<親の関わり方について>

Q:年代別における、子どもの野球参加への親の関わり方についてアドバイスがあればお願いします

A:

・小学生⇒まず父親には直接的な関わりをしてもらうといいと思います。キャッチボールを一緒にしたり、バッティング練習のボールを投げてあげたり。お母さんたちには、万が一(例えば熱中症やケガなど)に備えての準備とその対応をお願いしたいです。

・中学生⇒基本、干渉しない方が良いと思います。親が干渉しすぎると、子供の自立心の発達に影響が出てしまいます。子供自らが考え、決断し、実行する力を養えるよう、干渉しすぎは禁物です。
当院でも、自分の身体については、自分で説明するよう促しますし、自分の身体なのですから、子供自らが理解し、行動することが大切です。

・高校生⇒親の関わりは、この年代になればほとんどありません。食事、くらいでしょうか。栄養あるものを食べさせてあげてください。
 

Q:子どものスポーツ参加における親の重要な役割とは何だと思われますか?
A:何よりも、自立させることですね。干渉が過ぎる保護者の方のお子さんは、往々にして自立ができていないな、という印象を強く持っています。
プレーをする本人の心と体がきちんと育たなければ、いくら技を磨いても上を目指すことはできません。
私は、技、というのは、心と体の土台がしっかりできた上で磨くことができると思っています。
心・技・体はイコールではなく、心・体の上に技があるイメージです。
自分の事は自分でする、というのは基本中の基本です。ケガをしないようにケアを怠らないようにしよう、と思い、きちんとストレッチをし、早く寝よう、などと行動に起こすのも自分です。
保護者の方には、子どもが自ら考え、行動する力がきちんと育つようなサポートをお願いしたいと思います。

<具体的な予防法>
Q:選手のすぐ身近にいる保護者ができる事、を具体的に教えてください。
A:週に1度の簡易チェックをお勧めします。
 ①肘の可動域のチェック(曲げ伸ばし)
 ②肘の面のチェック
 ③肩甲骨のチェック
 ④股関節のチェック
 

Q:これはやはり週1が理想ですか?
A:そうですね。できれば金曜日くらいにチェックして、違和感や痛みなどを訴えるようなら、週末の練習や試合の強度を落とす、というような対応も可能になるでしょう。

Q:チーム全体で取り組めたらいいですね。
A:ジュニア時期、特に小学生の頃はとにかく野球を好きになる、ということが一番の指導目標になるはずです。小学生時期の「楽しい」と、高校生時期の「楽しい」は、同じ「楽しい」という気持ちでも、何に対してそういう気持ちを持つのか、というのは異なります。ジュニア期にあまりにも目の前の勝ちにこだわるあまり、子どもの身体に負担を課し、これからさぁ、勝負というステージで活躍する「楽しさ」を味わえる時期に、肘の故障、肩の故障が原因でプレーができない、というのでは本末転倒です。

Q:トップやより良い選手を目標としている子ども達が、小さいうちからしておいた方が良いことや習慣などはありますか?
A:幼児期や小学生期には色んな運動をさせてあげてください。野球ばかり、ではなく、様々な動きをこの時期には行う方が良いのです。水泳などはお勧めです。
また、運動経験が豊富な子は呑み込みが早いな、と感じます。これまで様々な動きを経験してきているので、こちらがそれほど説明しなくても、身体で理解し、すぐにできるようになります。
逆に、運動経験が少ない子や野球だけしかしてこなかった、という子は、こちらがいくら説明しても理想とする動作の習得に時間がかかります。

Q:色々習わせられたらいいですが、経済的に負担になる、という保護者も多いと思いますし、昔とは違い外で思いっきり体を動かす、というのも難しい地域などもあるかと思います。
A:そうですね。ですから、週末の練習メニューに工夫をするといいのかな、と思います。ジュニア期では、野球のスキルをひたすら練習するのではなく、子どもたちの全体的な身体能力を高めるメニューも中に入れるなど。グローブやバットを使わない練習メニューがあってもいいんですよ。

Q:ケガをしにくい身体作り、として親ができる事などありましたら教えてください。
A:子ども自身が自分の身体を好きになる、ということができるようにしてください。ケガをしにくい体づくりの基本は、「セルフケア」です。自分の身体に子ども自身が敏感になれば、何をすれば良いのか、というのを自分で考えるようになります。

*Best sports parentsを目指して!宣言をお願いします!

年代によって、サポートの方法は違ってくるかと思います。
小学生くらいであれば、ケガや様々な問題、課題に対して一緒に取り組み、乗り越えていくよう支えてあげる。
中学生であれば精神的な成長を促すように自立心を妨げないようなサポートを心がける、ということですね。

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