つむじにふれたら目がパッと開いた!

現在(福田先生治療当時)、当院には、ともに「眼瞼けいれん」「眼瞼下垂」を主訴とする姉妹が姉妹が通院されています。

この二人には、実は病名だけでなく、身体的特徴として非常に興味深い共通点があります。

それが、私がこの6年間、天の気(東洋医学でいう生命エネルギー)を全身に通すポイントして重視し、注意深く観察し続けてきた「つむじ」です。

つむじの様相は実に多様で、位置も数も人によって異なります。しかし、つむじの下には必ず大きなくぼみがあります。通常、そのくぼみは直径1cmほどの大きさですが、この姉妹のつむじには、それよりもかなり大きい、直径3~5cm大のくぼみがありました。

さらに妹さんの目は、私がそのつむじを探そうと頭をさわった瞬間に、パッと開きました。このような反射的反応は、気が通った結果としか考えられません。おそらく、くぼみの大きい人はつむじに気が留滞しやすい反面、通りやすいという特徴があるのでしょう。

もう一つ共通していたのが、足の冷えの現れ方でした。二人とも足首からかかとにかけて、皮膚が紫色に変色するほど強烈な冷えを抱えていたのです。

また、単球が少なく、治癒力も低下している状態でした。

妹さんの初診時は、つむじを中心に頭部を刺激した後、足の冷え取りに専念することで、劇的な治療効果を引き出すことができました。

一方お姉さんも初回治療後より「視野が広がり、頭痛も消えた」と効果をはっきり自覚されています。その後も「目の疲れが取れた」「視力もよくなった」「風邪をひかなくなった」など、治療効果が表れてはいます。しかし、妹さんに比べると、どうも反応が鈍いのは事実です。

お姉さんは76歳ですから、年齢的な問題もありますし、妹さんよりもリンパ球が若干少なめなのも関係していると思います。そしてこれに加え、悪影響を及ぼしていると考えられるのが、60歳から続けてきたというボトックス注射の弊害です。

自然治癒力を重視した治療に転換せよ

ボトックスとは、ポツリヌス菌の毒素から作ったワクチンです。当初はシワ取りなどの美容目的で開発された治療法でした。

筋肉の動きを抑制するため、眼瞼けいれんの治療に用いられてるそうです。しかし、年に11回も注射を繰り返していたというお姉さんに、効果が発揮されていたとは思えません。しかも、ボトックス注射を始めてお姉さんの視野は狭くなり、頭痛に苦しむようになったのです。

ボトックスの素となるポツリヌス菌は、自然界に存在する毒です。たとえ少量づつでも排泄力の低下している冷えた体に毒をくり返し注入すれば、いずれは悪さが始まるでしょう。お姉さんの頭痛は明らかに毒の蓄積によるものと考えられますし、視野を狭くする眼瞼下垂もボトックス注射による副作用の筆頭に挙げられている症状です。

しかし、お姉さんはいまだにボトックス注射をやめていません。当院での治療開始後も半年から10ヶ月おきに注射を繰り返しています。それも毒に体が慣れて依存する、まさしく中毒状態にあるからでしょう。

このように、対症療法の道を突き進み、迷走を続けているのが現在の医学の実情です。その間違いを素直に認め、自然治癒力を重視した医療への転換を図るべき時が来ているのです。

※この記事は福田先生が存命中に掲載された記事です。