現場に到着すると、ビデオを見て簡単な説明を受けたあと、コザの上で飛び出す練習を少しやって準備終了です。
あとは、服を着替え順番がくるのを待ちます。
上空には、ヘリで上がるのですが、パイロット含めて7人搭乗できるので、私のときは、私ともう一人のゲスト、インストラクター2人、カメラマンの6人が乗り込みスタート。
飛び立つと、あっという間に上空3,300m。
いよいよ、その瞬間が近づきます。
とびらが開き、まずもう一人のゲストが飛び出します。
続いて、自分の番です。
上空、3,300mから地上をのぞいて、「エイ、ヤー」と勇気を振り絞ってジャンプー!
と思いきや。
そんなことを考えている暇もなく、とびらに近づき、ヘリのバーに足をかけたかと思うと、すぐに飛び出していました。
私の体は、あまりにも、あっけなく上空を飛んでいました。
自分の想像した決断の瞬間はそこにはありませんでした。
それでは、決断の瞬間はどこにあったのでしょうか?
それは、スカイダイビングの申し込みをした1ヶ月以上前にあったのです。
申し込み時点で、
「私はスカイダイビングをする!」
と決断したのならば、あとは
「いかにスカイダイビングをすることを達成するか?」
ということに、焦点を合わせます。
途中、決断を変更できる機会はありますが、決して、
「本当にスカイダイビングするのか?」
ということは考えません。
ましてや、上空3,300mで
「よくよく考えたらスカイダイビングすることをやめます」
なんてことはありえないのです。
一度決めたことを
「本当に、この決断でよかったのだろうか?」
となんども考え直したりしていませんか?
それは、時間のムダです。
経営における決断もこれとおなじです。
・新しい事業を始める。
・新商品を開発する。
・不採算事業から撤退する。
などなど、経営においてはたくさんの決定をします。
これらの決断を行うにはじっくり時間をかけることが必要です。
しかし、一度決めたらあとは徹底的に実行します。
特に、再生企業では一度決めた方針がぐらつくと再生自体が頓挫します。
ヘリのとびらが開くと、気づいたら上空を飛んでいたように、一度決断したら、あとは自動的に実行できる仕組みを作るのがいいです。
ちなみに、もうひとつの目的、
パラシュートが開いて落下する経験をする。
は達成されたのでしょうか?
これも、ちゃんと達成されました。
パラシュートを開いても、かなりの沈下速度で、着地するときはフレアーをかけて着地しました。
しかし、グライダーに乗るときにつけているパラシュートはフレアーをかけるような機能はありません。
着地に失敗すると命は助かっても、足の骨を折る危険性があることが分かりました。
これらの経験ができたのは、1ヶ月以上前決断したことの結果です。
本当にすばらしい経験をしました。