いまの小売店で学んだことは時間を最大限に使うことである。
退社時間の15分でやることは、通常の時間帯で行う一時間分の仕事をしている。もちろん、長く勤務しているうちに、こんな瞬発力の訓練が行き届いてくる。
PRODUCE部門、つまり、農産物部門(野菜・果物)は終業間際30分でこの瞬発力を出すか出さないかで効率は違ってくる。いままでのモノ書きでも、締め切るが近づくと、このような状況は似ているが、印刷工場に電話をかけて、10分、15分の延長を何回かしてもらうことが可能だが、この店の方は終店になれば、電灯がすぐに切られてしまうので、それまでに、仕事を終えねばならない。
ともあれ、このような瞬発終了が毎日であるから、小売の人間はいつも浮き足立っている。一昨日は終了間際に、オニオン1袋、それに突然、気づいたキャベツ4個のリパックで、セクションを去った。次の朝に、代行マネジャー格のMR.LEEが小生にクレームをつけた。というのは、パック・マシンのスイッチを切るのを忘れたからである。4個のキャベツを再生させるために要した12時間の電熱器の電気消費は、比較にならないコスト高である。
仕事量、時間、商品の選択と、コストを軽減させる目的以外のなにものでもない。とすれば、このような失策は有効な仕事とはいえない。このような仕事の加重に、、マルクスがいうような「搾取」をいいたてることはできない。これをやって、企業は仕事を回しているし、利益を上げていく。
その道、20年のMR.LEEはいまは75歳、もと大工であったという。まあ、軍隊でいうと「万年上等兵」みたいな役割である。昨日は朝、仕事をはじめると、MR.LEEはニタニタ笑いながらいう。「昨日しし唐の値段を付けたのはお前か」。「否、しし唐に触れたことはない。また値段付けをしたことはない」と応える。しかし、かれは食い下がる。「いいや、おまえに違いない。きのうはお前に以外に値段をつけられるものはいなかった」と。
小生は心のなかで、MR.LEEのイジメを考える。働きはじめて、二年を越えて、仕事の概括はほとんど分かるが、あとは速度が要求されている。これは一時間かかるものを30分でやるような要求である。現実に、MGRやMR.LEEのやり具合をみていると、小生の仕事は遅い。これにMGRは不満をもっている。そこで、MR.LEEがMGR代行として、「シゴキ」の役割をもって、シコシコと小生の失策をせめてくる。
ともあれ、しし唐にはぜんぜん記憶がない。しかし、ラップした記憶はあるが。はてな?と考える。
とにかく、さいきんは自分のメモリーに自信を喪失している。疲れてくると、思考力は低下するし、思考する余力はなくなる。しかし、小生は元来、メモリーがさほど強いといえない。とりわけ、60歳の声を聞いて、物忘れと「思考錯誤」を経験するが多い。
小生のワイフは「話をWEAVINGする」といっておこる。細切れに聞き込んだ話を元に、「~あったのか」と聞くと、「いったい、そんな話はどこからでてきたのか」とプンプンと怒る。
7月4日のインディペンデス・デーに、ELLENがバッテリー・パークの某所に一席$18ドルで、家族用観覧シーツを予約した――という話。したがって、当日、小生は除外されている。小売に休日はない。仕事から帰って、家に着くと、なんと、みんな家にいるではないか。ワイフに尋ねると、「なんの話をしているの?」というわけ。たしかに、小生は娘のELLENがだれかと「花火」「地下鉄」「$18ドル」「○○パークにて」などなど「垣間きいた」のだが。
小生は母親がアルツハイマーであったのを気にしている。「明日の記憶」の兆候なのかもしれない。
