大手メディアからの洗脳に騙されない為のブログ主様の記事を2つ
ありがたくリブログさせて頂きます💛
尚、文字数制限の関係でブログ主様のご意見等や画像など減らしています。
〈番組概要〉 今回の「+JOURNAL」は緊急配信です。
ゲストに歴史人口学者のエマニュエル・トッドさんをお招きしました。 トッドさんは、これまで
ソ連崩壊、リーマンショック、トランプ⼤統領誕⽣などを次々に予⾔してきました。
2024年1⽉にフランスで刊⾏されたトッドさんの『⻄洋の敗北』は世界27カ国で翻訳が決定して、
⽇本語版も10万部超のベストセラーとなっています。
アメリカとイスラエルがイラン攻撃へと踏み込んだ事で世界は更なる混乱の時代へと突入しています。
トッドさんによると、ウクライナ戦争でのロシアに対する敗北、経済面での中国に対する敗北、つまり
ロシアと中国という2つの大国に対する「敗北の精神的代償」として、ベネズエラ、グリーンランド、
キューバ、欧州諸国、イランといった「小国」への攻撃姿勢を強めています。
通訳は慶應義塾大学名誉教授の堀茂樹(ほり・しげき)さんに務めていただきました。
〈ゲスト〉 エマニュエル・トッド|歴史人口学者 1951年、フランス生まれ。
ソルボンヌ大学で学んだ後、ケンブリッジ大学で博士号を取得。世界各地の家族構成や人口動態等の
データで研究を行う。各国の家族制度や識字率、出生率、死亡率等に基づき現代政治や社会を分析し、
ソ連崩壊、米国の金融危機、アラブの春、トランプ大統領誕生、英国EU離脱を予言した事で知られる。
元動画へのリンクはこちらです。
では、早速、文字起こしで内容をご紹介します。
1のオープニング は飛ばして、2.アメリカはイランでも敗北するのか
というところからご紹介します。
チャプター 2: アメリカはイランでも敗北するのか。
ホスト(以下、H):
情勢が大混乱していますけれども、アメリカとイスラエルが、イランの 攻撃に踏み込ん
でしまった事で、更なる混乱の時代へと突入しています。
トッドさんによるとウクライナ戦争でのロシアに対する敗北、そして経済面での中国
に対する敗北、つまりロシアと中国という2つの大国に対する敗北の精神的な 代償と
してベネズエラ、グリーンランド、キューバ、欧州、諸国、 そしてイランといった小国
への攻撃性をアメリカは強めていると言います。
今後の世界はどうなるのかという点につい て今日お話を伺いたいと思っています。
そして通訳では、慶應義塾大学名誉教授の堀さんにも入って頂きたいと思います。
堀先生も宜しくお願い致します。それでは早速インタビューを始めたいと思います。
まずアメリカとイスラエルによるイラン義の第一方に触れた時、どの様に思われたか
というところから、教えていただきますか?
トッド(以下、T):
私はある程度は起こるかもしれないという風に予想していた事件ですが、私の解釈は、
二重の意味を持っていまして、一面ではアメリカはここ最近に2つの大きな敗北を期し
たと。1つはロシアに対する軍事及び産業における競争に破れたこと。
それから経済面では関税攻撃等をかけて中国に圧力かけようとしたけれども、中国の
反撃にあって結局、実力負けというか、アメリカはその経済的な戦いでも劣勢に出さ
せてしまった、この2つの背景の中で一種の劇場型の現実を胡麻化す為の行動として
こういった攻撃が行われてきたんじゃないかという風に私は一面で捉えるわけです。
チャプター 3: アメリカにおけるニヒリズムの蔓延
2つ目の次元として私が注目しているのは、今申した事より更に重要な事ですけれど、
アメリカにおける精神性の変容が起こっていて、それは暴力の必要と言っても良いよ
うなもの、衝動というか物が台頭して爆発的に出て来てる風に感じるんです。
その背景にあるのは宗教の衰退に伴って起こっている、ニヒリズムの蔓延です。で、
何も守らなきゃいけないというものがない訳なので、破壊の衝動に走ってしまうと。
あえて言うなら「殺す為に殺す」という様な暴力的な衝動という物が吹き出している
ように思います。
で、 ピート・ヘグセスと言うんでしょうか。私ちょっとこの名をハッキリ聞いてない
のですが、軍事関係の大臣ですよね。 閣僚ですよね。(注:ピート・ヘグセス米国防大臣のこと)
この演説を聞いて、私は本当に恐ろしくなりました。
そこにあったのは殺す事の喜びと言うか、そういうものが吹き出してるのを目の当たり
にして、これは非常に危ない、深刻な事になって来てるという風に思いに至りました。
ですから、この2つ目の次元と言った精神的なと言うか、内面的な問題が最初に申し上
げた地政学的な事情以上に重要なファクターなんだという風に、私は思います。
暴力の衝動は、アメリカの他はアメリカだけに起こってるんじゃなくてイスラエルも
同じです。イスラエルが何をしているか、何をして来たか、ここ数年でそれを見れば
今までもガザのジェノサイドがありますし、今朝も ニュースで私がキャッチした所で
はどうもベイルートの辺りをユダヤ人を(イスラエル北部から)どかせて、本当に爆撃
で攻撃してダメにしてしまおうと、一面を火の海にしようという計画が行われてる様
でイスラエルの方にも「殺す為に殺す」という風な衝動の爆発が起こっていると思い
ます。
この点でアメリカとイスラエルは同じ様な事をしている訳ですが、どちらが主導権を
取ってるかに関してはしばしば、イスラエルがなんか動かしてるんだと言う様な説が
行われてるようですが、 私はそれは全く信じません。 寧ろアメリカが決めていると。
じゃあ何故アメリカがそういう風に決めるのか?
アメリカ自体の内部崩壊が、これをもたらしている という風に見ています。
イスラエルは確かにそれに参加してるけれど、しかしアメリカの歩兵というか、一兵
というか、寧ろアメリカの方がリーダーシップを取って牛耳って、それに従って動い
てるのがイスラエル という風に私は見ています。
H:トッドさん、先ほどアメリカの 2 つの敗北について触れられていたと思います。
1 つはロシアに敗北した事、そして中国に敗北した事があります。今回の未来への攻撃
はアメリカの第3の敗北になる可能性はあるのでしょうか?
T: 確かに、それは1 つの可能性としてはあると思います。
それがまさに私はどうなるかと、本当に注目している所でありますが、今の所、情報
は混乱していて全く逆の情報が世界に流れていると、英米の方では言ってる事がある。
また別の世界では言われている事がある。これからの2週間でぐらいで、ここが決まっ
てくるんじゃないだろうか。
もしも、とりあえず今のところイランが崩壊する事を本当の意味で予感させる兆候は
まだ現れていません。もしも2週間持ちこたえてアメリカの思うようにならないとすれ
ば、それは本当に3つ目のアメリカ合衆国の敗北という事になって 、世界がアメリカ
合衆国のパワーが今や本物でない事をついに理解するに至るんじゃないでしょうか。
それは大きな変化という事になると思います。
但し、今のところはまだ何とも言えません。それは私の判断です。
この推測を困難にしている1つの大きな要素は、トランプ大統領自身がこのリアリティ
から外に出ちゃったような様子であって、そういう発言を度々行っている。だから本人
がどこまでリアルな事が分かっているのかが、見えてこないんです。
そうした中でこの間ずっと見ていて非常に不思議な注目すべき点は、副大統領のバンス
が消えている。彼は一体、どう思ってるの? どう考えてるの? どういうポジション
にいるのか分からない。これは1つの手がかりの1つじゃないかという風に思います。
H: 次の質問行きたいと思います。アメリカはイランの最高指導者ハメネイ師を殺害
する事でイランの体制を変えられるとそう考えていたんでしょうか。またイラン国内
においてハメネイ氏が亡くなった、ハメネイの死はどういう意味を持つと思いますか?
チャプター 4: ハメネイ師殺害の真の動機
T:アメリカの外交政策、内政じゃなくて。外政の特徴はここの所、どんどんと個人へ
的を絞って攻撃する風に変わってきてると思います。その1つの例が今回のハメネイを
狙ったのもそれであり、ここで何が目指されているのか本当に体制の転覆だろうか?
そうではないんじゃないか? というのは体制を変えたとしても次に生まれる体制に、
生まれる政治体制、どの体制でも宗教はともかく、いずれにしてもナショナリストで
いずれにしても愛国的な政治体制が次を引き継いでいくに違いないので、本当の目的
は体制転換ではなく、それ以上にイランに市民に内戦を引き起こす。内戦を炊きつけて
引き起こす事を狙ってるんじゃないか? もしその内戦が起こってイランの中が混乱
が続いて、それが数年も続いていく事になるとイランがあの地域で大国で、今の所は
大国ですよね。あの地域の大国を失う事になるだろうと。
ま、それが究極の狙いなんじゃないか? と思います。
付け加えたいんですが、個人に的を絞って攻撃をかけるやり方ですけど、この事にも
もちろん個人的に自分は衝撃を受けてますし、もちろん他国のリーダーを暗殺すると
いうことは許されるべきでないことです。
その風に感じるということは置いておいて、これは何をアメリカはこういう事をする
事によって何をしているか、一面では本当に敵国とみなした国への攻撃だけじゃなく
味方なり同盟なり、同じ陣営に属している他国の指導者に対する脅迫的な意味を個人
を狙った攻撃は持つんじゃないか?と思います。つまり、こんな事が起こるのならば
他の友好的な国だの指導者も怖がらなきゃならないと。刃向かったらこういう目に会
うんだと怯える現象が起こってくるだろうし、現に今のヨーロッパの指導者達はそれ
をヒシヒシとは言わないけれども感じてるんじゃないか? ということです。
これは非常に重要なポイントなんじゃないかと思います。だから、西洋のリーダー国
としての振る舞いではない。もはやアメリカのやってる事はないんじゃないかと思い
ます。アメリカ帝国はそういう事をやっているからアメリカはいわば「恐怖の帝国」
と言っても良い様なものに実際に変わってきてるんじゃないか。 だからアメリカの
国際関係に関する関与の仕方はハッキリ言ってテロリスト的な、つまり恐怖を与えて
支配するタイプの方法を取ってる訳でありまして、これは非常に重要なポイントなん
じゃないか? と。 だから例えばアメリカの中で CIA の方がペンタゴンよりも重み
を持つというか、そういう支配の帝国のあり方に変貌してきていて、これ非常に深刻
だということですね。
H:先ほど欧州の反応というのがありました。 今回の攻撃を受けた直後に欧州は反応
を示していましたけれど、欧州各国の首脳の発言や言動は、どういう風に見ました?
T:まずスペインの政府のリーダーはハッキリ言って勇気がある。立派だと。
で、トランプはすぐにスペインに 対して報復するような事を言っていますね。まあ、
そう簡単ではない。 スペインはEUの一部なのでそう簡単ではないけれども、そういう
脅迫がトランプの側から発せられておりますという事は確認できます。
フランスやドイツやイギリスのリーダー、政治的リーダーのトップの行動は、はっきり
言って勇気がないという事を言わなきゃない。というのはその真実を述べる事を恐れ
ていて、ビクビクしてアメリカの顔色を伺いながらと言う状態になってるので、これ
は本当に困った事だと国際問題について見識の有る事を一言位、言わなきゃいけない
ところが言えてないと言う事で、この様なアメリカやとイスラエルの行動は、世界を
国際関係のトラブルの起き手が大きな顔する様な世界に変えてしまい兼ねないので、
非常に問題です。
更に、この様な、いわゆるジャングルの怖い世界になって来れば身を守る為には手段
を持たなきゃならないという事で、各国が核兵器を今まで持ってなかった国も持とう
とする動きが広まるだろうから核拡散の方へ状況を押し合ってるのが、他でもない
アメリカとイスラエルだと。
チャプター 5: EUはトランプの召使なのか
このヨーロッパの指導者達の振る舞いは非常に大きな様々な疑問を惹起するものです。
そもそも自分達の国の国民の指導者なのか、それとも離れた外国である米国の召使な
のか分からない。
例えば既に起こっていた事で言えば、天然ガスの(ロシアのノルドストリーム)パイプラインを
破壊されても結局まともなリアクションを起こせなかったし、海峡封鎖で各国が資源
に困るような事は今起こりつつあるけれど、そういう事があってもそれに対してきち
っとしたまとな対抗手段を取る事ができない。反論すらする事ができない。
これは一体何なのか? と考えてみなきゃならないポイントの 1つだと思ってます。
アメリカは今回イランを攻撃したとみんなそう言ってるけれど本当にイランだけか?
アメリカは結局のところイランのみならずヨーロッパを諸国を攻撃してるという事
なんじゃないかと。
つまりヨーロッパは他の国も資源に困るわけ。資源的に困る事は目に見えてるわけ
ですからヨーロッパ自体に対する攻撃なのか? と。
そこにその背後に今のアメリカのニヒリズムが垣間見えるわけです。
ですからアメリカの国際的な行動を合理性の原理や原則で解釈しようとしても間違う
んじゃないかと。合理性からはみ出した衝動の様な物、あるいは策略なニヒリズムが
暴走しているという風に見る方が正しいんじゃないか。
これは本当にカオスを起こしてる訳で、ここを従来の地政学を外交問題として捉える
やり方では分からないディメンション(次元)がこの問題にあるんじゃないかと思います。
H:私はこの次の質問として今回の攻撃はアメリカにとって何の得があると思うか?
という風に聞こうと思ったんです。ただ今のお話を伺ってなるほど分かりました。
つまりこれはトランプのアメリカファーストに沿ってないかどうかではなく、もはや
それとは関係ない動きであるという風に見るのが正しいということなんでしょうか。
_______________
(ブログ主様の ご意見)
私がエマニュエル・トッド氏の意見と違うと感じたのは、イスラエルと米国の上下関係
について彼が語った部分で、父方がユダヤ系でもあるトッド氏の意見では「米国主導
でイスラエルはそれに付いて行っている」という見方ですが、私の見方は逆で、特に
今のトランプ政権等は真の米国の大統領はドナルド・トランプではなく、ベンジャミ
ン・ネタニヤフ(現イスラエル首相)ではないか というくらいにシオニストによって
いいように操られている と思います。
それはトランプが就任1年間の間で唯一、7回も会って会談した外国首脳がネタニヤフ
であり、下の写真のネタニヤフからトランプに贈られたギフトでも分かります。
イスラエルのモサドの手によって仕込まれたポケベルや携帯電話が2024年9月、レバ
ノン、シリア、イラン等で爆発を起こし、沢山の死傷者が出た事件の直後に会談した時
にネタニヤフがトランプに贈ったのが 金のポケベルでした。

そして、土台のところには下のようなメッセージが刻印されています。
”To President Donald J. Trump,
Our greatest friend and greatest ally.
Prime Minister Benjamin Netanyahu”
「トランプ大統領へ あなたは私たちの偉大な友人であり、味方です。
首相 ベンジャミン・ネタニヤフ」
下の写真では 目上の方への礼儀のような感じで、トランプがネタニヤフの
かける椅子を引いてあげています。

(上の写真:トランプ氏がネタニヤフが椅子に腰かける際に、わざわざ椅子を引いてあげているシーン)
ホスト(以下、H): 今回の攻撃はアメリカにとって何の得があると思うか?という風
に聞こうと思ったんですが、今のお話を伺って、これはトランプのアメリカファースト
に沿ってないかどうかではなく、最早それとは関係ない動きだ という風に見るのが
正しい事なのでしょうか?
トッド(以下、T):先ほど言いました様に、2つのロシアと中国に対する戦争で力負け
してこういう事が起こったんじゃないか?という風に言わば合理的な説明を見出そう
として解釈したわけですが、事態の進展を見ていると益々、合理性ではなく非合理性
が働いている。それが物事を決定している風に見るのが現実にマッチしているんじゃ
ないかと思います
第二次大戦でどういう事が起こったか、第二次大戦の現象は何だったかを考える時、
あの時の中心に有ったのはナチズムの暴力、非合理的な行動だったわけですが、今回
はそれとは違います。
アメリカは全体として反ユダヤ主義ではないけど、それでもこの問題にユダヤ民族は
絡んでいて、無意識のレベルで不安の要素というものと、例えば私自身ユダヤ系です
から、私自身も個人的に非常に関心が深い不安な関心がある訳ですが、それがそこに
絡んでいると。 このことを非常に注目しなきゃいけないんので。そうでないと本当
に危ない事が起こって来ているのではないか?
だから慎重に注意深く観察し判断していくことが必要だと思います。
チャプター 3: 独裁者の方が理性的な時代
私がいる不安と驚きを別の言い方で少し説明してみたいと思います。それは例えば、
私はフランス人でフランスの有権者市民であって、同時に、歴史家でもあります。
で、私は極く一般的なラインだと思うのですが、自由主義、民主主義を従来から信奉
してきた立場のものです。ところがこの観点から見た時に今の起こってる事を見た時、
西洋の国々のリーダー達の振る舞いは先ほど言った様に、ビクビクしていたり勇気が
なかったり、と言う態度を取っている。
一方、権威主義的国家、独裁的な国とされる中国やロシアのプーチンを初めとする、
更に言えば今回の問題のイランの指導者を含めても、独裁者とか言われる指導者の方
が合理的に合理性を持って物事判断し行動していると言えるんじゃないか? と。
驚くべき事に自由民主義の陣営の指導者達が理性を失っている事で、独裁的、独裁国と
言われる指導者の方がリーズナブル(合理的)だという非常にパラドキシカル(逆説的)な
状況が今生まれているんじゃないか? これも不安な点の 1つです。
H: あのトランプ大統領は、イスラエルのネタニヤフ首相、つまりイスラエルと歩み
を共にして軍事作戦を行う事はアメリカの内政的に見て、トランプ支持者離れを引き
起こすのではないかと言う風に見えます。 内政的な指示を集める上でも、プラスには
ならない様に見えるんですが、それでも、トランプ大統領がこういう決断をしたのは、
どういう風に見ればいいんでしょうか?
T: 今、仰った様な事も含めて、内政 にしろ、外政にしろ、例えば内政では今度選挙
があると言われてる。でも、選挙に何の意味を持つのだろう? それさえも 怪しいと。
戦争に反対か?という人口の調査では戦争反対となるのが多いけれど、 それで選挙が
どうなるか?を普通に推測できる状況では既に無くなって来ているんじゃないか と。
だから全て非常に大きな不確かさがあるので、民主政治の前提も崩れているし、確実性
が非常に薄くなっているのが今のアメリカの状態で、内外の行動どちらを取っても、
それが言えるんじゃないかと思います。
それで、アメリカは最早、 民主的ではなく、大きな帝国システムの様なモノになって、
内政、外政で暴れてしまっていると。
だから大事な事は、我々が想像力を持つ事。かつての第二次大戦の時に誰一人、ヒット
ラーがあの様な事をあそこまで成し遂げてしまう事は、想像しなかった訳ですね。
ナチズムと言うのも本当にそんな事が起こるとは思ってなかった訳です。でもそれは
起きてしまった。何かそういう物が歴史には働いてるので、我々はあらゆるケースを
想定する勇気を持って、想定しないといけない。
だから『想像力が必要』で『想像力を持つこと』が、非常に重要だと思います。
そして今は、ヨーロッパの指導者の言説を見ていると、アメリカがこれまでの状態から
別の在り方へ一気になだれ込んで行くと言える状態なんだけど、それを認めてないし、
また本当に加速して行く事も想定していない。
非常に危険な状況に我々はあるんだということを認識すべきです。
暴力が加速して、その上昇している暴力の程度が、どんどんどんどん上昇している。
誰が一体10年前にここ先起こったガザの様な事が起こると想像できたでしょうか?
イランが今攻められているけど、この後何が起こっていくのか、本当に重大な過渡期
に、過渡期というかその暴力の上昇期に我々はいるんだということを認識しなきゃな
らんでしょう。
H: 次はイランについてもお聞きしたいと思います。
トッドさんは過去の著作で、同じ中東のイスラム圏でも「サウジアラビア等アラブ系
でスンニ派の諸国」と「ペルシャ系でシーア派のイラン」との違いを強調されていた
と思います。で「ペルシャ系でシーア派のイラン」は敢えて言えば西洋諸国に近いと
いう表現もありました。 これはどのような意味に於いてなんでしょうか?
T: 私が過去の著作などで述べてきた区別というのは非常に重要でありまして、簡単
に言うと、伝統的な家族システムが異なるんです。
チャプター 4: 歴史人口学から見たイラン
スンニ派の方は父系の家族形態で、部族を作る部族的社会になりがちな社会で、いわ
ゆる国家で、近代国家の形成は非常に困難、そう言う文化的な土壌になるのがスンニ派
の方の家族システムのあり方です。
それに対してシーア派は元々、核家族が伝統ですし、多くの世界で色々言われてる事
に反して、女性の地位が実は非常に高いですと。相対的に女性のステータスが高い。
これは全くスンニ派の諸国とは異なる側面なんです。従ってシーア派的なイスラムの
世界は国家を作り易いし、 軍隊を作り易いし、そして人が交代しても続いていく性質
も作り易い。
そういう素質を持ってるのがシーア派の家族システムから生み出されてくる社会です。
そうするとアメリカ等の外からの軍事的な圧力に対しても相当抵抗力がある。或いは
抵抗力を作れる可能性を持ってるのがシーア派的メンタリティなんです。
従って、もしアメリカが今回やろうとしているような内戦状態を作り出すと、市民と
市民が戦うような状態を作り出す事は失敗し、思う様に事を運べないとすれば、それ
はやはり今私が言った様な事を理解してないからと言えるんじゃないでしょうか。
イランは付け加えて言えば、教育のダイナミズムも非常に注目するものがあります。
イランは多くのエンジニアを生み出しています。だから宗教的指導者の開かれてない
固定観念で支配されてる社会では全然なくて、寧ろ非常に技術的なもの、テクニカル
な物にも開かれた精神を持っていて働くエンジニアの国という事を注目しなきゃいけ
ません。で、早い話がミサイルにしてもドローンにしても、ドローンはイランの発明
ですよ。
ドローンはもう今の戦闘の在り方を全く変えてしまっている訳で、これはイランから
出て来ている。だからそういう精神そういう物をイランは秘めているので、スンニ派
の国を相手にして何かアメリカ化するという事とは話が違ってくると思います。
H:もう1個イランについてもお聞きしたいと思います。1979 年のイラン革命について
トッドさんはある意味で「民主化革命」という風に位置づけておられると思います。
この位置付けの意味と言うのを教えてください。
T:それ重要な所でして、まずイラン革命だけど、あらゆる革命は、人民の蜂起なので、
あれもまた革命だった。ただその革命だった事を人々が認めたがらないのは宗教色が
強かったからだと思います。 しかし考えてください。イギリスの名誉革命は、プロテ
スタンティズムの革命ですよ。 だから宗教色がある。宗教の影響が強いとかそういう
色合いが濃いという事と、革命であるという事には、実は矛盾はないのです。
だからあれは真にイラン革命は民主化革命だった。けれど民主化の方へ平和に上手く
移行できなかった。なぜか? なぜなら西洋が介入したからです。 西洋が無理やり、
イスラムの革命を押し潰してある方向へ、外国であるイランを方向付けようとして、
無茶をやったからなんですと。
だから、本来なら、平和的民主的に民主的な方向へとイラン革命から穏健化して行って
イラン人自身が民主主義を生み出して行くと、イスラム圏で初めての世界歴史初めて
のイスラム圏での民主主義が、イランに生まれる可能性は十分にあったんだ。
ところが西洋諸国がそれこそ民主主義や自由の名に於いて力づくで介入してそれを止
めた結果、何が起こったか? イランの中の宗教的な勢力の方が強くなった訳ですね。
その結果、 確かに血なまぐさい、確かに強権的なイランの体制というものが生まれて
その後、色々な変遷がある訳だけど、だから西洋の介入がイラン革命を本当の意味の
民主化の実現になるのを邪魔したんだと。寧ろ、ソフトランディングして貰った方が
良かったのに、愚かな事をやったという風に言えます。
チャプター 5: 台湾有事がもし起きたら
H: 日本の事についてもお聞きしていきたいと思います。このイランの攻撃を受けて
台湾有事の事を議論している事が増えたかなという風に思うんです。もし、仮に今後
台湾時が起きた場合、日本はどのように振る舞うのが良いという風に思われますか?
T: 本当に重大な事ですね。シチュエーションが待っていると思います。で、基本的
な事として世界を見た時に、日本とドイツは、アメリカ帝国のある種の支配権の今でも
一部です。完全に独立国とは言えない状態ですよね。それがまず1つ。で、アメリカは
世界に3つの部分の柱があり、1つはヨーロッパ、もう1つは中東、そして東アジアです。
で、ヨーロッパに関してはウクライナで色んな事をやりました。中東では今 イランで
こんな事が起こっています。さて、アジアということになるので、中国が台湾に何を
したどうとかと言う、いわゆる台湾の問題は確かに重要ですが、ヨーロッパで起こった
事、中東で起こってる事を見れば、まず1つ言えるのは、日本はその紛争、力関係の攻め
ぎあいや何かの外に、自ら位置することが賢明だと言えるんじゃないか と思います。
ある程度、私も歴史から、日本と台湾の関係を知ってはいます。
で、日本の台湾に於ける日本の植民地主義はある意味で。どちらかというと成功だった
と言う事が言われていて、事実そうで、後藤新平(注:台湾総督府民政長官。南満洲鉄道(満鉄)
初代総裁)の事とか、私は踏まえて考えなきゃない事が色々あるのは知ってるんだけれど
その結果で、日本の人々が台湾に対してある種の親しみというか優しみというか好意を
今でも持ってる人が多い事は知ってはいます。
しかし現実を見れば、この歴史の推移の中で、台湾は中国に支配されてる訳じゃない
けど、中国の空間に地政学的には中国の空間に属してるので、日本の空間に属してい
るのではない。 これを踏まえると日本が台湾有事の時に日本自身が関与されている国
という風に捉えるのは危ないし、正しい認識ではない と思います。
日本に私が注目するのは想像上のナショナリズム、空想的なナショナリズムがあるん
じゃないかと。で、それはどういうことかというと、実際には従前の主権を回復して
なくて、アメリカの下にいるけど、そこで中国に対抗する、反中的な態度を取ったり
そういう言質を言ったりする事自体が一種の偽のナショナリズムに嵌り込んでいく事
であって、真のナショナリズムと言う事であるなら、それは現在日本を上から抑えて
いるアメリカから自立、独立を勝ち取って行く と言う事でなければならない。
だから東アジアに平和のシステムを構築して行くという風な方向を、本来なら目指す
べきなんだ。じゃあどうしたらそんな事ができるのかと言うと、技術的に何が必要か
と言えば、勿論20年前から私が唱えている様に、独立の手段を持たなきゃならない。
自立の手段を持たなきゃならない。それは 何か。
日本は中立の立場に立った上で核兵器を所有して、しかもそれを平和の為の抑止手段
として持つ事で初めてそれ無しには実現できない事だけど、日本はそう言うアメリカ
の道具になるのではなく、アジアの中で日本なりの立場を取りながら平和構築をする
と言うか、そういう事を 私はやはり申し上げたいと思います。
意地を張った、溜飲下ろしの何か自己満足のナショナリズムに浸ってる場合じゃない
ということが言いたいわけです。
中国に理解させなきゃ、それは中国に対して向かって攻撃的に敵体的に核兵器を持つ
のではなく、日本からアメリカに去って貰う、出て行って貰う為に核兵器が必要なん
だと言う事を中国に理解させるようにするのがいいでしょうと。
中国人から言っても悪い話じゃないんじゃないかと。日本が核兵器を攻撃的な意図を
持っている訳ではないので平和国家で、しかし核兵器の抑止力を持ってると。
でアメリカは遠ざってくれると。中国にとっても悪くない話だけど、自分がもし中国の
リーダー、指導者であれば、興味を持つけどね。とおしゃっています。
H:はい。ありがとうございます。と言う事で今回はエマニュエル・トッドさんの緊急
インタビューをお送りしました。通訳は堀さんでした。 ありがとうございました。











