少し大きなイオンの3階
バイトが終わってから向かうには少し気怠い場所にある本屋さん。
重い足を動かしてでもそこに赴くことにハマっている私がいる。
漫画を電子書籍で購入するようになってから、立ち寄る頻度は格段に減った。いざ行ってみるとやはり紙には紙の良さを感じる。
マスク越しでも感じる本の匂い。好きだ。電子書籍じゃまず味わうことはできない。
今日はそんな私が、『え!!部屋に置いておきたい!!!』と心動かされた本と出会ったある日の話をしよう。
ふらりと寄ったコーナーで見つけたのは、ちょっと怖い絵画を纏めた画集、虹色クリームソーダの写真集、色の名前図鑑。どれもこれも部屋にあったら生活が彩られそうなものばかり。
『どうせなら一冊だけでも買っていこうか』
私の購買意欲スイッチが入った。何がどうせならだ、週に何回もどうせを使うんじゃあない。
まあでも…どうせなら一冊だけ。一気に数冊買ってもいいけど、少しずつ並ぶ本が増えていくのを見るのも楽しいものだ。
どれを買おうかと悩んでいた時にふと後ろをが気になった。
そこで目があう『黄色』の背描写。
正しくは白と黄色が交互の連なるそれ。手にしていた本を慌てて置いて抜き取ると、それは素朴なたまごサンドの写真だった。
『卵とパンの組み立て方』なんて素敵な本なんだろう。こんなに素敵な本があったら、見ているだけでお腹が満たされそうだ。
今まで料理コーナーはレシピ本ばかりが並んでいるのだろうと思い、近寄ることがあまりなかった。レシピはネット検索や動画視聴から得ることがほとんどだからだ。
期待を込めて1ページ捲ってみる。
これは違う…!
レシピ本ではあるけど、これは一種の芸術だ。小さなスマホのページで見たほうが台所を占領しないし、効率的だけど、こんなにも『美味しそう!!!』と思わせてくれるのはこれが紙媒体に描かれているからだと思った。
スマホの中のどんなに上手な写真よりも、B5の厚紙に印刷されたそれが私にはキラキラ光る宝箱のように感じた。
ほらね!!!やっぱり本は紙じゃないとなあ〜!!!!
電子書籍漫画をスマホで購入した時、全く真逆の全く同じ感想を述べた私である。
早く絵本と児童書の隣に並べたい!そんな収集精神にも似た感情を抱きレジに持っていく。
その前に財布をチェック。
『あれ、900円しかない』
卵とパンの組み立て方は税込2420円。
次は絶対お迎えしてやるからなと本棚に彼を押し込み回れ右をした。
これは、どうせなら、新作の月見を食べようと二日連続で腹に収めたのが仇となったある日の出来事。
明日も適温で雨降りませんように
