新聞に寄稿しました「笹倉鉄平ちいさな絵画館」 | 不動産鑑定士長谷川由紀のいいネ西宮☆こだわりのある方!阪神間の不動産(賃貸・売買) 私が探します!

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以前、大阪日日新聞に堀江オルゴール博物館を紹介する新聞記事を書かせてもらいました。今回また寄稿依頼がありまして、地元の笹倉鉄平ちいさな絵画館を紹介し、11月17日に掲載されました。
弊社レンタルサロンからも歩いて10分強、駐車場もあるのでぜひ足を運んでみてください。
新聞の本文を以下に掲載しておきますね。

阪急電鉄西宮北口駅から北西へ徒歩約15分。国道171号線のすぐ裏手にある「笹倉鉄平ちいさな絵画館」(西宮市能登町11-17)は、その名前の通り小さな絵画館。
現在開催中の展覧会は「〝心惹(ひ)かれるお店〟を描いた作品展」。ヨーロッパの街角を描く20数点の展示作品が並んだ館内は、早い人なら、ものの3分も経たずに館内をグルッと見渡せてしまうかも知れない…。でも、作品1つ1つの前にたたずみ、描かれた世界にじっくりと向き合えば、時の経つのを忘れて長居してしまう、そんな魅力に満ちた美術館だ。
「光の情景画家」と呼ばれる笹倉鉄平の作品は、緻密(ちみつ)でありながら温かみのある情景とともにさまざまな光が描かれている。ドアの向こうにあふれる午後の白い日射し。セピア色の街にこぼれる店の灯り。モンマルトルの薄紫色の夕闇(ゆうやみ)。
今月61歳の誕生日を迎えたばかりの笹倉は地元兵庫県の出身。武蔵野美大商業デザイン科を出て広告制作会社のイラストレーターとなった。1990年から画家活動に専念し、600点以上の作品を世に送り出している。旅情に光をあふれさせた画風が国内の多くの人々の心を魅了しているだけでなく、パリやフィレンツェなどで開催した個展も成功を収め、日本的な情景を描いた近年の作品についても感激をもって迎えられた。
この画家の凄(すご)さは、絵を見ただけで、その絵が「何時ごろの光を描いているのか?」が、おのずと伝わってくるところだ。日頃(ひごろ)はさほど意識していない光の色味の違いが、笹倉の絵を見た途端、「画面にあるのが何時ごろのどんな光なのか?」をはっきりと言い当てることができる気がする。それは多分、画家が光の持つ色味に対し、とても鋭敏な感受性を持っており、色を巧みに操って種々の光を画面に再現しているからだ。
出展中の作品「12月のティールーム」を見ると、冬の「温かさ」が伝わってくる。店内にはクリスマスツリー、テーブルの上には1脚のティーカップ。天井のシャンデリアが室内を暖色に染めている。窓辺では丸くなって眠る猫の姿。日の落ちた窓の外には夜の灯りがともって、街灯の下、犬の散歩や、スノーマンを作る子供たちの楽しげな姿も見える。窓辺に舞い降る雪にイルミネーションが映って、ほのかなグリーンを帯びる描写の繊細さ。画家がどんなストーリーをこの1枚に込めたのか、想像を巡らせながら細部までじっくり楽しめる。
この絵画館は「印刷物でなく原画で、そして時間を気にせず作品を見たい」という熱心なファンのリクエストに応える形で、2007年にオープンした珍しい画家自身による個人美術館で、作品展のテーマや展示する作品の選択も自身で行っているのが特徴だ。本展は12月21日まで(火・水曜休館)。問い合わせは0798(75)2401同館へ。