キドラの憂鬱と微笑 -163ページ目

キドラの憂鬱と微笑

施設の介護の事 特に 認知症ケアの事
自分史 振り返り
ファンタジー文学

2日目のプログラムは

「Start Line」からでした。

実はこの作品の今村彩子監督 は

2014年の映画祭にも出品されています。

「大地の花咲き」の岩崎靖子監督も

一昨年に出品されていました。

今村彩子監督は生まれつき

耳が聞こえません。

他者とのコミュニケーションを

自分自身の課題として

沖縄から北海道まで自転車の旅をする

ロードムービーであり、

セルフドキュメンタリーなのです。

このように説明すると

「愛は地球を救う」的な

障がい者は頑張り健常者が感動する

みたいな構図を

思い描く人も多いと思います。

「24時間テレビ」の裏で

Eテレでは「バリバラ」を生放送し

これがネット上でも議論の盛り上がりを

見せています。

ぼくが思うのは

頑張っている人を見て心うたれ

感動する事はありうる事です。

ただ問題は

障がい者を見ると

「頑張っている人」という

あてはめ、思い込み、先入観で

個別性を排除してしまう事にあると

思います。

頑張らない人、頑張るのが苦手な人は

大勢いるし、

また頑張らなくてもいいんです。

今村監督は頑張りますが

ほとんど伴走者に叱られてばかりです。

伴走者は自転車に詳しく

今村監督の自転車の先生であり

健聴者であり

この映画のカメラマンになる

堀田哲生さん、通称哲さん。

哲さんに叱られてふてくされ

本気の喧嘩になり泣いている今村監督。

駄目駄目なのですが

「あなたがスタートラインに

   立つまでの映画だね」と

某テレビ番組プロデューサーに言われると、

哲さんは

「スタートラインがどこにあるか、

   おぼろげにわかっただけ」と

手厳しいそうです。

真面目で楽しい映画でした。

プログラム相互の関連性というか

映画祭のテーマという事で

結びつかなくても良いのですが、

実は「Start Line」はこの映画祭が

初上映でありそれは今村監督の希望でした。

2年前この映画祭に参加した後に

監督のお母さんが

亡くなられているそうです。

その半年後には祖父も亡くされています。

その事に映画の中で詳しくは

語られてはいませんが

落込みは想像に難くありません。

そこから這い出すための

セルフドキュメンタリーだったのです。

上映後の

哲さん、今村監督、榛葉健監督の

鼎談の中でその事についても触れられ

あえてこの映画祭からはじめようと

されていたのでしょう。

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2日目のプログラムは

この後、

「“記憶”と生きる」 土井 敏邦 監督

「袴田巌 夢の間の世の中」  金 聖雄 監督

と続いていきます。