江戸という都市の先進性、


越中富山企画塾のブログ


特にエコ、エネルギー効率の優れたところは

現代のお手本にもなっています。


その先進性は、マーケティングでも見られた。


有名なのは、平賀源内が考案した「土用の丑の日」の販売促進ですが、

本日のテーマはマーケティングリサーチ。


当時の江戸の街のヒット商品となった、

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蚊帳についてです。


ここからは、

『江戸300人 大商人の知恵』からの引用です。


もともとは貴族の間で使われていた蚊帳を

庶民の間に広げた主役は、西川甚五郎。


寝具メーカー、西川産業の2代目です。


主力商品の畳の需要がひと段落してしまい、

このままではいけない、新たな需要を喚起する必要があったようです。


そして、ヒントは、江戸の名物、銭湯につかっていたところに訪れます。

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「毎日、暑いが、扉をあけっぱなしだと、蚊にさされてたまらない…」


キター!って感じですね。蚊帳というアイデア。


顧客の悩みからニーズをつかむ。

庶民向けに蚊帳を開発・市場に出したらイケる。

コンセプトとターゲットもピタッとはまった…、はずでした。


しかし、これが一向に売れない。あれほど蚊に困っているのに…。


その理由は、どこにあるのか。そもそも市場はないのか。

甚五郎は、さらにリサーチを深めます。


そして、もう一度「キター!」瞬間がやってきます。


江戸の町人は「蚊帳」を必要としていたが、

西川産業の「蚊帳」は実用性重視の茶色で、

むしろ暑苦しい印象を与えてしまっていた。


その後、町人にデプスインタビューを行い、

「涼しい色であればほしい」という真のニーズをつかみました。


こうなったらゴールは近い。色彩マーケティングの出番です。


従来の蚊帳を涼しげな新緑色にリモデルしたところ、

空前の大ヒットとなった。


映画「となりのトトロ」のさつきとメイ、

さらには「ちびまる子」ちゃんの時代、

私が子どもの頃もあったので、

そう考えると、300年を超えるロングセラー商品、ということ。


現代の技術や手法におぼれず、

こうした先達に学ぶべきところが多いですね。


追伸:学生当時、江戸のことをよく話す教授がいるなーと思ったら、

田中優子先生でした。最近、よくテレビに出られています。