帰国子女はチートスペックっていうツイートを目にしてもやもやっとしてしまった思いを綴ります
私の主観だけど、日本から来た外国語ゼロの子どもが、ほとんど努力せずに外国語を手に入れることができる年齢はせいぜい小学校低学年ぐらいまでじゃないかなって思います。
2歳で上子が外国語の環境に初めて入った時、私は日本語教育に必死でした。 「ここの家、もしかして図書館ですか?」ってぐらい絵本を日本から持ってきて、毎日読み聞かせてました。 学研の図鑑も全部揃えて、上子が「これは何?」とか聞いてきたら知ってることでも答えを言わずに「一緒に図鑑で調べてみようか?」って本を手に取って、解説を読み聞かせたりもしていました。知らないことも多かったから私自身勉強にもなりました
上子の英語に関しては海外に滞在中、特になにもヘルプをした記憶がなく、自然に身についたという感覚を持ちます。
上子はその後、中高は日本の学校に通いました。英語の授業で当てられて文法の質問をされてもさっぱり答えられないのに、テストは完璧で、「説明はできないけどこれはこれが正解でしょ?」みたいな感じで英語を理解していたようです。 ネイティブの覚え方ですね
二度目の赴任で下子に関しては、英語がゼロの状態で中学校に入ったものですから、もうそれはそれはそれはそれは苦労しました。
話をすることで仲良くなる年頃なのに、自分は何もしゃべれないから友達ができない。 (もちろん親切にお世話してくれる子達もたくさんいました。 でも英語のできない自分は彼女たちと対等な友達という感覚が持てなかったようです) 授業も先生が何を言ってるのかすら、何もわからない状態。 それなのに宿題のレポートはわんさか出るし、もう親子で途方に暮れるしかなかったです
たとえば理科だと、私は中学校の範囲の勉強を日本語で学習済みなので、テキストが英語になっても内容は理解できるけど、下子は授業内容も、英語も何もわからないという状態。 とりあえず日本語の教科書で私が単元内容を説明し、英語の教科書でわからない単語を調べるというとてつもなく時間がかかる方法でサポートしたりもしていました。
先日、下子が日本に本帰国する前、昔のテキストを処分していたのですが、その教科書をパラパラとめくって書き込みをみつけて「私、explain って単語に「説明する」ってルビ打ってる。 こんな単語すらわからなったんだ。 こんな状態から私、今まで頑張ってきたなあ。」って涙ぐんでいました。 もちろん私もこの6年間の歩みを振り返って下子の頑張りに泣けました。 てか思い返すと今でも余裕で泣けます
歴史や宗教の課題になってくるともう私は内容すらわからないため、その学校を卒業した大学生に家庭教師を依頼して宿題を見てもらっていました。
英語は日本人の文法をきっちりと教えてくれる厳しい先生に文型の基礎からみっちり教えてもらいました。 下子の文法力は世間で思われているような、帰国子女がなんとなく雰囲気で獲得したものとは全然違います。 文型分けからきちんと先生に叩き込まれた本物の英語力です
あとは日系の塾で数学と国語は面倒を見ていただいていました。 塾は仲間がいてみんなも頑張ってるから本当に素晴らしい環境だと思います。 塾の存在は本当にありがたかったです。
振り返ってみても本当に大変でした。今住んでいる場所のような塾のない地域だと、夫の会社でも、子供が中学生以上だと帯同せずに単身赴任を選ぶ方も多いです。 私も最初がここなら帯同しなかったと思います。そして実際、途中で帰国していった人も何人かいます。
ただ、英語ゼロできた中学生女子がめちゃくちゃ馴染んで楽しんでいたケースもありますので、これを言うと身も蓋もないですが、「個人による」んだろうとは思います。
ハードモードだった我が家のケースを紹介しましが、今は下子は自分が帰国子女でよかったと思っているようです。 勉強は頑張れば頑張るほど身につく筋肉のようなものだから、筋肉がいっぱいついた身体になれたことは誇らしく、突出した英語力は勲章のように輝いて見えます。
自分で選んで留学するなら話は別ですが、自分の意思ではなく連れてこられる中学生にとってなかなか大変な環境 行けばなんとかなるでしょう〜って軽い気持ちじゃなくて、どれだけ大変なのかということをきちんと理解して覚悟して帯同しないと、子どもだけでなく、親の負担も半端ないかも。。と思います