’22.3月読書記録

初読(4)+再読(3):7冊

読書メーターより

 

3/30【スモールワールズ/一穂 ミチ】

6編の短編集。

最初の「ネオンテトラ」嫌な気持ちになって私好みではないと思ったけど、最後の「式日」を読んだら後輩が誰かわかり、彼に魅力を感じて切なくてたまらない。この短編集はこんな仕掛けだったとは。

「魔王の帰還」辛い部分は多いけど姉ちゃん素敵!

「ピクニック」は哀しく怖すぎて嫌だ。

「花うた」感涙。

「愛を適量」明るいラストにほっとする。佳澄の苦悩は大きいと思うけれど、南国の太陽の下で像に乗って笑う姿を私も想像できる。

 

3/26【レジェンドアニメ!/辻村深月】

「ハケンアニメ!」のスピンオフ短編集。

9年前の有科さん、斎藤さん、和奈さん、彼女たちらしいエピ。12年前の王子もいかにも彼らしい。

太陽くんの話はお母さんが好きになれない。

「ハケンじゃないアニメ」が一番好き、タイトルはこの作品からのような気がする。

「次の現場へ」は、ハケンアニメのラストに記されていた行城と王子が組むチヨダ・コーキ原作アニメに関しての詳細があり、スロウハイツの赤羽環登場がワクワク。「作家のファンが一番偉い」ってめちゃくちゃな理屈だけど彼女が言うと頷ける。(笑)

 

3/24【歌舞伎座の怪紳士 (徳間文庫)/近藤史恵】

若い女性と年配男性の交流といえば「賢者…(略)」「ふたつめの月」の国枝(赤坂)さんが思い浮かぶけど、本作の堀口さんも素敵。劇場でのトラブルへの対処はもちろん、久澄が友人の真緒と気まずくなったときのアドバイスが特に印象的。

久澄の成長はもちろん、姉の香澄や友人の真緒、そしてラストのしのぶさんと堀口さんも、より良い状況になって気持ちいい。

解説に書かれているように、それぞれの事件の状況や登場人物の心情が、舞台のテーマとシンクロしているのが素晴らしいと思う。

賢者のアンとトモ同様ワルサが可愛い。

 

3/21【七十歳死亡法案、可決/垣谷 美雨】

垣谷作品は数冊読んだことありインパクト強いタイトルも慣れていたけど、2012年のこの作品今まで知らずタイトルと装丁にぎょっとした。

ありえない設定だと思いながらもなるほど感あり、気分悪くなる部分多いけど、ハッピーエンドでほっとする。

私も義母の介護10年以上で介護施設に助けられている、ヘルパーが賃金あがって高級な職業になるべきと思う。

東洋子の夫が腹立たしくて、ラスト改心した感じだけどそれでも私は彼へのイライラ感が簡単には消えない。

 

3/15【本屋さんのアンソロジー (光文社文庫)】

(再読)本好きにうれしい企画、書店が舞台の10編

作中に自分の既読本や作家名が出てくるとより興味深い。先日朝ドラで俵万智さんの「サラダ記念日」が取り上げられたのを見て、このアンソロジーで2作品に俵万智さん著作本が出ていたのを思い出して読み返し。一つは門井慶喜さん作品、緑雨の警句で怒った奥さんに同感、ラストに記されてる俵さんの短歌好き。

それぞれの作品を堪能してから、大崎梢さんのあとがき印象的。

 

3/11【きたきた捕物帖 (特典:スマホ壁紙画像データ配信) (PHP文芸文庫)/宮部 みゆき】

(再読)文庫化(’22.3/15第1刷)購入で読み返し。

嫁いびりとか呪いや騙り等色々怖い部分も多いけど、軽やかな印象の北一の語り口、素敵なおかみさん、周りの信頼できる人たちも好みで明るく感じる。

シリーズ第2弾の単行本が5月に刊行予定とのことで待ち遠しい。今作では第三話から登場だった“きたきた”の片割れ喜多次の出番もっと増えるだろうし、欅屋敷の若も登場するかも?楽しみ。

 

3/6【わたしの信州 (講談社文庫)/原田 泰治】

(再読)’22.3月2日に亡くなられた原田泰治さん、ご冥福をお祈りいたします。

原田さんは諏訪のご出身だけれど疎開して少年時代を過ごされた伊賀良村(現飯田市)は私の実家から片道30分くらい。「僕にとって信州とは、それは伊賀良村そのものであり、本当の意味でのふるさとも伊賀良村だと言えましょう」という言葉が嬉しい。

文庫本の大きさではあるけれど掲載されている絵に惹き込まれ、伊賀良村のお仲間たちや素敵なご家族のお話に温かい気持ちになる。

 

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3/29桜満開

 

我が家の庭の桃の花も満開。桃の木下はマロお気に入りの場所。