世界金融市場、最近の変動に上手く対処=BIS中銀総裁会議 | 思い出す秋の日

世界金融市場、最近の変動に上手く対処=BIS中銀総裁会議

[バーゼル(スイス) 11日 ロイター] 当地で11日開催された国際決済銀行(BIS)定例中央銀行総裁会議では、世界の金融市場は最近の変動に上手く対処したと評価する一方、全般に健全な世界経済成長にとってリスクは依然残っているとの認識が示された。
 同会議は11─12日の2日間にわたり、世界経済の見通しやリスクなどについて協議する。 
 世界の株式市場は、中国株の急落に始まった世界株安や米経済成長減速への懸念を背景に資金が安全な資産に集中した最近の変動からある程度回復したものの、9日時点では世界株安が始まる2月26日に比べ依然として約4%安い水準。 
 アルゼンチン中央銀行のレドラド総裁は記者団に対し、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)判断で市場がより現実的にリスクを織り込んだと指摘。
 世界市場は、先進国の経済見通しを損なう可能性のあるボラティリティーに備えているようだが、これまでの動きは欧米経済に影響を及ぼすほど大きいものではないと指摘。ただ「いくつかの懸念は残っている」と述べ、米サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手への住宅融資)市場からの余波やデリバティブの反応、それらがヘッジファンドに及ぼす影響などを挙げた。 
 サウジアラビア中銀のアルサヤリ総裁もまた、経済的余波の可能性を指摘。ただ、世界経済は想定以上に良好な状態にあるとの見方を示した。 
 同総裁はロイターとのインタビューで「市場は調整を行い損失の一部を回復した。ただ、不透明性からは脱却しておらず、警戒する必要がある」と述べた。また「世界経済は、3カ月前に皆が予想したよりも良好な状態にある。ただ、金融市場の動向は注視されるべきだ」と語った。
 日銀の福井総裁は11日、最近の市場の変動について懸念しているかとの質問に対し、コメントを控えた。
 <世界経済は健全>
 世界の経済成長は約30年ぶりの堅調さを示しており、中銀総裁らはこれにより市場はショックに耐え得るほどの良好な状態にあると指摘。
 チリ中銀のコルボ総裁は「世界経済は、特に欧州と日本で、依然極めて力強い成長を示している」と語った。ただ、ある程度のリスクがあるとも指摘した。
 メキシコ中銀のオルティス総裁は、メキシコをはじめとする新興国市場は、最近の市場の変動にとりわけ上手く対処したと述べた。
 中国人民銀行(中央銀行)の周小川・総裁は同会議に出席しなかったが、呉暁霊・副総裁は中国の外貨準備の運用方法として米国債の購入を続ける方針を明らかにした。 


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