■どこに住むかで生活スタイルも変わる 

★交通の便は老後の暮らしにも影響する 

住む場所によって、生活スタイルが変わることがあります。交通の便のよい場所で暮らせば、外出しやすくなり、行動が活発になります。一方、田舎暮らしは、自然と触れあう喜びを感じることができるでしょう。自家製の野菜で作る料理を新たな趣味にする人もいるかもしれません。また、友人や知人との交流を続けたいので、住み慣れた地域でずっと暮らしたいと願う人もいるでしょう。いずれにせよ、どこに住むかは住み替え後の生活を左右する大事なポイントとなります。なかでも交通の便は、住み替え先の場所を選定する場合に必ず考慮したいポイントです。元気で体力のあるうちは多少不便でも何とかなります。車を運転できれば、どこへ行くにも不自由はないでしょう。しかし、将来的に足腰など体力が低下したときのことも考えてみる必要があります。歳をとれば、車の運転ができなくなることもあります。日常の買い物に行くのさえ不便になる可能性もあります。医療機関への通院も時間がかかれば体力的にきつくなるかもしれません。利便性のよさは、歳をとればとるほど痛感するようです。その辺りも検討に加えたうえで、立地を考えてみるとよいでしょう。 

 

★周辺環境のチェックも忘れずに 

住まいの場所を検討する場合には、周辺環境のチェックも欠かせません。静かな場所での暮らしを望んでいたのに、小学校が近くにあるために子どもたちの声が気になって仕方がない人もいます。住み替え先を見学する場合でも、昼間だけでなく、夜間にも行ってみることが必要です。平日と休日の違いも確認するとよいでしょう。居室によっても住環境は異なってきます。見学時に案内された居室は静かだったのに、別の居室は幹線道路に面しているという例もあります。必ず住み替える居室の前に何があるのかを確認しておくことが求められます。意外に見落としがちなのが、周辺の建設工事の予定です。眺望が良くて契約したのに、隣に高層マンションが建ったために景色が変わってしまったという例もあります。工事期間中は騒音や振動にも悩まされますから、予定されている周辺工事の情報も事業者から聞き出しましょう。タクシーの運転手に地域の様子を聞いてみると、思わぬ情報が得られる場合もあります。 

 

■間取りや居室の設備のチェックポイント 

★生活動線や生活リズムを考えた間取りか 

住み替え先の選定にあたっては、間取りや居室の設備が使いやすいものかどうかもチェックする必要があります。まずは、使い慣れた家具や生活道具などを持ち込めるのかが気になるところですが、十分なスペースがあるシニア向け住宅ばかりとはかぎりません。収納もコンパクトな造りとなっている例が多いのが現状です。思い切って家財道具を整理することも必要になってくるかもしれません。それでも居室に入りきらない荷物がある場合は、トランクルームに預けるという手もあります。シニア向け住宅のなかには、トランクルームも併設しているところもあります。一度、住み替えを検討している事業者に尋ねてみるとよいでしょう。間取りは、リビングルームやベッドルーム、キッチン、トイレ、洗面所、浴室などが一般的ですが、生活動線を考えた配置になっているのか確かめます。一例ですが、キッチンと洗濯置き場が回り込まないと行けないような造りだったりすると、家事をするうえで不便に思うことがあります。また、夫婦で入居する場合は、お互いの生活リズムを尊重できるような間取りかどうかも検討します。起床や就寝の時間が違えば、相手の行動が気にかかります。ストレスがたまり、けんかの火種にもなりかねません。有料老人ホームの入居者のなかには、1人用の居室を夫婦それぞれが確保して、ほどよい距離を保ちながら生活している例もあります。 

 

★要介護になったときに使いやすい設計か 

将来、介護が必要になったときに、トイレや浴室が使いやすいものになっているかどうかも大切なポイントです。まずは、高さや構造が身体に合っていることが一番です。単に見るだけではなく、使う動作をしながら試してみるとよいでしょう。トイレは車いすを利用する場合に備え、十分な広さが確保されているのが望ましいといえます。浴室は転倒事故などが起こりやすい場所ですから、滑りにくい床材を使うなどの工夫が欲しいところです。また、手すりや緊急コールボタンがどこに設置されているのかも忘れずに確認しておきましょう。手すりは追加で設置したり、場所を変更したりできるのかも聞いておくとよいでしょう。シニア向け住宅のなかには、元気な人向けの居住棟と要介護者向けの居住棟が分かれ、心身の状態に合わせて住み替えできるようになっているところがあります。見学する際には、必ず要介護者向けの居住棟も見せてもらい、居室の広さや設備などをチェックしておきましょう。一般的に要介護者向けの居室はベッドルームにトイレと洗面所だけのコンパクトな造りで、収納スペースはほとんどありません。家財道具などの扱いや居室の権利がどうなるのかも聞いておきます。契約形態の変更や一時金の精算方法については、契約書などでも確認できます。 

 

 

 

 

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