ゲームとは感動体験である
そう考えるゆえに、高価なVR機器を購入してまでVRゲームを好んで勤しむブログ主。
ようやくPSVR2を買ったので、このゲームで遊びます。
どーん!
Horizon call of the mountain!
Horizonシリーズは文明が崩壊したあとの大自然に、機械獣がうろつく過酷な世界を舞台にしたオープンワールドアクションゲームだ。
美男美女がまったくでないせいか日本ではマイナーだが、なんだかんだでプレステの看板タイトルの一つになっている。
私は初代を序盤だけ遊んだことがあるが、オープンワールド(迷子)+素材収集+ステルスゲー+おつかいサブクエスト盛沢山+スキル開放制+イベントごとに長々と入る綺麗なムービー、で怒涛のめんどくささに襲われ、ハマることなく中断してしまった。
しかし一方で「自分の好みは別にして、非常に完成度の高いゲームには違いない」とも思っていたものだ。
そして、今回ソニーはこのホライゾンの世界を題材にしたゲームをPSVR2発売と同時にトップバッターとして出してきたのである。
つまり、アストロボットやライアンマークスのときのようなソニーの本気が見れるはず。
加えてホライゾンの世界をVRにできたら、それは文句なくすごいゲームになるだろう。
実際世のVRゲーマーたちはプロモーションビデオの時点で大騒ぎだった。
「こんな精細なグラフィックをVRで本当に体験できるのか!!?」と。
日頃VRゲームに勤しむ彼らだからこそ、現地点におけるその限界をよくわかっている。
よってホライゾンにはまり切らなかったブログ主であっても、このゲームには興味があったし、PSVR2を買ったら必ずプレイするタイトルと決めていたものであった。
迷わず同梱版を買ってプレイ開始!
◇ストーリー概要
主人公レイアスくんは罪人。しかし仮釈放される。
機械の群れが人里を襲撃する不可解な事件が起こり、レイアスの兄がその原因を突き止めるために旅立つが行方不明となる。彼の行った道は普通の人間にはとても登れないような険しい崖。
そこで兄に劣らないクライミングスキルを持つ主人公レイアスが、恩赦をちらつかされて駆り出されたのだ。
行方を遮るのは絶望的な岩壁と危険な機械獣!
◇山登り
ゲームのメイン。
左右のコントローラーを持った手を実際に動かして、岩壁をよじ登ったり、蔦にぶら下がったりして進んで行く。
例の機能によりボタンが固くなるので、現実にある程度握力を消耗する。
疲れて手を離そうものなら落下死というわけ。
クライミングの様子がリアルだったり革新的だったりするわけではないのだが、PSVR2のグラフィックにより雄大な景色を眺めることができる。
ん、まあ、手を離すと死ぬ状況なんだけど、余裕があれは景色を堪能しよう。
滝が美しすぎる~
この雲やばくね? 実写?え?
山を裂くほど巨大な機械獣の残骸⋯⋯
なんですか、ここ。天国へのロープ?
他にも機械獣の残骸とか、そびえたつ鉄骨とか非現実的なクライミング体験が可能
超綺麗な氷の壁~♡
と、思ってたらピッケルで登らされました⋯⋯
ピッケルを使うのはちょっとムズイ。
手首が大きく動くと刺さった部分がえぐれるように、ボコっと外れてしまうからだ。
これがなかなか慣れず、最初のうちは理解不能のうちに落下死する恐怖におびえていたし、慣れてからも緊迫感がつきまとった。そして実際に一度やらかして落下したことまである!
幸い、即座にもう一度ピッケルを突き刺してとどまることができたが⋯⋯
一番きつかったのは天道の槍!
画面中央にそびえる、虫に食われたタケノコみたいな山!
「登ろうとする奴に人権はない」と言わんばかりのキツさ⋯⋯
途中の平たいとこで休憩して、お茶がぶ飲み&キャラメル食いまくってカロリー補給したぞ。
まあ、でも景色はすごくいいんですわ。
だから登ってよかったな、と思える。
てなわけで景色を見るのは楽しいのだが
下は見ない方がいい。最初はまだマシなんだけど、だんだんマジで下を見るのが怖い高さになっていく。
ここ大事!
怖い! とリアルに体験できるゲームなんてそうそうない。
VRゲーム、それも迫力のグラフィックを誇る本作ならではの面白さだ。
先述の腕を動かし握力も使う仕様ゆえ、「あ~上ったなぁ」と心地よい疲労に酔いしれることもできる。
このリアルな満足感の虜になった私は、高い壁やそびえる鉄骨にわくわくして突撃するようになってしまった。
◇戦闘
山登りの途中、要所要所で機械獣との戦闘が行われる。
機械獣のグラフィックの緻密さ、緊迫感、弓矢のリアルな操作性、どれをとってもお見事!
これだけの戦闘シーンが味わえるVRゲームは、そうそうないのでは。
我々がかつて存在しなかったものを体験しているのかもしれない!!!
特に弓のリアルな操作は燃える。
左手を肩にやって弓を握り、右手を肩にやって背中に背負っているであろう矢筒から矢を抜き出す。それを弓につがえて弦を引き絞り発射!!
狙いの際はリアルな弓でやるように撃つ必要がある。
つがえた矢と視線がなるべく平行になるように、上側から可能な限り矢と同じ高さで覗き見て
矢尻の先が目標に向かっていることを確認しながら撃つ。
このとき矢尻や握った手で目標の姿を覆い隠してしまっては元も子もないので、ちゃんと相手の姿が確認できる握り方、狙い方を心掛ける。
ボタン操作とか覚える必要なくて、現実でやるのと同じ動きをすればいいだけなのでとってもラクチンだ。
まあ、若い子は「エイムが表示されないから狙えない」と言ったり、「矢筒」というものが存在することを理解できなくて矢をつがえるのに四苦八苦したりするみたいだけど⋯⋯
ただ、言っとくとVRゲームとはそういうものだ。
ゲームをプレイしてるんじゃない、現実だと思え。
お前自身がゲームになるんだよ!
一方で、ちゃんと現実の弓よりもラクチンなようになっている。
命中に補正が入るのか、多少ズレても当たってくれる。遠距離から弱点を撃ち抜くことも可能。
狩人の本能と言うお助け機能があり、機械獣の弱点を看破できるのでシリーズ未経験者でも安心。
最初こそ、機械獣の迫力にてんやわんやだったが、落ち着いて戦えば戦闘の難易度はさして高くないと気が付く。アクションゲームが苦手な人でも果敢に挑んでみてほしい。
ウォッチャーから身を隠すステルスアクションもある
スクラッパーは最初の壁。
思えば本編のゲームを最初に遊んだときも、「慣れてきたぞ~」ってころにコイツが現れて遠距離ビームをぶっぱなし、ぎゃーぎゃー逃げ帰ったんだった⋯⋯
熾烈な攻撃をしかけてくるサンダージョー。
体力も激たかで、ストームバードと並んで多分二大強ボス。
なのに中盤に出てくる詐欺!
すべてを焼き尽くすベロウバック!!
だが、俺はサンダージョーを倒した男。
そう思えば、臆せず立ち向かえるというもの。
ストームバードも強敵。
攻撃範囲が分かりづらい!!
クマさんは⋯⋯
ラスボスの割にはそんなに⋯⋯
挙動が素直なんだよね⋯⋯
◇その他のお楽しみ
初代PSVRの代表作の一つ、ライアンマークスでやりこみ要素として存在した「的」と「収集物」が今作でも存在している。
「的」は道中にいくつも存在し、ゲーム内に存在する全てを撃ち抜けばトロフィーがもらえる。隠すように配置されている場合もあるので一筋縄ではいかない。
「収集物」はコレクションアイテムだ。ホライゾンのゲームなので、当然アイテムもホライゾンの世界に準じたものである。ウォッチャーのレンズとか。シリーズのファンならニヤリとすること請け合い。
どちらも、ポケモン図鑑埋めるような地道な快感を好む人にはうれしい要素だ。
他に、絵具があってお絵描きができる場所もあるし
マラカスやタンバリンがあると、ついつい音楽を奏でてしまう
訓練所にはすべての楽器がそろっている。
需要をわかってらっしゃる
ほかに、石を積んで自分が来た証を残す「ケルン作り」も楽しい。
苦労して登ったんだから!
証残さなきゃ損!損!
◇レイアスの気持ち
彼は先の部族間の戦争において、いわば「許され難い残酷な行いをした負けた指導者」の側についてしまったらしい。
理由は父がその指導者の配下だったから流れで、ということのようだ。
それゆえに罪人としてとらえられていたのだろう。
彼自身は下っ端の構成員で戦いの相手はもっぱら機械だったらしく、直接虐殺行為に手を染めたわけではなかったが、今回の旅で自分たちの一派が行った殺戮の痕跡を見て、気にかけていた。
そして機械の群れの襲撃はその際に恨みをもった人物による人為的なもの。
加えて兄の行方不明も、その犯人に仲間を大勢殺されたゆえの復讐のためだった。兄は一族の英雄的な立場で、そのような行為は名誉を損なうものであったため、止められないように単独で行動していたのである。
ようやく兄を見つけてその由を知ったレイアス。
兄の復讐をやめさせようとする。
罪人としてとらわれていた彼だからこそ、名誉を失う事の辛さを知っている。
兄は自分と違い、皆が心配し帰りを待っている。
彼の命を名誉を守るのだ。
いつしか彼はこの任務を贖罪の旅として希望を見出すようになっていた⋯⋯
物語の最後に彼がとる行動も、生きて罪を償ってほしいという思いから、とっさに行ったものなのだろう⋯⋯
◇クリア後
収集物を集めたり、的当てをしたり、分岐の道で行かなかった方向へ行ってみたり、暁の門でブレイザーを倒したり
いろいろとできることがある。
フロストベロウバックなんて亜種もいたのね。
ブログ主はクライミングにはまったので、「レジェンダリークライム」をすべて達成して終えることにした。
スクラッパーを倒すクエスト。
そのスクラッパー撃破してアイテムなんかを回収した後にだけ行けるようになる、隠しのようなルートで登れる場所があるのだ。
なんか偉そうな人の岩山のような石像!
これが最後のクライミング。
景色を味わいつつ、手元の岩の質感や、木々のリアルさもかみしめて⋯⋯
登頂すると、そこには収集物が。
古代の兜。
うんうん、ご褒美あるとうれしいよね♪
景色もなかなかよさげ。
グラフィック、アクションは文句なし!
欠点は、やや酔いやすいゲームなこと。
長いクライミングは人を選ぶかもしれませんが、魅力がわかればハマるはず。
鳥が飛び、草木が揺れ、機械獣が跋扈する厳しい自然を肌身で感じることができる。
美人ではないが、強気なハーミさんがだんだんデレにシフトしていくのは、やはりうれしい。
マフィアが殺し合っていたライアンマークスと違い、暴力的表現が弱めなので万人向け。
PSVR2を買ったなら、是非ともプレイしてみてほしいソフトだ。
どれだけ神ゲーであっても、従来のゲームでこの興奮は味わえない。
信じがたいほどの感動体験、ありがとうございました。