愛犬ミルキーは8歳。
人間の歳なら、とっくに40歳を過ぎてます。
末っ子として我が家に仲間入りしたはずが、いつもの間にか私より姉さんになっている。
犬って年齢ごまかせるからいいわよねー。

このミルキー、
父にとってはまさに目に入れても痛くないほどの存在なのである。

  
  ちなみに父は我が妹ウカリンのことも割りと溺愛に近い状態でした。
  「キョンキョン(小泉今日子)に似ている」とホンキで信じていたようです。
  お願いだからよそ様の前でそれを言わないでね・・・と姉である私は密かに願っておりました。
  しかしながら、
  そんなウカリンも嫁に行き、
  唯一残った・・・というか残ってしまっているのは(←ほっとけ)、
  年齢とともに口だけが達者になり続けるこの私、長女のミー様。


てなわけで、今や父にとって、

溺愛の矛先は唯一、愛犬ミルキーただ一匹・・・なのである。(←長女に矛先向けようや。)

愛犬はいくつになっても無邪気である。
気分屋の長女とは違い、
機嫌の良し悪しで著しくテンションが変わる・・・ということもない。

出かけるときは今生の別れかのごとく「くーん、くーん、くーーーん」と寂しがり、
帰ってくるとちぎれんばかりに尻尾を振って大喜びでお出迎えするミルキーである。
毎度、毎度、よくもまあ同じ反応を繰り返せるもんだ・・・と感心してしまう。
父にしてみりゃあ、この上なく可愛いでしょう。


でも私は知っている。
愛犬の裏の姿を!!
「一日中、帰りを待ちわびていたのよーん」と言わんばかりの毎度の出迎えですが、
父が帰ってくる寸前まで、
本当はソファーの上で寝てんだよね。時にはいびきさえかいてます。(←犬もいびきかくのよ。)
「おぬしもなかなかのワルじゃのう~」てなもんである。

・・・ふと思う。
父にはまだ「孫」という存在がいないので
それに似た愛情がペットに向けられているのかもしれない。
考えてみれば気の毒な話である。
父の友人の中には、すでに3~4人の孫を持つ立派な「おじいちゃま」もいます。
・・・が、こればかりはどうしようもない。
私から突然、孫だけプレゼントするわけにもいかない。
まぁ、プレゼントできないこともないけどね。(←完全に開き直り。)
父も母も困惑すること間違いなし。


ところで・・・
ある日、父母私の三人でTVを観ていました。
「失踪した家族を探す」という某番組である。
子煩悩、愛妻家の男性がある日突然行方をくらまし、その直後一枚の手紙を送ってきた・・・という
不可解な事件についての公開捜索だった。
唯一の手がかりであるその手紙の内容についてコメンテーター達が見解を述べ合っていた。

「愛するわが子について何も書かれていないのがおかしいですね。」
「と言うことは、誰かに意図的に書かされた手紙かもしれませんね。」


黙って画面に見入っていた父が突然、「確かにおかしい!」と同意の声を上げた。
「誰かに拉致されたのかもしれないな。」と探偵さながらなことまで言い切っていた。

なるほど。
同じ父親の立場として、
”子供のことを案ずる言葉が何一つ書かれていない手紙”を不自然に感じたのだろう・・・

と、思っていたら

「パパだったら、間違いなくミルキーのことを心配せずにはいられんぞー」

と・・・・愛犬に直に語りかけていた。
なるほど、なるほど。(←なぜか納得。)


当然のごとく、愛犬はきょとーんとしていたが、
その代わりに父に投げかけられたのは、
「失踪するときは、ミルキーも一緒に連れて行っていいよ。」by愛娘
「それがいいかもねぇ。」by愛妻

女系ファミリーの男は辛いのう・・・父よ。
ちなみにミルキーも♀ですけどね。