西の空に金星が輝きを増すころ、寝ぐらに向かうカラスをよく見ていた。

カラスは必ず裏山の方から現れ頭上を南に向かって飛んでゆく。


1羽、2羽、3羽・・・・・・


群れて飛ぶカラスを数えるのが楽しかった。

はじめはポツリポツリと現れ、やがて大きな群になる。

間違えずに数えようと目をこらして見上げていた。

ノンキものが群の後から2羽3羽、あわてて仲間を追う姿も面白い。


電柱の根方などに闇が宿り始め、どこからか晩ご飯の匂いが流れ、家が恋しくなるまでそんな遊びをしていた。