2020/02/19

 

Kはこの日、姉に電話した。

もちろん今の状況を相談するためだ。

 

実はKの姉は、臨床心理士だ。

Kのような人からもっと症状の重い人まで、仕事として接してきているのだ。

でもKからすれば、小さなころから一緒に過ごしてきた姉だ。

相談すること自体が恥ずかしい。そんな思いがあったようだ。

それでも、前に進むため恥を捨て電話をかけた。

 

K「職場で毎日、詰められることが辛かった。転職したい気持ちがあるんよ…」

 

これまでの経緯や、今の気持ちをゆっくりと姉に打ち明けた。

姉はKの話を全て聞いた後に、こう尋ねた。

 

姉「Kはどうしたいの?」

 

K「転職したい気持ちが強い」

 

姉「Kがそうしないのは、何かが邪魔してるの?」

 

K「彼女の期待や親の想いがあるから…」

 

姉「彼女の期待に応えたいの?」

 

K「応えたい気持ちはあるけど、最後は自分の気持ちを優先したい」

 

姉「だったら彼女にそのまま伝えたらいいよ。姉ちゃんもKの話を聞くと、転職に向かってもいいと思うよ」

姉「ただ、決めたらちゃんと動かないといけないよ」

姉「収入を得るということは本当に大事。でもKが健康に働くことができるということが一番大事なこと。それが一番の安定だよ」

 

Kの気持ちは本当に晴れやかな気持ちになった。

初めて、やめることを前向きにとらえてくれる人が出たこと、

それでもいいんだという安心感。

これが、世間的に見てどうなのかは知らない。

それでも、これでいいと思える気がすること。

 

これでKも前に進めればいいなぁ。

 

おしまい

2020/2/18

 

この日Kは、両親とこれからのことを一緒に話すつもりだ。

 

自分としては、転職のほうに心が揺れているということ。

職場に戻ることが自分としては、とてもきついこと。

彼女は、戻ってほしいと思っていること。

 

これらのことを、食卓を囲みながら伝えた。

Kは今、実家で両親と一緒に暮らしている。

働いてもいない状態で、ごはんやお風呂、生活費を出してもらっている状態だ。

こんなに甘えっぱなしで情けない・・・Kもそう感じている。

 

Kは両親に今の状況を伝えた。

父の意見は、一度戻ってみないと分からないのではないかということ。

 

父「課長が味方だし、雰囲気は変わっていると思うぞ。3カ月死に物狂いでやってみる価値はあるんじゃないか」

 

この言葉が、Kの心に大きな大きなプレッシャーとなった。

職場で直接的な原因となった、上司と顔を合わせること。

あのピリついた雰囲気の中にもう一度身を置くこと。

職場の人に後ろ指をさされながら、仕事に臨むこと。

 

この恐怖が、瞬く間にKの心を覆ってしまうのだ。

 

K「もう一回よく考える」

 

そう言ったものの、心の中ではもっと温かい職場、働きやすい職場があるんじゃないかという気持ちでいっぱいだった…。

 

そしてKはふと気が付いた。

 

「こんなに家族と真剣に話ができたのは、休職してから初めてだったな…」

 

もっと早く話しておけばよかった。

そう思いながら、眠りにつくKだった。

 

おしまい。

 

 

 

 

 

2020/02/17

 

Kは、彼女の仕事終わりに18時ころから合流。

これからの仕事の話を彼女としようと、約束を取り付けたようだ。

 

二人で軽くうどんを平らげた後に、近くのカフェに入店した。

コーヒーか来たタイミングで、いよいよKは切り出した。

 

「まだどっちかはっきり決まったわけじゃないど、転職する方向に気持ちが動いてる」

 

Kはこう切り出すと、彼女に理由を話し始めた。

 

その内容を要約するとこうだ。

 

・復職した場合、病休するきっかけになった職場に最低でも3カ月は滞在する必要があり、

直接的な大きな原因となった上司と一緒に仕事をしないといけない。

さらに、それは最低でもであり、2年以上一緒に仕事をしないといけない可能性もある。

その苦痛に耐えきれる自信がない。

 

・職場全体の失敗を許さず、失敗をした人を詰める風潮が自分に合わない。

 

・前の職場の雰囲気はとても好きだった。

 

Kの言葉からは、はっきり言ってポジティブな言葉は出なかった。

 

 

これに対して、彼女の意見はこうだ。

 

・最終的にはKに決めてもらって構わない。ただ、そんなネガティブな理由で転職しても、うまくいく気がしない。

転職しても、そういった嫌な上司はいるものだ。その時は、また転職するのか。

それなら、今だけかもしれない苦難を乗り越えて、今の職場に戻るべきだ。

 

・Kの話を聞いていると、ただ前の職場が良かったと、美化しているだけだ。

 

・私も30歳近く、結婚も考えている。

早く話を進めたいし、4月以降もKが働き始めていないということであれば、私自身、今の仕事に耐えきれる自信もない。

 

 

はっきり言って、意見が対立気味であることは間違いないだろう。

この話を聞いて、Kの心はさらに揺れたようだ。

 

こんな理由で、やめることがいいことではないことはKも重々承知だ。

それでも、心がそっちに動くということは、それが本心なのではないだろうか。

 

この決断まで、あと1週間ほど。がんばれK。

 

おしまい。