清麗戦予選2回戦(渡部愛女流王位vs脇田菜々子女流1級) | 一日一譜アップあっ譜

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第1期ヒューリック杯清麗戦予選2回戦
対局日:2019年2月27日(東京・将棋会館「飛燕」)
先手:渡部愛女流王位(まなちゃん)
後手:脇田菜々子女流1級(わきにゃん)
(投了図)

89手まで。先手・愛ちゃんの勝ち。

https://www.shogi.or.jp/match_news/2019/02/120.html?mi=rlt_match

 

先手のまなちゃんは、言わずと知れたタイトルホルダーの1人。清麗戦予選1回戦はタイトルホルダーとして不戦でのアドバンテージの1勝で、この2回戦からの登場。
後手のわきにゃんは、2018年11月に女流2級としてデビュー、今年に入り2月6日に女流名人戦予選準決勝で山口絵美菜女流1級を破り女流名人戦決勝進出で女流1級への昇級を決めたところ。清麗戦予選1回戦は和田あき女流初段に勝って、この2回戦に臨んでいる。

両者は今回が初手合い。

 

①36手目(△5三角打):わずかだが先手に形勢が傾く

後手が34手目(△8六歩)と飛車先の歩を突き、▲同歩と応じたのがこの局面。
これに対し、後手は△5三角打と自陣角、飛車取りと△8六銀への進出とを睨んだ積極的な手。しかし、技巧は、ここで△5二銀と右金の活用を推奨している。ここで若干先手に形勢が傾いた模様。

②40手目(△8五同飛):後手がチャンスを逃す

△5三角打に対し、▲5六飛と飛車を逃げたのに対し、△8六銀と進出。これに先手は39手目(▲8五歩)と後手の飛車の利きを止めにいった局面。
ここで、後手は8五同飛と打ち下ろされた歩を直ちにとったが、局後の検討では、△7七銀成の方が優ったとのこと。以下、▲7七同桂、△7六歩、▲7六同飛、△7五銀と進み、
(a)▲5六飛には、
△7六歩、▲6五桂に、△6二角で、△9五角の王手と△6四歩の桂取りがあって、これは採用できず

(b)▲6五桂と跳ね
△7六銀、▲5三桂不成、△3一玉、▲6一桂成、△2一玉、▲5三角と進むが「△8九飛~△7七歩の攻めが残っていますし、あまり自信がなかったです」というのが、まなちゃんコメント。
技巧の読み筋は△7七銀成(86)に対し、
▲同桂(89)△3一玉(41)▲6五銀打△5五歩(54)▲同飛(56)△4二角(53)▲5六飛(55)△5五歩打▲4六飛(56)△8六歩打▲7四銀(65)△4五桂(33)▲5四角打△7六歩打▲同角(54)△5七桂成(45)▲同金(48)△2四角(42)▲2六飛(46)△3五角(24)▲2八飛(26)△7五銀打▲5四角(76)△7六歩打▲6五桂(77)△8七歩成(86)▲同金(78)
先に△3一玉と逃げてしまうところがおもしろい。

 

③52手目(△8二同飛):先手勝勢に。

51手目(▲8二角打)の局面で、後手は同飛と「決断の一着。角に働きの差が出ては勝てないと判断したのだろうか。だが、飛車を渡すのもリスクが伴う。」(携帯中継コメント)
技巧はこの手を悪手と評価、その読み筋は、
△7五飛(72)▲7六銀(65)△7四飛(75)▲9一角成(82)△3五歩(34)▲2六飛(36)△7三桂(81)▲8二歩成(83)△3六歩(35)▲同飛(26)△7五歩打▲8五銀(76)△7七銀成(86)▲同桂(89)△8五桂(73)▲同桂(77)△7六歩(75)▲8八銀打△3五歩打▲2六飛(36)△3二玉(41)▲9二馬(91)△2四飛(74)▲同飛(26)△8六角(53)▲7七歩打△2四歩(23)▲3四桂打。

ここで一気に形勢は開き、この後、89手目まで進んで、わきにゃん投了。

まなちゃんはこれでアドバンテージの1勝も含め清麗戦予選は2勝、清麗戦初代タイトルに向けて幸先の良いスタート(たって、まだ先は長いが.…)。今年は、女流王位のタイトル防衛、さらには、複数タイトル戴冠に向けて活躍してほしい。
わきにゃんには不本意な1局だったと思うが、清麗戦予選は1勝1敗に。女流名人戦予選決勝戦(鈴木環奈女流二段との対局)が来週に控えているとのことなので頑張ってほしい。
https://twitter.com/natsu9737/status/1100658766050033665

なお、まなちゃんの方も岩根忍女流三段との女流名人戦予選決勝を控えてるらしい。

https://www.shogi.or.jp/match/jo_meijin/2019/46yosen.html

昨年は女流王位に傾注して女流名人リーグからは陥落したが、ぜひ即復帰と願いたい。そしてその勢いでタイトル奪取してくれたらウレシイ限りである。