9月22日 14時頃


キックオフまであと1時間あったが、練習も見たかったのでスタジアムへ向かう。

我々夫婦は早速、買いたてのユニホームに袖を通し高須賀も着るように勧める。

しかし、ジャロロッソ一色の中、アズーロのユニホームを着た日には、よってたかってフルボッコにされる事を知っていたようで、頑なに拒否していた。


そんな他愛もない会話をしながらスタジアムへ向かう。




変な道端に座ったおっさんが、爆竹みたいなのを鳴らして笑っている。

おかしなおっさんやら、応援歌を歌いながら進む物達やら、あきらか観光客まるだしな奴らやら、様々である。


さてさて、いよいよスタジアムの敷地内の橋を渡ろうと足を踏み入れた瞬間、銃を持った屈強な警官隊に止められる。

さすがに焦る。

チケットを見せろ!!的な事を言っているようだ。

しかし、見せようとすると前に、他の警官隊が、そいつらはいい!!みたいな事を言い、事ない終える。

同じように止められた高須賀は、チケットを見せる。

すると、両脇を抱えられブロック!!

何!!

何事!!

毛むくじゃらで、汚い格好をしてるが、そいつは悪い奴じゃないんだ!!

とっさにそう思ったが、英語でもイタリア語でもそれは説明出来ない。

高須賀も何故いれてもらえないのかわかってないらしく、顔が焦っている。

ただ、絶対入れないのはわかったみたいで、ここから先離れ離れになる我々に、終わった後の集合場所を伝えようと一歩踏み出した瞬間、2・3人に取り押さえられる。

この場面を写真におさめれなかった事は、生涯悔いる事になるほどの衝撃だった。

まさに映画のワンシーンの様な危機感を感じさせる高須賀の顔、もう名優としかいいようがない。

そしてこの時には、他の警官の左方向指さしゼスチャーを見ていたので、ラツィオサポーターとローマサポーターが接触しないように入り口を分けているのに気づいていたため、取り押さえながら、必死な形相で集合場所を伝える高須賀がおかしくてしょうがなかった。

しかし、ユニホームを着ててよかった。。。


寂しそうに独り別の入り口へ向かう高須賀を笑顔で送りながら、我々は夢の舞台へ歩を進める。





手配りのフリーペーパーを記念にゲットし、いよいよ入場ゲートだ。

しかし、何度チケットを見ても、どこをどう見ていいのかまったくわからない。

不安を胸に抱いたままチケットを提示。

そして荷物検査。

・・・。

やなりペットボトルはアウトらしい。

指示されたペットボトル置き場には、すでにかなりの量が捨てられている。

ちょっとがんばって飲んでみたが、飲み干せず、もったいないが捨てていく。

気温もちょっと高く、水分補給に少し不安があったが、大量に飲み物を購入した高須賀の無念を思うと、その残念さも笑顔に変わった。

さすがの高須賀もコーラは全部飲めまい!!


で、やっとゲートをくぐって、次はあってるか間違ってるかわからないが、勘で進む方向を決める。


またゲート出現。

次はもうちょっとセキュリティが厳しそうだ。

列に並ぶが、今回もまったくあってるかどうかわからない。

とりあえず、チケットを機会に通せば、回転式の扉が回って中に入れる仕組みになっている。

現地の人は、手馴れた感じでどんどん入って行く。

我々は、2人なのではぐれるわけにはいかない。

そう思うと、どんどん不安になり、一時、列を脱しスタッフに確認する事を選択する。

念には念をである。

ちょっと強引な感じで列を突破し、スタッフの元へ。

チケットを見せ、機会を指さし、OK?と聞いてみる。

どうやらOKらしく、安心して進む。

第二関門突破だ。


そして程なく進むと、チケットのこの数字の方はこちら!的な矢印を発見。

その通り進んで行く。

すると、きっちりスーツを着こなしたお世話係り的お兄さんがいたので、念のため道を確認する。

どうやら間違いなさそうだ。

スタジアムの敷地内に入って、迷いながら歩き、30分を過ぎたぐらいでやっとスタジアムの中へ。

おそらくここからだろうと思われるゲートでサイドチケットをスタッフに提示する。

めちゃくちゃ愛想が悪いが、どうやらあってるらしい。






せっかくなので、最前列からちょっと練習を見学。

試合開始まであと約30分。

念のため余裕を持って行動したいので、練習見学をそこそこに、トイレを済まし、ドリンク購入へ向かう。


トイレを済まし売店でドリンクを買うため向かうと、日本人の先客が。

ペットボトルそのままはダメなの?的なことをボディランゲージを交えて聞いている。

売店のおばちゃんもボディランゲージを交え、スタジアム内に投げ込まれたら危ないからダメなんだよ!

的な事を説明していた。


さて、ドリンクも買ったし、席に戻ろうと来た道を戻っていると、スタッフにチケットを見せろ!と言われる。

めんどくせえなぁと思いながらもポケットから出し、見せる。

そしたら驚く事に、ここからは入れない!と言われる。

なんだってぇ!!!!

一応、さっきここを通ってきたぜ!的な事を片言の英語で伝えたがまったく聞き入れてもらえず、いったん外に出てまわり道して行く。

行きはよいよい帰りはこわい。とはこの事か!!世界共通!!


で、もう一度同じゲートへ行くと、ここじゃない向こうだ!的な事を言われる。

ん?さっきここから入ったよね!?っと思ったけどまったく取り合ってもらえず他のゲートへ。

これは困った事になった。まったく対処方がわからん!!


とりあえず違うゲートに行ってみる。

そこでは、学生風のメガネ女子が丁寧に対応してくれた。

しばらくイタリア語で説明し、どうやらわかってないなと思ったのか、イングリッシュOK?と聞いてきた。

イタリア語よりは多少出来ると思い、OK!と返答すると、めちゃくちゃペラペラと英語で説明された。

片言でくるかと思いきや、語学力を誇示せんばかりのその説明にまったくついていけず、1分ぐらい説明してくれたが、最初の5秒で聞き取る事を諦めていたので早くやめて欲しかった。

とりあえずそのユニホームを脱げ的な事を言われた気がして、ユニホームを脱いで、OK!Grazie!!と言いその場を去る。

まったくもって不可解だ。

さっきは入れたのに入れなくなるは、ユニホームを脱げと言われるは、謎が多すぎる。

もしかして、ローマ側のチケットと思っていたが、実はラツィオ側だったんじゃ!?と思い、結構戻って、スーツのお兄さんにもう一度確かめる。

指差す方向はあっている。

いったい何が違うのだろう。。。

そうするうちに試合開始時刻がどんどん近づいてくる。

スタジアムには、スタメン選手がコールされ、ブーイングや歓声などが聞こえ、焦りが高まってくる。

まったくもって不可解だ。

もうなすすべを失った。

一応、奥さんは黙ってついて来てくれているが、打開策が見当たらずとてつもなく苦しい時間帯が続く。

だが、夢を目前に諦めるわけにもいかず、もう一度、最初入れて登場ゲートに進む。


試合がとうとう始まったらしく、チケット確認のスタッフの愛想もなかなか悪い。

三度みせると、なんと入れた。

日本ならおそらくブチ切れていたであろう。

しかし、安堵感と早く試合を観なければ!という思いに、怒りがどこか遠くにいってしまい、急いで座席を探す。

これはこれで見つけにくく、行ったり来たりを繰り返す。

当然、それによって他のお客の邪魔になるので怒る人もチラホラ。

これはヤバイと思いスタッフに聞きに行く。

まずは愛想の悪い兄ちゃん。

とても無愛想に、指だけさした。

君、日本では通用しないよ!!って言ってやりたかったが、諦めて次の頼りになりそうな人を探す。

3人に聞いてなんとか自分達の座席にたどり着く。

やっと落ち着いて観れる。

それは前半開始から5分以上が過ぎたころだった。