どうしても観たい!という訳ではなく、次の予定にちょうどいい時間に上映してたので観に行ったのですがめちゃくちゃ良かった!!これは観ておいて良かったです!!!

ストーリーは9.11を受けてアフガニスタンに送られた米軍の兵士ジョンと現地で通訳として雇われたアーメッドの2人のお話。タリバンの爆薬工場を探して突き止めたらタリバンに見つかり、ジョンの部下は全員殺られてしまう。アーメッドと共に米軍基地まで戻ろうとしたらジョンが負傷。アーメッドはジョンと何とか100キロ先の米軍基地まで帰ろうと手作りのソリや手押し車を使って何とか米軍に引き渡すことに成功する。数週間後怪我も治りアメリカへ帰ったジョンは、アーメッドがタリバンから賞金を掛けられ狙われていて家族で逃げていることを知り助け出そうとする。


こんな感じなのですが、何故アーメッドがものすごい苦労をしてまで負傷して動けないジョンと共に米軍基地へ帰ろうとしたかなんですけど、アフガン人で通訳として雇われると報酬としてアメリカのビザの発給が約束されるからこの地を家族(アーメッドには妻と産まれたての子どもがいる)と共に抜け出せるという思いがあったのと、あと個人的にはアーメッドがジョンを助けたいという思いがかなり強かったのかなと感じました。
アーメッドは通訳ではあるけど仕事以外での口数が多い訳ではないので心内はわからないけどジョンを運ぶ最中に凄く感情が出るところがあり、気持ちが強い人なのがとても伝わってきてこちらも泣いてしまいました。根性凄すぎる。

アーメッドのおかげで無事に生還したジョンも次は逆にアーメッドを助け出すターンになるんだけどジョンもまた凄かった。アーメッド家族のビザを発給する為に移民局とかにめちゃくちゃ電話するんだけど保留保留で暴言吐きまくるのがなんか前にもこんな映画のワンシーン見た気がする。どの作品だったか忘れたけどお役所仕事ってどこも同じだよねえ…国が違っても。
ジョンに関してはアーメッドに連れ帰ってる最中怪我で動けずほぼ横になってて本当に何もせずだったのもあってジョン目線での景色がここで見れるんだけど体は痛い上にボーっとして(痛み止めでアヘン吸う描写もあり)目線は地面スレスレで。それで何日も過ごしてたら確かに気が狂いそう。

ジョンはその時の事を思い出してしまって眠れなくなって、それは呪いだって言ってたけど自分が安全な生活に戻れてアーメッドは死と隣り合わせの生活をしている現状に対してどうしようもない怒りや焦りが自分の知らないところで心の中から湧いて出て来てしまってたのかなと思いました。

助け出しにまた現地へ行くジョンが、前半の米軍としてのジョンより逞しく意志の強い目をしていた気がしました。
2人が再会した時、静かなシーンだったけどその2人を見てこっちが泣いてしまって…

1番静かで1番熱い場面だったかもしれません。




この作品はガイ・リッチー監督の新作という事なのですが、正直ガイ・リッチー監督らしさというのはあまり感じられなくて。戦争という今までに無いテーマだったからかなとも思うんですけどでもここ数年の作品の中で私は1番好きでした!!!
いつも(私が観た作品は(アラジン除く))めっちゃテンポ良くてこっちも頑張って食らいついていかないと振り落とされる!みたいな印象なのですが今回はそこまで早くなくともやっぱり流れは良く、見やすかったなと思いました。あと凄く丁寧にも感じました。

911の後のアフガンのお話なので社会派ではあるのですが話の流れにはエンタメ性もあったと思うし見て良かった作品でした。
この作品は監督が見聞きしたものを元にしているそうで全くのフィクションでは無いのが重みを感じます。

エンドロール後に米軍がアフガニスタンから撤退した後の通訳達のその後の現実を知らされるのですが、正直そこが1番辛かったかもしれません。
本当に世界から戦争が無くなりますように。