筆が乗ってきましたので、続いて書いてしまいます。(‐^▽^‐)



徒然マーケティング日記


「冴子先生は?」・・・という某女性(面倒なので名前を明かしますが、小島さんとおっしゃいます)の発言があり、現場スタッフの気持ちは一つに固まりました。「冴子先生で行こう!」と。しかしながら、会社ってのは現場の乗りで動かせるような甘いものではありません。しかも、「冴子先生を復活」させ、「日本全国でセミナーやイベントをさせて」、「2010人達成するまでのプロセスをSNSで情報発信する」・・・という、弊社では前例のないようなプランです。まず我々が乗り越えなければいけない課題は、いかに経営層の承認を得るかでした。


それから数日かけて、マーケティングプランを詳細に詰めていく作業が行われました。宣伝、広報、リサーチ、RM(Relation Marketing)、そしてSNSのエキスパート達が集まり、プロモーションの骨格(Objective, Strategy, Goal, KPIなど)が急速に決まっていきます。そのような論理的な部分はスムーズに進んでいったのですが、むしろ激論があったのは、「冴子先生のキャラクター設定」でした。


「本当に冴子先生を実写化しちゃって、いいんでしたっけ?」


プロモーションを根底からひっくり返すような問題にブチ当たったのです。皆さんもご経験があると思うのですが、大好きなマンガやアニメが実写でドラマになった時の失望感。我々のターゲットとするインフルエンサー(≒冴子先生をよくご存じの方々)に失望を与えてしまえば、このプロモーションは大失敗なのです。これだけは絶対に避けなければいいけないということになりました。では具体的にどうしたか? 「冴子先生を実写化」ではなく、まったく新しい人物像を作ろうということになったんです。そこで誕生したのが、「冴子先生2010」なのです。冴子先生に憧れて、Office 2010のイメージキャラクターに就任した若い女性。一人前になるべく日々努力をし、その成長する過程を皆さんに応援していただく。そんな思いを込めて、「冴子先生2010」を設定しました。


そして2月のある日、最大の難関である,本部長レビューに臨んだのです。


続きはまた。


さて、早速ですが、冴子先生プロジェクト の裏側について話をしていきましょう。


2009年10月22日にWindows 7 がラウンチし、Windows史上に金字塔を残すぐらいの大成功を収めました。最悪とも言える市場環境の下,しかもこれまで例のないぐらいの低マーケティング予算の中での大成功です。刺激を受けない訳がありません。Microsoft OfficeはWindowsと双璧をなす弊社の看板製品ですし、何よりワタクシはOfficeに異動する前は、6年間,Windowsの製品担当だったんです。元同僚に、「おめでとう!」と祝福すると同時に、「絶対に負けない。Office 2010では、もっとすごい結果を出してやる!」...と心に誓った訳です。


ワタクシはOffice 2010のコンシューマー向けのラウンチプランを作る立場にありました。通常コンシューマー向けのラウンチと言いますと、億単位のお金を使って華々しくブロードリーチをします。しかしながら、このような市況ですので、潤沢なマーケティング予算などある訳がありません。限られた予算、人、そして時間の中で、何が出来るのか、何をすべきか。毎晩毎晩ディスカッションを重ねて、以下の方針を決めました。


①ターゲットユーザーは、インフルエンサー。分かりやすく言えば、長年Microsoft Officeを愛用していただいており、かつ周りの方に影響力を持つような方。

②ターゲットユーザーに、オフラインでOffice 2010の魅力をご理解いただく。そのために、Face to Faceのセミナーやイベントを数多く行う。

③オンラインでOffice 2010の魅力を伝える。オフラインでいただいたHappy Voiceを、SNSを最大限に活用して大きくしていく。


方針は決まりましたが、難しかったのは、②と③を、いかにインテグレーションさせるかでした。正直申し上げますと、ここで数週間悩んだのですが、ある日偶然に見た深夜番組からヒントが浮かんだのです。よく、「電波少年でしょ?」と言われるのですが、そうではありません。ワタクシにヒントを与えてくれたのは、「ロケミツ 」という番組です。(余談ではありますが、これを見抜いたのは、冴子先生2010役を担当してくれたKazumi さんのみです。彼女は本当に賢いんですよ)


そこからは一気にプランを書き上げました。「Office 2010」の「2010」に拘りたかったので、プロモーションのタイトルは「2010人、Officeの旅」と決定ニコニコ  プロモーションのシンボルとなるキャラクターを設定し、彼女(彼)が日本全国を旅してセミナーやイベントを行い、Office 2010の魅力を伝えていく。彼女(彼)は度重なるプロデューサーの妨害にも負けず、日々成長しながらMissionを達成していく。そしてその模様をオンラインでリアルタイムにお伝えし、そこからOffice 2010の魅力をお伝えしていく・・・というものでした。


プロモーションのフレームワークは決まったのですが、肝心要の、プロモーションの顔となるシンボルは誰にするんだ。そこでまた紆余曲折があったのです。


「タレントはどうだ?」

「そんな金はない」


「前に広告で使った仮面ライダーとかバナナマンは?」

「だから金はない」


「キレイなモデルのお姉さんでは?」

「面白くない」


・・・そんな議論が夜中まで続いたのですが、皆一様に疲弊している中,ある女性が一言,こう言ったんです。


「冴子先生は?」 


この瞬間こそが、冴子先生プロジェクトのスタートと言っていいでしょう。

それは、冷え込みの厳しい、2月の深夜のことでした。


では、続きはまた明日。


ワタクシ、Microsoft Officeの製品マーケティング担当をしております。

社内用語で言えば、「プロダクトマネージャー」。略称「PM」です。


・・・これだけ書いても、何をしているのかさっぱり分からない・・・という方が続出でしょう(^▽^;)

ざっくり言えば、こんな感じでしょうか?


・Microsoft Officeに関する製品マーケティング業務全般を担当しています。

・開発や営業、オペレーション部門など、そしてマイクロソフト本社と協力しながら、①よりよい製品をご提供し(Product)、②製品の需要を最大限に高め(Promotion)、③パートナー様と密に連携し(Place)、製品の普及活動をしています。

・売上だけでなく、販売ユニット数、市場シェア、お客様の満足度など、いろんな指標を考慮しつつ、日々の活動を行っています。


まー、そのような前置きはどうでもいいとして、つい先日,Microsoft Office 2010をラウンチいたしました祝日

マーケティングの観点から、どのようなことが社内外で起こっていったのか、公開できる範囲で書いていきたいと思います。


次回以降は、たぶん皆さんが一番ご興味を持たれている点。「冴子先生プロジェクト 」について、言及して参ります。