「トンデモ論」のまとめに、今日は「トンデモ論」が広がる理由を考察してみる。

 点検業者の人たちのことを一般的に法定資格を持った専門家であると認識されているが、実際、会って話して分かったのは、「ルール無視で何でもアリの現場作業者」であること。

・ルールを作るのは「技術者」
・意味が分からなくてもルールを守るのが「作業者」
・「作業者」は意味が分からなかったら「技術者」に確認する。勝手にルールを変更しない。

 これは普通の職場であれば厳しく教育されるところなのだけど、消防設備の点検業者にはこの教育を受けた様子が感じられない。
 「作業者」が勝手に手順を変更して事故になるというのは、東海村JCO臨界事故(原発)のように「あるある」なので、教育を受けていればそんな恐ろしいことは考えない。

 「トンデモ論」が広がる理由をまとめると、以下となる。
・実務担当者である点検業者、消防署員が機械に詳しくない、基礎知識がない。職場で教育が行われていない。

 

 具体的に説明すると。

・測定機器の扱い方の知識がない
・圧力計、パッキンなどの部品の特性を理解していない
・圧力容器の知識がない
・外観点検と作動点検の違いを理解していない
・全数検査と抜取り検査の違いを理解していない
・製造物責任法と労働安全衛生法の知識がない


 点検業者にしてみれば自分を専門家、技術者である思えばこそ、消防庁が作った点検制度(点検要領)は間違っていると言える訳であるが、機械技術者からすると「何が問題なの?点検要領を見ても意味が分からないの?普通、これくらいしている。」という感想になる。

 結局、「普通にやることが大事」という、よく聞く話に行き着くのだけど、消防設備の業界には本当に「普通」が通用しない。
 「トンデモ論」を信じているおかしな点検業者にダマされないように、設備の管理担当者は自己防衛するしかない。
 あやしいと思ったら点検要領を読んで、点検業者、消防署員、製造メーカーそれぞれの意見を確認してから判断する。
 本当に詳しいところを知っているのは製造メーカーの「技術者」である。

 現場作業者(点検業者)の意見を「鵜呑み」してはいけない。

 

 

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