ドラマ「ペペロンチーノ」
2021.3/6(土)22:30~23:30 BSプレミアム・BS4K 同時放送

心揺さぶられる素晴らしい作品だった。
終盤に明かされた事実に号泣。
ウェブマガジン編集者の結衣香さんが告白しそうになって変だなと思ったけど気付くことはできなかった。
その前からも度々何かしっくりこない部分あって、でもそれが全て納得できるものに変わる、とても悲しいけれど温かさ美しさを感じる種明かしに震えた。

潔の失意は種明かし前に思っていたよりずっと大きかったとわかり“俺を今日につれてきてくれた人たち”という言葉もより重く感じる。
潔と佐々木医師のシーンの凄まじさ。
より子さんの泣き崩れる姿、蒼ちゃんが乗ってるブランコの揺れの切なさ。
怖がり友作くんになたねちゃん逆プロポーズほっこり。潔が見てなかったらなたねちゃんは逃げてしまったかもしれない、良かったねぇ。
友作くんの「仲間がたくさん死にました。その人たちの分まで楽しむ義務があるんです、俺達には」という言葉がとても印象深い。

コロナ禍の描写も秀逸。レストラン再建して順調だったのに客足が途絶えてしまう。
ワインボトルを開けようとした潔だけど結衣香さん入店で助けられた。(このとき灯里さんはたまたまいなかったのだろうと私は思ってた。^^;)
さらにウェブマガジンの記事に潔は救われる。
「俺は被災者じゃない。俺は料理人です」深く心に沁みた。

他にも被災者の立場としての言葉が数々あり、10年前のことを尋ねる潔に反発したより子さんの言葉は特に刺さった。
(実際には方言)
“聞きたくないあの頃の話は。10年とか騒ぐのも気にくわない。時間で気持ちが切り替わるか?
外の人がたまに思い出すそのためだけだよ10年は。ここではあの日がずっと続いている。“

佐々木医師登場で全員が集まり、それぞれが10年を思いながら、最初は献杯と言っていたより子さんと高橋夫妻も今度は乾杯。
潔の気持ちが明かされ、みんなが灯里さんの存在を感じる。
新しい命への明るい会話。
哀しみや苦しさはずっと消えないと思うけど、大切な人の存在を感じながら笑顔で過ごすことができますように。

剛くんはじめキャストの方々素晴らしく、見事な脚本と演出、とても素敵なドラマだった。