せっかくなので、勉強のために見せてもらうことに。
無くなったお養母さまが白山さまから毎年いただいていた
おうちで飾るおおきめの干支の絵馬。
裏面をやすりがけしたときに誤って絵が削れてしまったとのこと。
板に胡粉と墨で描かれていたようす。
絵が変ってもいいし、全部削って描き直してもいいということでしたので
残った部分を活かして描かせてもらいました。
胡粉を板に直につけるのは初めてだったので
ちょっと膠が甘かったような感じがしますが。
依頼してくださった方は
以前の戌の顔が「怖かった」っておっしゃってたので
他の絵馬よりもちょっと優しめのお顔にしました。
自分にとっても試作的なものになったので
直しはいつでもしますということで受け取っていただきました。


来年はお寺さんの天井画の手伝いなんて話も
お声掛けいただいていたし、犬もはじめて描きました。
仕事でもないと描かないモチーフもあるものです。
今回の経験はいい勉強になりました。
合成樹脂のしごともできるのですが、
できたら、伝統技法で描けたらいいなと思っているし、
直しのことを考えたら長持ちさせたいし、
色々考えるところはあります。
コストとかだってありますしね。
家の直しも…
住んでいる身としては
色々考えます。古いものにどこまで手を入れるのか。
何分今は昔のように直す方がコストがかかるのです。
ほんとはそうしたくとも。
そして、冬寒いですし。住まない部屋が多いですし。
国宝級のしごとでなくても
身近に残るまめなしごと。
継ぐ人、わかる人が絶えないことを願って
残すのでしょう。
直しのできる人、技術を継げる人、守れる社会であってほしいなあ。