広告を見て「買おう!」と思ったとき、必ず「どの言葉や表現に惹かれたのか?」を振り返るようにしています。そんな中で気づくのが、とある手法が有効だなということ。それは、「こんな方におすすめ!」と、ターゲットの具体例を列挙する手法です。
では、具体例があるものとないものを、次の例で見比べてみてください。
a)当社のにんにく卵黄は、熟成発酵した黒にんにくと、自然卵から抽出した卵黄を使用。「目覚めがよくなった」「朝すっきり起きられる」と、多くのお客さまからお喜びいただいています。
このa)に、具体的なターゲット例(赤字部分)を加えてみます。
b)当社のにんにく卵黄は、熟成発酵した黒にんにくと、自然卵から抽出した卵黄を使用。「目覚めがよくなった」「朝すっきり起きられる」と、多くのお客さまからお喜びいただいています。
▼こんな方におすすめ!
・残業続きで平均睡眠時間は4時間。「毎朝起きるのが辛い」という方。
・子どもの授乳や夜泣きで、十分眠れていない方。
・最近ぐっすり眠れず、朝起きられない方。
・就寝時間がバラバラで寝不足、とにかくいつも眠たい方。
どうでしょうか?ただ商品の良さだけを説明しているa)と、具体的にどんな人の役に立つかも説明したb)。読み手の感じ方はまったく違うのがお分かりいただけると思います。
どんなにいい商品だと思っても、自分との接点を感じなければ、なかなか購入には結びつきません。具体的に、どのような人に役に立つかを例示しておく。すると読み手は、「そうそう!まさにそれ私のこと!」と、商品により興味が出ると思うのです。
商品のことをよく知らない読み手にとっては、自分とどう関係があるのかを想像するのは意外とむずかしいもの。具体的にどういう生活をしていて、どういう悩みや欲求を抱えている方に役立つのかを書いておく。そうすることで、読み手との距離をぐっと縮めていけるはずです。
具体的なターゲット例は、「考えなくてもいい」!?
この手法は、私自身よく使ってきました。「きっと、こんな人の役に立つだろうな」というターゲットを頭の中に思い描き、例として書き連ねていくのです。でも、どこかあいまいだったり、「本当にそうかな?」と思うことも。
最近では、そんな迷いもなくなりました。たびたび紹介していますが、これを使うのです。
『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(岡本達彦著・ダイヤモンド社)
関連記事:
「売れるための情報はお客様が持っています」
1つ目の質問、「(商品名)を購入する前にどんなことで悩んでいましたか?」の回答を使う。ただ、それだけでいいのです。お客さまは、何らかの悩みや不便を解消したくて、もしくは何らかの欲求を満たしたくて、商品を購入します。この悩みの内容が、もっと言うなら、この悩みを抱えた人物像こそが、「この商品が役立つ人」そのものなのです。
たとえば回答には、「残業続きで毎日4時間ほどしか眠れず、朝辛いので困っていました」「子どもに授乳するために何度も起きたり、夜泣きで起きたりするので、とにかくいつも寝不足でした」などの声が書かれているはずです。これを、「○○の方」とくくり、並べていく。ただそれだけで、具体的でリアルなターゲット例ができあがります。
想像で書くのではなく「実際の悩み」を、しかも「それを具体的に書ける」というのが、「A4」1枚アンケートを使う何よりの利点。「事実は小説より奇なり」と同じ。お客さまの声はどんな想像の声よりも力強く、説得力があるのではないでしょうか?そう、具体的なターゲット例は、実は考える必要がありません。いや、「考えないほうがいい」のです。
「商品の良さを伝えているのに、なかなか購入してくれる方が増えない」「もっと親切な提案をして、困っている方にメッセージを伝えたい」という方は、ぜひ活用してみてくださいね。