椅子屋の工房を間借りしています | 足踏みミシンと手縫い-サトウトモヱのかばんの中身

椅子屋の工房を間借りしています

祖父が若いころ木型から作った3人掛けの椅子の話

あるご事情で大きな椅子を手放さなければならなくなったお客さまから、「大切にしていた椅子なので引き取って欲しい」と、長椅子+ひとり掛け2脚のセットが、50年ぶりに佐藤椅子店に帰ってきました
革も破れておらず、きれいな状態で戻って来たのですが、それは祖父が、椅子を少しだけ低めに仕上げているからなのです

家具屋さんで座って試すときは、靴を履いているので、日本のひとが家に帰ってきて、靴を脱いだ状態で座るには、椅子って少し高さが高いんですって
(50年前は日本人の平均身長そのものが5cm低かったというのもあるけれど)

高い椅子には、深く座らず、前のほうに浅く腰掛けるので、座面が傷みやすい

今回帰って来た椅子は、木工職人が桜の木をカンナで削って丸みを出した脚、祖父が張ったまま、見た目は殆ど変わらずに帰ってきました

椅子屋の工房の片隅にいると、こんな感じで、祖父の昔の仕事を見る機会があります