おはようございます![]()
「こころのチキンスープ 12」
ジャック・キャンフィールド他著
ダイヤモンド社
-----
[ミシンを守った神さま]
70年前、私がまだ幼い少女だったころの話だ。
私は末っ子で、兄と姉がいた。
当時、父は重い病にかかっていたから、母は縫い物であればなんでも引き受けて、家族を養っていた。
暗いガス灯の灯りを頼りに、母は夜おそくまで古い足踏み式のミシンを踏んだ。
ガス灯が消えかかっても、
食べ物が乏しくなっても、
愚痴ひとつこぼさず、母は夜更けまで働いた。
その年の冬、暮らしはさらに苦しくなった。
ある日、母にミシン会社から督促状が届いた。
月ぎめのミシン代金が期日までに支払われない場合は、
翌日ミシンを回収するというのだ。
母はその手紙を読んでも、取り乱したりしなかった。
むしろ落ちついているように見えた。
でも、幼かった私はおびえた。
全員で飢え死にするのかと悲しくて、泣きながら眠ってしまったのを覚えている。
私たちはいったいどうなるのだろう。
しかし、母は言った。
「神さまはけっして私たちをお見捨てにはならないわ。
いままでだって、ちゃんと守ってくださったもの」
いったい、神さまはどうやってあのミシンを守ってくださるのだろう?
さて、いよいよミシンを回収しに会社の人たちが来る日になった。
キッチンのドアにノックの音。
私はおびえた。
ああ、怖いおじさんたちが来たんだ!
ところが、ドアの外にいたのは、可愛い赤ちゃんを抱いたパリッとした身なりのおじさんだった。
おじさんは母に尋ねた。
「失礼ですが、ヒルさんですか?」
母がうなずくと、おじさんは話しだした。
「じつは今朝、家内が急病で病院に担ぎ込まれてしまいました。
赤ん坊を預かってもらおうにも近くに親戚はいないし、
私は歯医者ですから診療所を開けなければなりません。
ご近所で聞いて回ったら、薬屋さんも角の八百屋さんも、
あなたがいちばん正直で親切なご婦人だと言うのですよ。
どうか、2、3日だけでもこの子を見てもらえませんか?
お礼は前金でお支払いします」
そう言って彼は10ドル札を取り出し、母に手わたした。
母は「ええ、ええ、承知しました、喜んで」と、
彼の手から赤ん坊を引き取った。
彼が立ち去ると、母は私の顔を見た。
頬に涙がきらきら光っている。
「ほらね。わかっていたわ。
神さまは私からミシンを取り上げたりはなさらないって」
-----
とっても素敵なお話ですね![]()
■ ■ ■
あなたの言葉を最初に聞くのはあなたです
どんな言葉を発しているか、それがあなたの人柄、心柄を決める
■ ■ ■

