほしい。

 姜鉉守(カンヒョンス、カターレ富山にレンタル移籍)
 豊富な運動量を生かしたプレーが特徴のプレーヤーということで入団。しかし出場機会を得ることができなかった。新人とはいえど大卒新人なので出場機会がないと厳しい。今回レンタル移籍であったがほぼ片道切符だと思ってもいいと思う。

  田村仁崇(栃木SCにレンタル移籍)
 2年目の今季も出場機会を得ることができなかった。相変わらずセンターバックにも挑戦しているようだが左利きを全面的に生かすためにもサイドバックで頑張ってほしい。キック力の高さには定評があるのでそれを生かすためにも他の部分ものばしたい。

  隅田航(Vファーレン長崎にレンタル移籍)
 今季ユースから昇格ということで期待していたが出場機会は0。若いうちはどんどん試合に出て経験を積まないといけないのでこの移籍はプラスに作用すると思う。まずは新天地で出場機会を得て結果を残してほしい。

  三戸雄志(シーズン途中グルージャ盛岡にレンタル移籍→レンタル終了後FC-Mioにレンタル移籍)
 ユース1年目だが力不足なものが多くシーズン途中レンタル移籍。グルージャはリーグ最強らしいのでここで経験を積むことは大きいと思っていた。もう1年やってほしかったが今度は滋賀のMioに移籍する。若いうちは経験が大切だと思う。せっかくいいものをもっていても経験が積まれてないと巧く発揮されない。プレーの幅を広げることもできるし試合に出場することが若いうちは最も重要なことである。

以上の選手達がサンガを去った。新天地での活躍を祈る。