晩御飯のオカズに時々、母がオムレツをつくってくれた。

コロッケの具と同じものを柏餅のように卵焼きで包んだもので、トンカツソースをかけて食べた。

それは私の好物のひとつだった。


大学生になりレストランでオムレツを注文すると、出てきたものは卵ばかりで中身のポテトの部分がない。

変なオムレツだなと思った。

そしてそれが本来のオムレツであり、母のものが特別であることを知ったのは後のこと。