こんにちは。ナナの飼い主です。

今日は犬の話には違いないのだけれど、長い「犬の映画の話」なので興味ない方はスルーでお願いしますね。

 



で、観た映画というのは、ブログ題のとおりなんだけど、これは偶然、飛行機の中の暇つぶし用ビデオプログラムの中にあって、表紙絵が上の写真のように犬とスポーツカーという私の趣味2つにばっちり嵌っただったので、ちょっと覗いてみたのが、きっかけです。で、映画の分類の中ではコメディってなってて、後で買ったディスクのカバにも「ファニーでジョイフルなファミリー映画」って宣伝文句があるんだけど、これは、明らかに販売用のパッケージ文句だと、すぐ気がつきました。

はい、これ、中身は、文学的というか、大人が1人で観る映画です。
ただし、「映画としては」たぶん名作ではないと思う。感傷的過ぎるから。そして、ストーリーもだいたい先読みできてしまうから。でも、「映画がそれほど人生より大事なの?感傷的で何が悪い?」と言う私のような者には、すばらしい映画でしたね。

ホントに、犬好きなら涙腺緩む良い映画です。飛行機の中で見るのはもったいないと思ってブルーレイを買ったのは久しぶりでした。(私がアマゾンで買ったのは、日本語字幕がないやつだったから、皆さんが買われるときは注意した方が良いかも。)

 


冒頭が死ぬ間際の老犬を飼い主(レーサー)が抱きかかえて、なぜているシーンから始まり、その老犬の回想というかたちで、ストーリーが進んでいくんだけど、この犬(幼犬から老犬まで数頭が演じていると思うが)、ほんとに、犬を飼ってる(死までを経験した)人なら分かる、犬の表情がまず、素晴らしかったです。

 

だいたい、犬映画というのは、演技と言うより、ストーリー的に出てくるだけで、だいたい、少年が主人公で、つまり、大人のように能力的に十分じゃないので犬が臭覚とか、運動神経とかを活かして、悪者やナチスなんかから、少年やユダヤ人を救う見たいな、ま、言ってみればバ
ットマン映画のロビンみたいな扱いが多かったんですよね。「葉っぱのフレディ」で私が書いたように、柔らかい老犬の表情が冒頭からすばらしいです。幼犬の表情も可愛い。じっと、飼い主の家族を見つめる表情も素敵。犬前結婚式で結婚指輪を犬が持ってくるなんて、犬好きには堪えられません。犬好きなら買って間違いない映画ですね。(^^;)

 

 

私的には、自分がやったと同じようにオープンカーの助手席に犬を乗せて、犬の毛がふわふわ気持ちよさそうに舞うシーンが先代犬キキを思い出させましたね。ああ、キキも気持ちよさそうだったよなぁ。

 

 

そして、主人公が落ち込んでいるときにリードを咥えてきて散歩に誘うシーン。キキも散歩中に、一緒にベンチに腰掛け、そっと私の手を舐めてくれた思い出が甦りました。思い出して泣けてきましたわ。(TT)


で、こっからが本論ですがw、犬好きとは別に、私が気に入ったのは、作者はガース・スタインって人なんですが、この方と私、考え方が、ほんとに近くて、びっくりするくらいだったことがあります。扱いが、単なるペットじゃなくて、まさに私のブログ題と同じく、犬を人生の大事なパートナー、同伴者だと思っているのが、よく分かるからなんです。


Call it fate.
Call it luck.
All I knew was I was meant to be his dog.

それは、運命といっていいのか、
はたまた、幸運というべきなのか、
私が知ったのは、私はこの男の飼い犬になるべくしてなったということだった。


Senna died that day bacause his body had served its perpose.


I have work to do.

(事故死したレーサーのアイルトン)セナがあの日に死んだのは、彼の体がその生きる目的を果たし終えたからなのだ。
私も、私の生きる目的を遂げ終えるなら、同じように死ぬだろう。
だが、私には(飼い主を支えるという)やるべき仕事が残っている。

はい。キキが死んだとき、私も本当にそう思いましたね。キキは私を支えるために6年間の生き尽くしたんだとね。


下の一節なんか、私が「その日の花を摘む」で書いたのと、そっくり同じですね。

But we can't have everything we want.
the best driver don't dwell on the future or the past.
The best driver focus only on the present.

我々は望むもの全てを手に入れることなど出来ないんだ。
最高のドライバーは今やるべきことのみに集中して、先のことをあれこれ考えたり、やってしまったことを、いつまでも、くよくよ悔やみはしない。


で、映画に戻りますと、題の英語の意味は、「雨の中のレースの技術」ですが、もちろん隠喩で「(どしゃぶりの雨のような)逆境の人生の場面において、どう、生きるか」って意味ですね。

そして、答えが映画の中の台詞にいくつか出てきます。

Your car goes where your eyes go.

 

車は見てる方向に行く。(人生の壁ばかり見てしまう人は、かならず壁に激突してしまう。)

Create your conditions and rain is just rain.

 

自分のコンディションを作れ、雨はタダの雨に過ぎない。(厳しい環境は、厳しい環境であるが、それだけだ。自分がどうあるかは、自分次第)


で、主人公にとってのrainは愛する妻を失い、レーサー故に一人娘の養育権を妻の両親に取られそうになり、娘との生活時間を確保するため、レーサーの道を諦めようとして、経済的にももちろん困った状態に陥ったことなんです。そして、何とか耐えようとしているときに犬が交通事故にあって、医療費も掛かる。もう、娘との同居は諦めて、彼は金を手に入れるために、養育権を渡す示談書にサインしようとしたときに・・・はい。もう、予想はつきますよねw。

彼の愛犬Enzo(スポーツカーで有名なフェラーリの創始者、レーサーの名前です。)に、支えられ、教えられ、彼は、自分の人生を自分と亡き妻の意思と遺志に沿って、諦めずに続けレーサーとしての階段を上っていきます。

Breakes go soft for overheating.
The poor driver will crash.
The average driver will quit.
But the great driver will drive through the problem.

オーバーヒートでブレーキが効かなくなってきたとき、
腕のないドライバーは衝突する。
標準的な腕のドライバーは、レースを止める。
しかし、偉大なドライバーはトラブルを抱えながれらでも、走り抜く。

(実際、ギアが(たぶん5段のうち)2つしか使えなくなったのに優勝したレーサーの映像が出てきます。)


そして、原作者が書いたのは40歳代なんだけど、老成しているというか、ほんと、私のような老人には、刺さる、にくい表現ができますね。

老犬の声は64歳のケビン=コスナーが当ててるんだけど、ぴったり。

最後が近いEnzoは人に転生することを信じ、人に転生したとき、今まで経験したことを活かすんだと思い、幸せに犬生を回顧しながら、独白します。


Sometimes my life seems like it has been so long
and so short at same time.
I feel as if I've lived for an eternity.
And yet its as if no time has passed at all.

私の犬生はほんとに長く思えるし、同時に、あっという間の短いものだったようにも、時々、そう思う。

私は永遠の中を生きてきたようにも感じるし、まだ、犬生は少しの時間も経っていないようにも感じる。



最後は、両親とは和解し娘は戻りますし、レーサーとしても頂点のF1でチャンピオンになるとはいえ、妻は亡くなるし、当然、この愛犬は死ぬのですから、悲しいのですが、本当に優しい気持ちで見終えることが出来る映画です。後日トップレーサーになった主人公にレーサー志望の少年がサインを求めて来ます。名をたずねるとEnzoです。チョ、ご都合主義過ぎやろw。あは。こんな転生を先代犬キキにもさせてあげたい飼い主であります(^^)。


最後に、映画の主題歌の一節

Give me peace on Earth.
Give me life on Earth.


trying to touch and reach to you
with heart and soul.
take hold of my hand  that I might understand you.
Won't you please.

私に、この世界で心の安らぎをください。
私に、この世界で犬生を与えてください。


私を触り、心と魂で私を理解するように、
私があなたを理解できるように、どうか、私の前足を握ってください。


もちろん、わたしなんか、見終わるとすぐに、ナナの前足を握りに駆けつけましたw。

おしまい。